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新編 銀河鉄道の夜

著者:宮沢賢治
400円、357ページ、新潮文庫
ISBN4-10-109205-2 C0193

氏の短編童話集の一つである。この作品は色彩を主に扱った話もいくつかあり 他の短編集と比べて色彩の扱い方に優れ、氏の文章を引き立てている。
漢字で書けるところをひらがなで書いて文章にやわらかみを出したり、 話の雰囲気を出したりするのに一役買っている。 文章がやわらかいためあまり読んでいても疲れない。 特に擬音の使い方は語呂といい視覚的なものといい氏唯一のものではないだろうか。
たまに文字が抜けている部分もあるがさほど話の流れを妨げるわけでもなく、 そのようなことが気にならないほど一つ一つの話はしっかりしていて完成度は高い。
氏のほかの短編集と比べると話の数は最も少ない。 よって、総じて全体的に話は少しだけ長い。 構成もしっかりしていて話の最後に締める文章も生きている。 特に後半におさめられている話の構成が良い。
(平成十四年六月二十七日作成)


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