遺骨
著者:内田康夫
552円、363ページ、角川文庫
ISBN4-04-160753-1 C0193
非常に丁寧で読者に読んでもらおうという姿勢がうかがえる。
読み終えてみて感じたことは、この内容でこのページ数は少し多いかなと。
遺骨をめぐっての騒動と、それを追うにしたがって現れる犯人像。
途中で人間関係が複雑になってわからなくなるかもしれないが、
そこは推理小説なので目をつむりたい。
本の名前を見ては分からないがどうやらシリーズものらしく、
説明もなく前作に登場した登場人物を登場させるので少し困った。
医学界を題材としていて事件の背景がきっちりと出来ているし、
事件とその話の筋ををただ読み進めるというだけではなく、
医療問題ということについて少しながら考えさせられる。
一定の面白さはあるもののどこか少し面白みが欠けている。
話の進め方や話の構造はしっかりとできているため筋は結構良い。
(平成十四年六月十五日改訂)