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新編 風の又三郎

著者:宮沢賢治
438円、345ページ、新潮文庫
ISBN4-10-109204-4 C0193

童話の短編集の一つである。
この風の又三郎は十六もの話がありなかなか面白い作品が多い。
この本を読むと不思議な気分になれる。 人間以外の動物がしゃべったりするというのもあるが、氏特有の文章だからであろう。 どことなく暖かく、そして楽しい。 世界観が独特であり、大人でも読める童話であると思われる。 大人でも子供でも理解できる文章と内容で結構なことである。
良くないところは、たまに意味のわからない言葉や方言が出てくるが それを注釈で確認しながら読むのが面倒である。
童話なので心理描写は少ないが、背景や動作の表現がうまい。
さまざまな話があり、どんな人でも一つくらいはいいと思う作品があるのではなかろうか。 始めに収録されているやまなしはほのぼのとした落ちつた雰囲気で書かれていて この作品の世界の中に連れて行くにはうってつけである。
(平成十四年六月二十七日改訂)


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