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暗夜行路

著者:志賀直哉
629円、582ページ、新潮文庫
ISBN4-10-103007-3 C0193

 はっきり言って読む面白みに欠ける。
 この作品は私小説または自伝小説だと見受けるが、 どうも読ませようとする焦点がはっきりしていない。 色々書きすぎてその結果、長い話ができてしまっている。 また、長さの割に無駄な文章が多い。 長いためか内容が薄く感じられてしまい読みどころも長さを割合にしてみれば少ない。
 この作品における、大事な部分が長さで薄れてしまって なんでもないように感じられ、平凡にさえ思えてくる。
 よく読めば妙な表現にこだわらず、心理描写が丁寧で率直に表現された、 いい文章もあるだけに非常に勿体無い。 もう少し文章を削れば読みやすく面白みが出たはずである。
(平成十四年六月十七日作成)


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