ゼノギアス
プレイステーション:¥6800
(1)はじめに
『ゼノギアス』というタイトルを聞いたのは
ネットの友達が「面白い、面白い」って言ってたから。
それも2人。
で、機会があったら遊んでみようと思ってたところに
運良く中古ソフトで安めの値段で売ってて
「この程度の値段ならつまらなくても損しないよな」
と思い、購入。
それが延々半年の付き合いになるとは、夢にも思いませんでした。
「どこが良いのか」
「どこが悪いのか」
それをシッカリ書いていこうと思います。
あくまでゲームデザイン論重視になりますが、
僕はキャラやストーリーに惚れないんで仕方ないと思って
お付き合い下さい。
いま手元にゼノギアスのレビューや製作者インタビューが
載っている電撃プレイステーションがあります。
レビュー、インタビューからも、僕が感じた事をガンガン書いていきます。
おっしゃ、行くぜぃ★
(2)ゲームデザイン
ストーリーを読み進めてコマンド選択式の戦闘をこなしていくという、
まあコレだけを説明するなら、普通のゲームです。
ところがどっこい!
「実験作」だの「野心作」だの言われるだけあって
イロイロ盛りこんであります。
僕が感じた問題点を述べていきましょうか。
レビューに載っていたのですが、
「簡単に迷う」
ホントに迷います。
最初のダンジョンから。
3Dポリゴンのゲームで360度視界が動くのなら
真上から見れる視点を入れるべきです。
もしくは、縮小マップを入れるべきです。
縮小マップはあるのですが
ラストダンジョンを入れて3箇所分しかないので
話になりません。
全ての場所で迷う可能性は高いのに!
しかも、用意されているマップも
現在地がマーキングされないので、どこにいるか解らない。
ラストダンジョンのマップはキチンと現在地を示してくれているのだから
『手抜き』としか言いようがありません!!
次に『戦闘』について
『ギア戦』については、装備を整えればチャントクリアできる
レベルなので、まあ問題なし。
『ギアの格闘アクション物』についても、
適当に攻撃していても何とかなるので問題なし。
とにかく手数で勝負です!
問題は『人が戦う普通の戦闘シーン』なのです。
プレイステーションの○、△、□ボタンを使った
攻撃は面白くて良いです。
プレステのボタンのデザインの妙を感じます。
が、問題がゾロゾロ出てくるんだよなあ(苦笑)
敵によっては特殊攻撃をしてくるので
――例えば、与えられたダメージ分のダメージを与えて来るなど――
一概に全部倒さず逃げる必要がある、
もしくは、逃げた方が良いというのは良い。
が、問題は経験値稼ぎで戦う敵に対しての製作者の配慮がないのです。
同じ装備にしているのに、
キャラによって与えられるダメージに差があり過ぎです(怒)!!
コチラのキャラのHPが300程度で1回攻撃されたダメージが
1とか5とかのキャラがいれば、
150くらいのキャラもいる。
ということは、ダメージ150くらいのキャラは敵の攻撃3発食らえば
HPマックスの状態でも死んでしまうって事です(爆)!!
そのキャラ(ビリー)は嫌いになりました(苦笑)
あと、ストーリーで強制的にパーティを組まされる時に
この弱いキャラがいると、当然難易度がハネ上がります。
他に強制的にパーティを組まされる時に困る事は
必殺技を習得させてないキャラと一緒になる事です。
説明します。
このゲームの攻撃は先述したように
○、△、□のボタンの押す組み合わせなのですが
特定の順番の押し方で必殺技を習得して出せるようになります。
必殺技のダメージ量は、通常技よりもはるかに大きく
後半戦では必須です。
で、後半、強制的にパーティを組まされた時に困るんですよ(笑)
必殺技が使えないので全然ダメージを与えられなくて
ザコですらひ〜ひ〜言うハメになります。
『キャラが画面を移動する時に困る事について』
このゲームは通常移動でマリオのような
ジャンプアクションで移動していくのですが、
隠しアイテムを取りに行く時ならともかく、普通に移動するのでさえ、
厳しいタイミングのジャンプをしなければ先に進めません!!
横からの構図でタイミングを計りたいのに縦視点からしか見えないとか
ベストポジションの視点には障害物があって全く見えないとか
ガケからシュルルルル〜とキャラが一番下まで落ちていく様を何度も見て
最後にはパッドを放り投げて電源を切ってました。
そのジャンプアクションの難しさは一番最初のダンジョンから炸裂しているので
早い段階でゲームを諦める人が出そうです(笑)
製作者は簡単にはしたくなかったそうですが、
この上記した複数の部分(↑)で悩みたくなかったです(怒)!!
僕は雑誌の攻略データを見ながら進めましたが、
全く見ないでクリアできるレベルのゲームではない
(つまりムズイ)と思います。
レビューに「後半難易度が上がるのが問題だ」とありましたが、
多分、ここら辺が問題なのだと思います。
(3)ストーリー
某アニメって書くのは嫌いなんでハッキリ書きますが
確かにエヴァンゲリオンの影響ってありますね。
(特に残酷な)場面描写で心理学的な部分もありましたし。
僕はストーリー及びその提示の仕方については
評価して良いんじゃないかと思います。
『核心を突かないセリフ回し』とレビューにありますが
『先を知りたい』と思わせるのに成功しているのを評価しましょうよ。
大体のゲームって中盤辺りに来ると
最後の展開が読めてきちゃうでしょ?
このゲーム、ホントにエンディング直前まで
謎と謎の解答、そして新たな謎がいくつもいくつも用意してあるので
飽きませんでした。
前述したゲームデザインにコレほど難があるのに
最後までプレイしたのは
ひとえにストーリーの出来の良さと断言します。
そして、問題のディスク2枚目の展開についてですが、
僕はコレで良かったと思います。
あまりにたくさんの謎や伏線があり過ぎて
ストーリー自体膨大なものになっていて
ディスク1枚目と同じ展開なら
僕は、このゲームをクリアするのを諦めたでしょう。
正直、このゲームを遊ぶ事に疲れていた。
謎を解いてストーリーを進めても進めても、
また謎が出てくるので、どこまで行ったら終わりが見えてくるのか
不安になってきていたからだ。
テキストもCGもよくもこんなにディスクに入ったものだなあ
と感心するくらい多い。
――注意:ストーリー2枚目の展開について――
主人公フェイを中心にして表示されるテキストを
読み進めて要所にボス戦やダンジョンが入る展開です。
要は、デジタルコミックだと思って下さい。
しかしエンディングはいただけません!
最後の最後で安っぽいというか、スタッフが投げちゃったのか?
と思うような展開です。
惜しい!!
確かにゼノギアス・エピソードXと出てるし、
2002年1月現在、物語的に関連のある『ゼノサーガ』というゲームも
数ヶ月後には発売されるので、そっちを見てくれという事でしょうか?
(4)グラフィック
スゴイ‥‥。
プレステ1でココまで出来るとは‥‥!、というのが正直な感想です。
ギアもカッコ良く動くし、効果音も決まってる。
雲や煙、水の表現も頑張ってる。
(DCの『エターナルアルカディア』ほど自然な表現ではないが
それでも良く出来ています)
処理落ちもほとんどない。
スクウェア作品にしては、ムービーもそんなに多くない。
CGの使い方も上手い。
グラフィックについては問題点は基本的にありません。
素直に脱帽したと書いておきます。
(5)まとめ
実に惜しい。
スクウェアのというよりプレステのゲーム全てが
ホネのあるゲームが減って残念に思っています。
もちろん、名作もありますケドね。
製作者が『簡単なゲームにしたくなかった』と言う気持ちは解ります。
が、難しさの方向付けが間違っていると思います。
以前ネットでお付き合いのある方の掲示板に
『このポリゴンゲームは移動に頭を使います』と書いたら
『それは本を読むのに誤字・脱字を探しているようなものです
本は文章を読むのであって字句の間違いを探すものではありません』
とお返事をいただきました。
全くもってそのとおりでした。
ココまで書いてきた未調整からくる欠点があるからこそ
『ゼノギアス』は『名作』ではなく『実験作』と
言われてしまうのではないかと思います。
しかし、クソゲーと断じてしまうには惜しい。
少し調整すれば名作となりうるからです。
どうでしょうか?
この難易度では、攻略データがないとクリアできないし、
続編『ゼノサーガ』が出る時期であるいま、
3年前の旧作『ゼノギアス』の攻略本を探しても見つかりにくいだろう。
紹介しておきますが、ネットでも攻略ページはあるが、
テキスト中心でマップで迷いがちなので
画面写真が欲しいところです。
もう1度言います。
惜しい‥‥。
クリア時間‥‥約60時間
レベル調整・装備アイテム入手などで10時間ほど余分にかかっています。