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この世の果てで恋を唄う少女
YU−NO

セガサターン:¥7800
(シャトルマウス同梱版:¥9800)

あるゲーリクエスト、4999(5000)ヒット記念レビュー
(ヒットされたのは、三月 剣さんです。)


このパッケージの意味が中々解りませんでした(汗)


EVEで有名な剣乃ゆきひろ(現:菅野ひろゆき)氏が

作る最新作というコトで発売前から話題沸騰でした。

ゲームの出来も、もちろん素晴らしく

遊んだ僕は大満足でした。

それではレビュー行きますッ!!

 

僕はこのYU−NOと言うゲームは

サターンのADVで最強・最高傑作だと思っています。

それはゲームデザインからストーリーや音楽など

全ての要素が素晴らしいからです。

それらを書いてみます。

 

最近のADV系ゲームでは

(特にノベル系だと)謎解きなどが難しいのではなく、

単に選択肢の数が多過ぎて把握できなくなっているだけ

のゲームがたくさんあります。

メモを取っても、ただただ選択肢の数が多く

チェックする時間もバカになりません。

ハッキリ言うと時間がスゴクかかり

苦痛な単純作業です。

どうにもならなくなって攻略本を立ち読みしたら

呆れるくらい選択肢があって

「こんなのやりたくね〜よ(涙)」

と幻滅した事が少なからずあります。

 

それをYU−NOではA・D・M・Sというシステムを使って

ストーリーチャートをアミダクジ状に表示して

プレイヤーに提示しています。

さらに、ストーリー分岐が近付くと

クリスタルを点滅させてプレイヤーに知らせてくれます。

このシステムのおかげで

プレイヤーがメモをとって丁寧にプレイしていけば解るので

基本的に攻略本は要らないシステムになっています。

加えて、分岐の量も少な過ぎず多過ぎるわけでもなく

この辺りのバランスは絶妙です。

 

それで他には最近のADVゲームでコマンド選択式だと

全てのコマンドをしらみつぶしに選べば

クリアできてしまう問題があります。

 

傑作と言われた剣乃氏の前作

『EVE バーストエラー』もコマンド選択タイプです。

ザッピングシステムや

謎が謎を呼び最後の最後にも謎が明らかになる

という面白さを持っていますが、

コマンドをしらみ潰しに選べば先に進めてしまうので

そこは不満でした。

 

今回のYU−NOでは、

アイテムを使って先に進むフラグがあり、

そこに辿りついた時点で必要なアイテムを持ってなくて

進めない場合があります。

 

つまり、詰まる可能性があるのです!!

僕にとってスゴく革命的な出来事でした。

いくら素晴らしいゲームだと言ってもコマンド選択式だと

単にコマンドを選ぶだけで

何となく進んでしまうゲームばかりでしたから(笑)

 

アクション系のゲームと違って

選択式のRPGやADVには緊張感がないですが

YU−NOだと

「どのアイテムをどこで使うか?」

「分岐が来たが、どんな条件で分岐するのか?」

と常にストーリーの進展に

注意していなければイケナイですからね!

 

ココまでレビューを読んで

YU−NOッて難しそうでイヤだなあと思われましたか?

 

安心して下さいッ!!

救済策はキチンと用意されています。

ディレクターの剣乃氏も

「サターン版は難易度を下げます」

と発言していたのですが

でも、僕は少し危惧していました。

 

難易度を下げるためにゲームデザインを変更したけど

そのせいで全体のバランスが悪くなった

ゲームがいくつかあります。

 

しかし、YU−NOは

ゲームデザインの変更は基本的にありません。

(原作のPC−98版は遊んでないので知らないですが)

難易度低下の手段として

ゲームの進め方を丁寧にまとめた小冊子を

説明書以外に付録として付けたり

デモシーンやオープニング・デモムービーを用意して

プレイヤーにヒントを提示しています。

実際、デモシーンで謎がわかった部分があります。

澪ルートの「円盤」の使い方はデモを見ていて閃きました。

他には、オープニングムービーを見て書斎で何をするかとか

(ネタバレのため、↑ココは伏せ字です

見たい方は、CTRL+Aを押してください)

 

プレイヤーへの最大の難易度低下サービスはADMSでしょうね。

コレがあるから分岐がプレイヤーにハッキリ解りますから。

 

さて、ストーリーに関してですが

このゲームデザインから

(ADMS分岐や必要になるアイテムの存在)

何度も同じ部分をプレイする必要があります。

しかし、微妙な一言にも伏線が張ってあったり

同じ時間の違う世界という設定で

同じ時間に起こった同じ出来事でも

微妙に違ったりしています。

つまり、ストーリーを繰り返さなければならない事が

あまり苦痛ではありません。

 

さらに、剣乃作品の良さとして

謎が謎を呼び最後まで明らかにならないからです。

ほとんどのゲームは

中盤辺りで物語の輪郭がわかってしまい

あとは、自分の想像に向かって

ストーリーが進行するだけですから。

結果も、想像と大して違わない事が多い(苦笑)

 

ただ、ストーリーについてはスゴク不満があります。

周りから、ADMSのマップが出る現代編をクリアしたら

解答編が始まると聞いていました。

(正式名称は「異世界編」と言います。)

確かに解答は得られましたが、

この解答編がつまらないものでした。

ただ、テキストを読み進めてボタンを押すだけだからです。

加えて、僕はこの部分を2時間くらいだと思っていたのですが

何と、軽く10時間くらいかかりました。

 

苦痛でしたね。

話の要所ごとに自動的にセーブできるのですが

10分でセーブできたと思えば

2時間くらいノンストップだったりとか

止め時が中々見つからなかったのが苦痛でした。

 

ストーリーの伏線や謎の全ては

ゲームをオールクリアしても解りません。

少なくとも僕は解りませんでした。

多分「プレイヤーであるあなたが考えて下さい」

という製作者側の考えがあるのでしょう。

 

ストーリーについてもう1つの不満は

エロ要素についてです。

元々が18禁PCゲームなので

言うのは野暮かもしれませんが(苦笑)

 

登場人物(女性)のパンツが丸見えの

カットが続出していたり

女性がやたらとキワドイ服を着ていたり

出て来る女の子全てが

主人公に好意を持ちアッサリと体で結ばれてしまうとか。

ま、この辺は(18禁)ギャルゲーのお約束ですが(苦笑)

 

エロと言えば、グラフィックが凄かったです。

イヤ、エロ過ぎてグーとかいうのでなく(苦笑)

「よくサターン(セガ)の倫理基準を通ったな」と

呆れるやら感心するやら。

ストーリー上必要とはいえ

やってる事はアレですからねぇ(苦笑)

 

ただストーリーやゲームデザインが素晴らしいだけに

惜しいんですよ。

冒頭で、僕はYU−NOを

サターンADVで最強・最高傑作と言いましたが、

このエロ要素のために

誰でも(特に女性に)オススメ出来ません(苦笑)

イヤがる人はイヤがりますから。

 

 

誰もがそう思うと思いますが

ゲームデザイン上で僕が最高に混乱した事を書きましょう。

それは『画面をクリックする事』です。

 

このゲームは、基本的にはコマンド選択式だと思いますが、

単純にコマンドが表示されてそれを選択するのでなく、

カーソルを移動させて画面をクリックする事で

場面転換やストーリーが進行します。

 

例えば話したい時は

表示されている登場人物の顔の所に

カーソルを持っていきクリックすると

会話が始まるという具合です。

 

所々で難しくなっている場合があります。

僕が詰まったのは‥‥、

<澪編>の社の地下に入って

塔状の機械のある空間から

脱出する時に出口を見つける部分と

(グラフィックから出口が認識できなかった)

 

<神奈編>でのバッドエンドで

神奈が死んでいるのを確認するために

鼻をクリックして息が止まっているのを確認する部分でした。

(息をしてないのを知るために鼻をクリックするとは

思わなかった。

確かに、口へカーソルを持っていくと

『話す』になるから鼻でいいんでしょうが(苦笑))

(↑この部分もネタバレのために伏せ字です。

読みたい方は、CTRL+Aで確認して下さい。)

難しいところですケドね。

コマンド選択式にすれば簡単過ぎるし

クリックだと微妙な違いが解りにくくなってしまうという

ジレンマを抱えています。

僕としては詰まったのは悔しいけど

その先に進めた時の喜びが大きいから

ヨシとしましょうってトコでしょうか(笑)?

 

演出に関しては、

小さな画面効果が良かったです。

例えば、海が見える所では

波に太陽が反射してキラキラしていたりとか

繁華街で夜だとネオンが点滅していたりとか。

 

もう1つの演出として音が素晴らしい。

声優さんも人気も実力もある方々を

起用していて良いのですが、

効果を良く考えています。

例えば、テレビの音声や電話で話している人の音声は

少しくぐもっていて現実にそういう音が出ている感じが

上手く出ています。

 

素晴らしいと書きましたが

少しだけ不満があります。

このゲームには主人公の男性キャラにも声が入っています。

その声で時々トーンがスゴク変わってしまうんです。

コレには違和感を感じました。

しかし、この主人公の音声吹きこみの量が

半端でなく多いので

仕方ないかもとは思います。

 

最後に、僕はこのゲームを1回中断しています。

当時やっていた仕事がきつくて

YU−NOを遊ぶのが飛び飛びになっていたので

話が把握できなくなって止めてしまいました。

ですから、このゲームは1回やり始めたら

クリアまで止まらずに遊んだ方がいいと思います。

伏線もたくさん張られていますし

細かい部分が解らなくなるからです。

 

それにしても

「ああ〜、YU−NOを遊んで面白かったなあ」

願わくば、このADMSの分岐システムを使った

ADVゲームをまたやりたいですね!!


クリア時間:約65時間

音声をほとんど聞いていました。

音声オフにすれば

プレイ時間はコレより短縮できると思います。


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