夢見通りの人々
著者:宮本輝
438円、284ページ、新潮文庫
ISBN4-10-130705-9 C0193
章ごとに主人公が変わるオムニバス形式を採用しており
氏なりのスポットライトの当て方で話を進めていく。
オムニバス形式であることに問題はないのだが、
どうも章と章の結びつきが弱く、章をすべてつなぎ合わせても一つの作品になりきれてない。
登場人物の関係が少し希薄なので、登場人物の関係を
もう少ししっかりさせると良くなるのではないか。
しかし、各章の構成自体はしっかりしているし、章ごとに面白みがある。
章の最後の何行かは味がありうまくまとめられている。
会話が関西弁であるため、関西弁が嫌いな人には受け入れれないかもしれない。
しかし、関西弁を使う人特有の人情や雰囲気はしっかり出せている。
そして、性格というか個性の強さというのも出ている。
登場人物は書き分けられている。
(平成十四年六月二十五日作成)