こころの処方箋
著者:河合隼雄
400円、241ページ、新潮文庫
ISBN4-10-125224-6 C0111
心理学と聞くと難しいとか専門的というイメージを持つ方もいるかもしれないが、そんなことはない。
この本がいい例である。
文章のプロというわけではないのだが、
分かりやすい例を用い、万人に分かるように専門用語をほとんど使わずに書いてくれている。
専門的内容ではないので心理学の勉強には向かないが、分厚いハードカバーでもなく、
価格も安いので一度読んでみてはどうだろうか。
内容はなんでもないことのような気がするが、なんでもないことほど実はわかってなかったりする。
読んでみると確かにそうだ、という一種の再発見がある。
心理学というものが常に日常を題材としているからでもあるが、
入っていきやすい話題で、すらすら読み進めることができる。
この本を読んだからといって何かが解決するわけではないが、解決策を見つけることはできるだろう。
一つの話題の最後に大体、蛇足の一文があるのが惜しい。
(平成十四年六月九日改訂)