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どくとるマンボウ航海記

著者:北杜夫
400円、231ページ、新潮文庫
ISBN4-10-113103-1 C195

 医師とは思えない軽妙な語りと有り余る雑学で繰り広げられる航海記。 どこからそんな知識が出てくるのかが気にかかる。
 今とは時代こそ違えど、今も昔も日本人は一歩自分の国から出れば、 変わらないという印象を受ける。
 軽い気持ちで読める反面、読解しようと思うと逆に疲れる。 原料は機知のある文章である。こういった文章を書く人はおいそれとはいない。 うまくできすぎている部分もあるので、この作品に書いてある内容が本当なのか疑ってしまう。
小説ばかり読んでいるときに違ったジャンルとして、 休憩にいったん読んでみるのもいいかもしれない。
(平成十四年六月九日改訂)


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