ロック鳥。「アラビアンナイト」に登場する怪鳥。マルコポーロの「東方見聞禄」には、インド洋のどこかの島に生息していると記されています。姿は鷲に似ていますが、はるかに巨大で翼を広げると20メートル以上にもなり、翼の影で昼でもあたりは真っ暗になるといいます。象などを食べており、象を軽々と持ち上げて飛ぶことが出来ます。
「アラビアンナイト」の船乗りシンドバッドの第二の航海において、ある島に一人残されたシンドバットは巨大なドーム状の白い家を見つけます。すると、あたりが真っ暗になり巨大な鳥が舞い降りてきます。その鳥はロック鳥であり、ドーム状の家に思えたものはロック鳥の卵なのでした。そこでシンドバットは島から脱出するための妙案を思いつき、自分のターバンをロック鳥の後足に結び付けそれに捕まります。ロック鳥は人間のような小動物は気にも止めていない様子で、シンドバットをぶら下げたまま飛びたちます。こうしてシンドバットは島からの脱出に成功したのでした。
ロック鳥は、マダガスカル島に実在したエピオルニスという鳥がモデルになっているとも言われています。エピオルニスとは19世紀前半に絶滅した鳥類で、ダチョウのような飛べない鳥ですが最大のもので背丈は3.5メートルにもなる巨大な鳥でした。この鳥類の噂が広まり誇張されて、ロック鳥の伝説が生まれのかも知れません。
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