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空想化学世界ガリバーボーイ

 

独特の髪型じゃないから、ガリバーって分かりますか?

PCエンジン(¥6800)

セガサターン(¥6800)

ゲーム概要

ゲームシステム自体は、オーソドックスなもので、移動していると敵が現れ、
FFのようなゲージがついたコマンド戦闘を繰り返すものです。
そして、要所でムービーが挿入されているというゲームです。

なぜ取り上げたか?

と、思われる方もいらっしゃるかもしれません。
広井王子さんプロデュースならもっとメジャーな作品があるだろうと。
そう、
サクラ大戦天外魔境などですね。
しかし、僕はこの作品を抜いてしまっては、広井王子さんのコレまでの積み重ねの
真ん中を抜いてしまうような気がしてならないからです。

しかし、売上自体がそんなによくない。その辺も絡めて記事を進めていきたいと思います。

ハードが広井さんに追いついた

このような気がします。
声優さんの音声、ムービーなど、広井さんがPCエンジンで繰り広げた
一連の演出がサターン・プレステで当たり前になってしまいました。

メディアミックス戦略

コレはPCエンジン版の時の話ですが、アニメ、雑誌媒体等を使って、
大々的に宣伝していました。
加えて、キャラデザインに独特の世界観を持った
芦田豊雄さん
メカデザインに
鳥山明さんなど、
なかなか、豪華な、しかし実力を持ったメンバーです。

しかし、サターン版はベタな完全移植過ぎて、それが批判の元になりました。

アニメ自体が終わっている事。
(アニメとリンクして遊ぶ事がこのゲームの面白さの前提になっています。)
PCエンジン版を持っていて、なおサターン版も購入したユーザーにとって、
彼らの期待が空振りに終わる結果になりました。

僕自身は、サターン版はワゴンセールで拾い物でしたし、
雑誌でベタ移植だと言う事を聞いていましたので、そんなにショックはなかったです。

さて、「アルバム・げ〜む」に取り上げる以上、何か光るものがないといけません。
その話をしましょう。

攻略本が要らない

特筆すべき事でないかもしれませんが、(当時の)新世代機が出始めた頃は、
3Dポリゴンの登場で珍奇なシステムを盛り込んだゲームがたくさん出て、
何をしていいやら分からなくて、雑誌の攻略記事を見ないと、どーにもならん
といった状況でした。
そこへ、既成のシステムで、あくまでお話を見せる事に重点をおいた
本質を突くことになったこの作品は、僕にとって忘れられない作品です。

しかし、僕は攻略本を立ち読みで一回見ています。

星影老師という中ボスなんですが、あるやり方があって、それ自体は間違っていない、
しかし、どーにも倒せんという状況になり、本屋に駆け込みました。
そこで、少し本を見たんです。そしたら何と!

目標レベルが30低かった(爆)

といった感じで、このときばかりは本屋で大笑いでした。周りの人はから、おかしな目で見られました。
注:この作品はクリア時にレベルは260くらいになります。
隠し要素も無論ありますが、隅々までマップを探せば答えはどこかにあるんです。
それには、必要な段階で、かなり強い敵とかいますけどね。

ムービーと普段のキャラの融合

コレはどういうコトかというと、特にプレステで言われたんですが、
『ムービーと普段のプレイ画面の差を無くす』
といったことが言われていました。
それはあくまで3Dポリゴンといった立体的な舞台をメインにしたもので、
2Dを使ったものではありませんでした。

しかし、ガリバーは成功したと僕は思っています。
芦田さんの独特のディフォルメされた絵が、ムービーとプレイ画面の差を
あまり感じさせず、うまくいっていると思います。

あるとき、カプコンの船水プロデューサーがいっていた言葉を思い出しました。
「今、世界一の2D格闘が創れるのに、何でヘボい3Dを創る必要があるんですか?」
とゲーム批評で言っていました。(今では創っていますが(笑))

 

ここで重要なキーワードは、「ディフォルメ」です。
2Dという次元を1つ少なくした世界で次元が一つ多い3次元を表現するためには、
様々な培われたテクニックが必要です。
現在、日本のアニメはジャパニメーション(Japanimation)と
呼ばれ、世界で高い評価を得ています。
この技術を生かす手もありだと思います。

無論、3Dも現在、試行錯誤の段階であり、そういう表現が必要であるという
方もいて、それを僕は否定しません。

サターン版について

僕はこのバージョンは天外魔境・第四の黙示録のテスト版のような気がしてなりません。

というわけで、次回は天外(サターン)ですね。

また、皆さんからのリクエストもお待ちしています。


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