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タクティクス・オウガ

SFC:(コンビニローソンにて)
セガサターン:¥5800
P S:¥2800(自社ベスト)

(1)初めに

僕は、SFC版をカオスルート、
サターン版をロウ・ルート+死者の宮殿=完全クリアしています。
その経験を基に、この記事を書いています。

なお、今回から多少のネタバレを含みます。
「見たくない!」という方はブラウザの「戻る」で戻ってください。
イラストも描きましたが、多忙のため、文字のみです。ご了承のほどを‥‥m(__)m

(2)第一印象

とにかく、世界観のとっつきが悪かったです。

僕が物覚えが悪くてアホだったのかもしれませんが、初期設定が難しくて
ピンと来ませんでした。
この作品の世界観をキチンと理解するには、中世ヨーロッパ史と、キリスト教を
ある程度理解してないと、解らないと思います。
例えば、バルバトス枢機卿という人物が出てきますが、
「枢機卿」って正確に説明できますか?
僕はよく解らなかったので、辞書引きました。
それで、この感想を持ちました。

さて、こんな些細な事はさておき、ゲームについて語りましょう。

(2)素晴らしいゲームデザイン

この作品を遊んだ人は、悪印象を抱く事は少ないと思います。
なぜなら、手を抜いておらず、キチンと作りこんでいるからです。

とにかく、ヘルプメッセージをどこでも、どんな時も呼び出せて確認できるからです。
しかし、それでも難しいという事実は否定できませんね。

(3)引きこまれるストーリー

この作品の主題は、ずばり「家族愛」だと思います。

ゲームを進めていくと、その辺がよく解ると思います。
事実がある程度わかっている姉、カチュアと、何の疑問も持たない弟、デニム。
そして、事実がわかり、二人は独自の考えを持って、別々に行動し始めます
(だから、デニムの恋人、オリビアの登場が少ないと思います)
大まかな過程は変わらないものの、要所に選択肢を盛り込む事で
プレイヤーに製作側の一方的な押し付けを与える事を、避けようとしています。

もう1つの主題は、政治的なもの、『真の正義とは何か』という事です。

この作品独自の価値観として、ロウ、カオス、ニュートラルがあります。
例えば、自分の行動が『悪』だったとしても、そこで終わりでなく、
葛藤があり、最終的にはプレイヤーの納得いく形で、『正義』にたどり着きます。
この物語は、かなり難しく、だからこそ誰が遊んでも納得が行くと思います。

(4)難しい戦闘

ところが、簡単に物語を堪能できるほど、世の中そんなに甘くありません!

この作品、戦闘パートが、けた違いに難しいのです。
ホントに緻密な詰め将棋をしているみたいです。

的確な動きをするコンピュータ

この作品の敵キャラは、一切、無駄なく動き、攻撃してきます。
という事は、こちらがムダな動きをすれば、たちまち殺されてしまいます。
猪突猛進は厳禁です。
ところが、飛び込んでいかなければいけない場合があるのです!
それが、以下の2点です。

アイテムを取りにいかねばならない

敵を倒したら、その場に「アイテムの袋」が表示されます。
この「袋」を自軍のキャラが取らないと、アイテムが手に入らないのです。
敵がその場所に着いてしまうと、袋の中身が開けられてしまいます。
その戦闘に出てくる、ある敵キャラしか持っていないアイテムの場合、
特攻あるのみです!
友人と相談した結果、石化魔法『ペトロクラウド』がないと、
このゲーム、クリア不可と断定されました

救出イベント

物語に深く関わってくる、仲間キャラの救出イベントがあります。
救出といっても、普通の救出とは違って、
助けられるべきキャラが、敵軍にドンドン突っ込んでいくのです!
それも、戦闘員でない魔法使い系や、または何も装備していないという困ったちゃん
ばかりです。
それも、最初のプレザンスからなので、プレイヤーは頭が痛いですよね。
僕はハボリムで、何度もリセットを押しました(苦笑)

なぜ、ゲストキャラをこうまでして助けねばならないかというと、
1つ目に
そのキャラ固有のストーリーが進展しなくなるという事、
2つめに、
ゲストキャラは通常のキャラより、同じレベルでも一回り強いんです。

ここまで書いてきたように、戦闘バランスが厳しいので、助ける苦労バリバリです。

(5)総括

この作品、意外にも初代SFC版は数十万本くらいの売れ行きだそうです
(ユーズド・ゲーム誌参考)
サターン版は、サターン自体の年末のソフト・ラッシュ、
何と言っても主要ゲームデザイナーの移籍による新作、
『ファイナル・ファンタジー・タクティクス』の影響は否定できないと思います。
PS版は、上記FFタクティクスの発売後であり、完全にタイミングを逃しましたね。

しかし、僕は3ヶ月くらい、サターンでコレ一本をやりこんでいました。
それくらい、ボリュームがあります。
難しい戦闘のあとに、重厚な物語が展開される、
そして、隠しダンジョンで戦闘が有利になるレア・アイテムの確保‥‥、
苦労のしがいもあります。

なぜ、売れなかったのかというと(売れる事が全てでないですが)、このゲーム、
『質より量』のCD−ロムのゲーム機に対立する作品だったからだと思います。

確かに、派手なエフェクトや、ムービーがないですが、
キチンと作りこまれるSFC時代を象徴する作品だったと思います。
最近、クソゲーが増えてきていると思います。
問題の本質は、前述した通り、
『当たり前の事をキチンと作りこまない』点に
あると思います。

この作品の与えた影響は大きいと思います。
明らかに、「コレ、タクティクスのマネだよな」という作品もありますね。
しかし、僕は今までコレを越える作品を残念ながら、出会っていません。

だからこそ、ゲームデザイナーの方に『当たり前の事』を見つめ直して欲しいです。

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