ベルゼブブは「蝿の王」、「糞山の王」という意味を持つ悪魔である。魔王サタンに次ぐ力を持っているとされサタンが自らの軍勢とともにいるときは、常に参謀のように傍らに控えている。もともとはフェニキアの異教神「バアル・ゼブル(天の住処の主)」とされる太陽神であった。キリスト教が広まるにつれ土着の宗教の神々たちは悪魔へとその姿を変えていったのである。 このベルゼブブは救世主イエスとも対峙している。 ベルゼブブはユダヤ人をそそのかしイエス殺害に成功し、イエスの魂を「冥府(この説話では人格化されている)」に幽閉することを計画した。しかしイエスの一言によって悪魔達は恐れをなして逃走、逆にベルゼブブはイエスに捕らえられ「冥府」に幽閉されてしまうのである。このイエスの訪問により冥府に縛られていた死者は解放されることになったのである。しかしながらベルゼブブは監禁されたにもかかわらず冥府を手なずけ、その後もたびたび地上に現れているのである。