ファイナルファンタジーIX
プレイステーション:¥7800
(1)はじめに
まずファイナルファンタジーシリーズ(以下FF)で『8』を取り上げずに
先に『9』を取り上げる事をお許し下さい。
『8』はキャラがリアル志向になってしまっていて僕の好みでない事
(ストーリーは遊んでないので何とも言えません)と、
一番最初にチュートリアルの文字が多くて
『ドロー』などがメンド臭そうといった理由で敬遠しています。
いずれ時間を取ってクリアしようと思っていますので
気長にお待ち下さい。
僕が現行のプレステのFFで遊んだのは、『7』と今回の『9』です。
『7』から『9』で進歩したと感じた事を書きますが、
『8』ですでに直っている事もあるかと思います。
そんな部分を見つけても笑って許してやって下さい。
それでは、レビューへレッツ・ゴー★
(2)ゲームデザイン
ゲームへ行く前に説明書にとても良い事が書いてありました。
―遊ぶ際に説明書で見るような事は、
全てゲーム中で分かるようになっています―
という部分です。
FFやドラクエを買う人は、ふだんゲームを遊ばない人も含んでいるので
この配慮はいさぎよいと感じました。
悪く言うつもりはないですが、『コンビニRPG』としての基本だと思います。
買って来たら、最初は説明書も見ずにディスクをセットしてゲーム始めるでしょ(笑)?
さ〜て、ゲーム本編のレビューに入ります。
戦闘は『育てる』楽しさがあります。
『アビリティ』という特殊能力を身につけていきますが、
コレは装備する武器や防具によって違います。
(『AP』というポイントが設定されていて、戦闘後に経験値とは別に入ります。)
そのアビリティの付いた武器を装備している間は
そのアビリティは使えます。
装備している間しか使えないアビリティを常時使えるようにするにはどうすればいいか?
例えば『暗闇回避の術』でAP15と設定されていたら、
戦闘してAP15を15ポイント得たら完全に身につきます。
その武器を装備している間は、そのアビリティは使えるから
ある程度は先に進めていいなど。
また各キャラに魔石力というポイントがあり、
それを振り分ける事で使えるアビリティを装備していきます。
ですから、マスターしたアビリティを全部使えるというわけにはいきません。
ですから、ココの敵は毒攻撃をして来るから、毒を防ぐアビリティを使い
代わりにストップのアビリティは装備しないから防げないという状況も出来ます。
このように、多少の戦略性があります。
う〜ん、上手く説明できない(汗)
でも、アビリティの部分はファイナルファンタジータクティクスっぽいですよ(笑)
しかし、戦闘には欠点もあります。
FFは『アクティブ・タイム・バトル』というシステムを使っています。
バーメータが時間と共に増えていって満タンになったらコマンドが入力できる
という戦闘システムの事です。
それで、戦闘になってコマンド入力しますが、
コマンド入力とキャラの行動のタイミングがずれています。
つまり、『たたかう』を入力したあと、しばらく経ってから行動するので
敵のコマンドが実行されて回復しなければいけないと思った時には
もう間に合わなくて死んでしまう、という状況が頻繁に起こります。
ドラクエだと『敵の攻撃→何ポイントのダメージ』とテキストで表現しています。
テンポも良く、時間がかからない方法をとっています。
FFはこの部分でテキストを使わずに
キャラクターのアニメ演技で表現しているから時間がかかるのです。
僕が解決法を考えてみたのですが、
以前のFFのようにキャラを移動させて攻撃した時は
フラッシュみたいな効果で簡略にあらわしたり、
敵にもコマンドゲージをつけて行動するタイミングをプレイヤーに提示する
という方法が考えられます。
確かにリアルさは素晴らしいですが、
それでゲーム性が損なってしまうのなら意味がないと思います。
(3)ストーリー
よくFFを『ストーリーが悪い』と言う方がいるのですが、
僕はそんなに悪くないと思います。
このゲームのタイトルが『FF』でなかったら
そんなに批判されないと思います。
もっとも、300万本も売れないとも思いますが。
ただFFのどの作品のテーマも『死』についてという点で
ワンパターンかもしれません。
ドラクエもテーマは『人生』や『親と子』ですが
自分が親になったり、子になったりとバリエーションはついていると思う。
それと、今回クリスタルについて語られると周辺から聞いていたのですが、
そんなに出てきませんでした。
メインテーマはクリスタルなんですけど、
以前のようには取り上げていません。
期待しない方がいいと思います。
さて、ゲーム中のストーリーについて違和感を感じた部分をシッカリ書きます。
まず主人公がハッキリしていません。
ゲーム序盤ディスク2枚目まではビビが中心で
後半3枚目からはジタンが中心です。
それだけなら悪くないですが、
ジタンが中心になるとビビについて一切触れなくなってしまいます。
ご都合主義でほったらかしにされていると感じました。
他にはフライヤ、クイナといったパーティメンバーがいるのですが、
単に町などのグラフィックを見せたいためだけに登場させている設定に思えました。
そのダンジョンをクリアしたら、基本的にオプションその1みたいな扱いでしたから。
そもそもパーティメンバーが多過ぎます。
僕は5人くらいがベストだと思います。
設定を生かしきれないくらいキャラが多くて
結果として展開が中途半端になっているように思えます。
ただ後半、パーティを分割してダンジョンをクリアする
というゲームを遊ぶ際に楽しめた部分もあったので
一概には言い切れません。
核心部分の設定では、
『FF9』のジタンとクジャ、『FF7』のクラウドとセフィロスの設定が似ていると思いました。
どう似ているかはネタバレになってしまいますので書きません。
あなた自身がゲームを遊んで知って下さい。
ストーリー展開に関しては、ハリウッドの娯楽映画のような展開です。
『一難去ってまた一難』というジェットコースターに乗っているような感じ。
悪いとは思いませんが印象には残りにくいと思います。
ただ最初から最後までハリウッド系の姿勢を貫いているのは評価できると思います。
それはもうオープニングからエンディングまで(笑)
キャラについてはステレオタイプ過ぎるかなあと思います。
例えば、ジタンだと『女好きで陽気なカッコつけ』で
ガーネットは『世間知らずのお嬢様』です。
キャラのセリフに関して明かなミステイクはないのですが、
『コイツならこう言うだろうな』と容易に想像がついてしまいました(笑)
そうそう、キャラでいえばフライヤが良いですね。
ネズミの竜騎士なんて見た事ないですし、しかも女性という事でビックリしました。
(4) グラフィック
文句ナシ!
最高ッす!!
こんな映像が作れるのにどうしてプレステ2が必要になるのか不思議に思います。
それくらいグラフィックは美しい。
唯一の不満は、戦闘時のガーネットの
ポリゴンモデルの顔のアップが怖かったくらいです(爆)
『FF9』のマップは特徴的なデザインになっていて『迷う』事が少なかったです。
『FF7』はキレイだったけど、どこに行っていいか迷いましたから。
大きな進歩です。
マップ自体は広くなく、どちらかというと狭いです。
でも、普通の2Dゲームに比べれば、プレイヤーにかける負担も大きいので
コレでいいと思います。
(5)まとめ
先にハリウッド映画みたいと書きました。
テンポの早い展開でクライマックスにはムービーがたくさんあり
ディスク1枚に10時間足らずしか時間がかからない
といった面も影響していると思います。
それが悪いのではなく、
娯楽作品の一つのあり方として認めてもいいと思います。
僕の周りでは、『ドラクエは中古に売らないけど、FFは解いたら中古に売る』
という人が多いです。
そういう消費のされ方はチョット悲しいですが、
ゲームの歯ごたえそのものはドラクエの方、特に戦闘面であると思います。
ただし、FFも戦闘で工夫すれば経験値稼ぎなしで進めるという部分で
(進めるのに苦労はしますけど(笑))バランスはキチンと取れています。
『FFはSFC時代と変わってしまった』という声もよく聞きます。
確かに現在のFFは映像面にとても力をいれていると思います。
それでゲーム性がなくなってしまっていると思うのなら
遊ばない方がいいと思います。
『オレはFFを遊んできたから、今回も遊ばなければいけない』
という強制は全くありません。
『離れる』という選択肢も(悲しいと思いますが)あるのです。
僕は楽しく遊べました。
FF9に使った時間はムダではなかったです。
もう一回遊んで攻略のーとを作ろうと思っているくらいですから。
クリア時間‥‥51時間
ただし、レベルアップに10時間くらい使っていますから
普通の人なら40時間くらいでクリアできると思います。
しばらくしたら『攻略のーと』を作成しますね★