最終更新日:2005/07/27
CROSS†CHANNEL
シナリオ
前半のギャグ、後半のシリアス共に、物語のノリについていけるのならかなり高水準のシナリオです。
特殊な背景の上に成り立ち、変わった設定になっていますが、それを上手く利用する事で逆にゲームの中に引き込みます。 難解な表現や逸話、漢字、単語がたくさん出てくるので、ついていけないと辛いかもしれません。 余韻を残したまま終わり、いろいろと深く考えさせられるシナリオです。 シナリオ自体が一本道であることを上手く利用しています。 予定調和的なものがないとは言い切れませんが。 正気と狂気の狭間に揺れ動いてるようなものなので、そういったものが苦手な人は向かないでしょう。 CROSS†CHANNELというタイトルが見事に内容を表していると思います。 それなりにシナリオにも量があるので、合えば楽しめると思います。 グラフィック
可もなく不可もなく。
このゲームに合っていたかと問われれば、正直微妙です。 レベルとしてもそこまで高くありません。 あとは好みの問題になると思います。 後半鬱方向に傾きがちなシナリオを緩和させているような気もします。 返って雰囲気には合ったグラフィックだと思う人もいるかと。 サウンド
話の雰囲気を壊すことはありませんが、これと言って良いというものも有りませんでした。
全体的に音が無いように思えます。 もう少し音楽でも魅せて欲しかったです。 雰囲気とマッチしているとは思いましたが。 ヴォーカル曲であるEDのCROSSINGは良い曲です。 まさに、このゲームのためにあると思いました。 ボイスも良かったです。 システム
基本的な物は殆どそろっています。
セーブ数も十分。 終わりが予測できないので十分とは言えないのかもしれませんが。 パッチ当てないとクリアできないというのは減点対象。 セーブやロードが右クリックで表示できないのもちょっともったいないと思います。 総合
不思議なストーリーが好きな人にお奨めします。サイコ的展開、突飛な設定、突飛なキャラ等の。
世界設定自体がかなり特殊でもあります。 逆に、設定が説明されないと嫌な人には、あまり向いていないと思います。 知らない世界観でいきなり話が始まりますし。 欝ではないですが、それに近いものもあるので、そういったものが苦手な人も手を出さないほうが良いと思います。 ギャグも笑える笑えないハッキリ分かれると思いますので、結構微妙です。 ちなみに私は笑えませんでした。 会話のテンポはよく、設定もそれなりにしっかりしています。 なかなか良く出来た作品ではあるので、興味を持ったら一度プレイしてみる事を是非お勧めします。 以下ネタバレです。お読みになられる方は、反転させてお読み下さい。
どうもでいいですが上記で出来るだけネタバレしないように書くのが難しいなと改めて思いました。
何度も繰り返しプレイするループシナリオになっています。 修正ファイルを入れてない状態でクリアできないです。 分岐に気付かずループでだるくなる可能性もあるので、もう少しループの数が少なくても良かったのかもしれませんが、一人一人にスポットを当てるとなるとあの量がこのゲームにとって最良だったのかもしれません。 適応係数という言葉が作中にありますが、もう少し説明が欲しかったと思います。 各キャラの行動原理が非常に掴み辛いせいもあり、何を基準、何が原因で群青学園に入れられたのかがわかりません。殆ど説明されてないキャラ等は特にそう思います。 テキストは、ある意味センスの塊だと思いました。 ただし、このセンスを受け付けない人にはまったく受け付けないとも言えます。 私は、ギャグ部分があまり面白いとは思えませんでしたが、大抵は引き込まれていくと思います。 シナリオ自体に引き込む力もあります。 後半は、前半と打って変わってシリアスが続きます。 主人公がギャグの塊なので、パーフェクトというわけではありませんが。 説明自体がきちんとされてない事もあり多少難解ですが、結末を含めた伏線の貼り方、ゲーム構成の組み立て方は上手です。 ご都合主義部分もありますが、ほとんど感じさせられません。 考察系シナリオが好きな方は十分に楽しめると思います。 主人公を始めとし、キャラがそれぞれ背負っているものは、暗く重いですが、それを上手く最後の方でまとめました。 このゲームで最も伝えたかったのは、おそらくここの部分の生き方だと思います(特に主人公)。 人は選びますが、大抵は純粋な読み物としてなら楽しめると思います。 このシナリオを欝ゲーと表現してよいところなのかは、微妙なところだと思います。 世界構成が鬱的なものであるからそう見えるだけなのかもしれません。 かといって、泣きゲーであるというわけでもないと思います。 人と人とのコミュニケーションの一つの方法を描いた作品だと思えました。 人はそれぞれ何を想い、何を得るのか。 そんなことを考えさせられる作品だと思います。 ここまでです。
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