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ビタースイート フールズ
(SIMPLE 2000 シリーズ DC VOL.1)

DC:¥2000

プレイステーション:¥2000

プレイステーション2:¥2000


このパッケージもゲームの雰囲気をよく現していますね!


このゲームは、もともと、買うつもりはありませんでした。

でも、ネットのオフ会で出向いた際に

「2000円くらいやし、損してもエエわ」

と思ってフラフラッと記念のつもりで買いました。

で、帰ってきてから遊びましたが、

「コレは結構イイですよ?」

と方向転換したので、このレビューを書いています。

 

最初に買おうと思った動機は、グラフィックが自分の好みだったからです。

実際、ギャルゲーを買う最大の決め手は、

「女の子がカワイくて自分の好みかどうか?」ですよね?

このシリーズは、DCで4本出るそうですが、

他のソフトは、グラフィックで僕の琴線に触れませんでしたから

買わないと思います(苦笑)

 

このゲームの良さは、グラフィックよりストーリーです。

買うのを敬遠した最大の理由を書きましょう。

雑誌などの紹介やパッケージでは

女の子のイラストが、たくさん描いてあったので

主人公がカワイイ女の子に囲まれてウハウハ(死語?)になる

「ラブひな」や「ああっ 女神さまっ」みたいな

ストーリーだと思ってました。

「そういうゲームは、ココんトコたくさんやってるから、買わなくても良いな」

と思ってました。

ギャルゲーって、他のジャンルのゲームに比べて起伏が少ないし

クリアには、とにかく時間が必要なゲームです。

積みゲーがたくさんある僕は

コレ以上、ゲームを増やしたくないと思ってたので敬遠しました。

 

しかし、買ってしまった以上はクリアしたくなるのが人情というもの。

ま、2000円のゲームやし、肩ひじ張らずに気楽にやろうと始めたのですが

ハマッてしまいました(苦笑)

 

まず、主人公の職種がアンマリないタイプで新鮮でした。

このゲームは、2組の主人公のグループの話が交互に進行していきます。

どちらも何でも屋で必要とあらば殺人も可、という非合法な仕事に就いています。

(ゲームやマンガだと、職業で探偵などは、多いんですがね(苦笑))

彼らはあんまり大っぴらに話せる生き方をしてないので

当然、主人公や周りの登場人物も、(ゲーム中で)秘密や謎が多いです。

僕は、普通のゲームだと遊んでいて

「ワザワザ、隠すんじゃねーよ」とか思ってしまうんですが、

汚れた暗部もキチンと説明されるので、このゲームのキャラたちには

「言いたくないなら言わなくて良いよ」

と思うようになってました。

 

このゲームの売りである主人公視点でゲームが進むとありますが、

特に新鮮だとは感じませんでした。

悪いのではなく、言葉遣いでもハッキリ性格づけがされていますし、

ごくごく自然で変でないと言う意味で。

 

起用されている声優さんですが、

いわゆるアニメ声の人は少なく、

どちらかというと洋画風のシブイ声の方が多いです。

 

タイトルもシブイですよね?

『BITTER SWEET FOOLS=悲喜交々の道化師たち』って

(当然ながら、↑は辞書を引いて調べました(苦笑))

タイトルの意味通りなんですよ

彼らがやっている事は、世間一般の誰にも理解されてないから。

 

あと、このゲーム『恋愛アドベンチャー』と銘打っていますが、

普通の恋愛はそれほどありません。

ギャルゲーだともっと深い体の関係になってしまうのですが、

それもありませんし、

「やったな?」と想像させる描写もありません(笑)

 

プレイすると解りますが、

単純な『(男女の)恋愛』ではなく『家族愛』とか

もっと大きな『愛』がテーマだと感じます。

ストーリーも浮ついておらず、ドッシリと落ち着いて進行します。

実際、僕は風呂上りに一杯やりながら遊んでました(笑)

 

このソフトの価格は2000円ですが

5800〜7800円などする普通の価格のゲームソフトと比べて

劣る部分は特にありません。

グラフィックも音声もゲームとして良く出来ていますし、

違う点は、『選択肢が少ない』だけです。

 

ただ、現在のギャルゲーは、選択肢の数を多くしてボリューム感を出しています。

実際、多過ぎると僕は思っています。

把握しきれないもの。

特に社会人だと、週に1回、休みの日に2時間くらい遊ぶだけという人も多いです。

次の週にやろうと思って遊んでも、大抵、忘れています。

このゲームは1話に選択肢が多くて2個、

ほとんどは1個あるだけです。

 

それだとツマラナイと思われました?

そう聞いた時、僕もツマラナイと思いました。

しかし、ツマラナクはありません。

面白かったです。

ストーリーがグイグイ引っ張っていくのです。

先を見たくて遊び続けましたもの(苦笑)

 

ゲームの総合的な感じとしては、『AIR』に近いです。

ラストの方は、選択肢なしでどんどん進んでいく点や

少しおとぎ話の要素が入っている点です。

謎のまま終わる部分もあって、

そこはエンディングまで行ってもプレイヤーに完全には解りません。

 

僕は、それもアリだと思っています。

この手のゲームは、『大人の童話』だから

合理的に考えるとおかしい部分があるのです。

もっと言えば、全てが明らかになってしまうと

物語のスケールが小さくなってつまらなくなってしまうのです。

「ココは謎のままで良いよね。

そこはプレイヤーの皆さんが考えて下さい。

その考えた事(の全て)が正解です」

という部分があっても良いじゃないですか?

 

最後に、日本には「安かろう、悪かろう」という言葉があるように

同じジャンルの物と比べて、トビキリ安い物はダメだという考えがあります。

以前は、そういう粗悪なゲームも多かったですが

最近では、品質も良くて安い物が出ています。

今回の『ビター〜』は値段分はシッカリ遊ばせてもらったと思います。

良かったよ?

 

唯一、感じた欠点について書きましょう。

このゲームは全部で22話あります。

選択肢によって2話から5話に飛んだりするので

1回のプレイで全ての話を見る事はできません。

 

で、例えば終盤の話で

あるキャラの行動について

「こんな事もあったな」と思い出すシーンがあるのですが、

その時に通った話の中で見てない事もあるのです。

その時、僕はスゴイ違和感を覚えました。

このゲームを遊ばれた方は、どう思われるか、お聞きしたい所です。


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