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蜀後伝 第九章 祁山侵攻戦



【プロローグ】

打倒・魏に執念を燃やす姜維。

自ら兵を率い、そしてその兵たちが

疲れきっていることを、誰よりも知っている
姜維であったが……

攻めねば、攻められる。

そして攻められれば、天下など頭にない
皇帝の劉禅は降伏するであろう。

その思いが、姜維を次なる戦いに
駆り立てていた。

さらに劉禅は宦官の黄皓を重用し
どんな愚かな進言でも採用していた。

少しずつ、蜀は破滅に近づきつつあった……

イベント1
姜維よ、また北伐に向かうのか。
今度は勝つんじゃろうのう〜。
お任せあれ! 司馬師の死を契機に
司馬昭は国内の混乱収集に追われており……
魏を討つには絶好の機かと存じます!
のう、黄皓。
おぬしはどう思う。
フォッフォッフォ。
陛下は何も気になさらずともよろしいです。
戦争など野蛮なことは、姜維殿に任せて
日々、楽しくお過ごしくださいますよう。
そうかのう〜。
それでいいのかのう〜。
黄皓、貴様……
我らは国のために戦っておるのだぞ!!
おやおや、失言でしたかな。
私めはてっきり姜維殿のご趣味かと……
貴様、魏を討ち果たした後は覚えていろ!
二度とそのような口は利けなくしてやる!
フォッフォッフォ。
お優しい姜維殿には無理でございますよ……
国を長らく留守にしすぎたか。
あのような宦官がのさばるとはな……!

姜維も蜀の現実を危ぶみ

国が持ち直すには今回の遠征で
魏を倒すしかないと考えていた。

終われば、全てが終わりかねない一戦に
決死の覚悟で姜維は挑む。


また姜維の奴が攻めてきたか!
何とまあ、執念深い奴だな!
さすがに、我が軍も疲弊してきた……
ここを凌げば、蜀は自滅するのだが。
何か策は?
あまり使いたくはなかったが国のためだ。
蜀皇帝・劉禅の寵臣に黄皓というものがいる。
そいつの言うことを劉禅は何でも信じる。
では、その黄皓に金をつかませて……
ああ。姜維が謀反するという噂を流させる。
性根の腐った奴だ。金で何でもする。
しかし、お主がそのような手を……
……これは戦だ。
勝たねば意味がない、というところだ。





イベント2
来たな、姜維……!
決着をつけよう……!!
ケ艾!
この戦で貴様を倒す!!
何度戦っても同じこと。
魏の領土は寸分も渡さぬ!

イベント3
これまでの遠征は無駄ではなかった!
我が軍はより精強となっているぞ、夏侯覇!
……ああ。
……どうした、様子がおかしいが。
……かすり傷をしたようだ。
な、何を言っている!
これは……かなりの深手だぞ!
心配はいらん。
俺は最後まで戦う。
ダメだ! 後方まで退け!
手当てをするんだ!
姜維、お前はもっと非情になれ。
天下をとるには、犠牲はつきものだ。
だ、だが……!
……そう簡単には死なん。

イベント4
潮時、か……
夏侯覇、どうしたんだ?
……そろそろ死ぬようだ。
!!
最後まで戦えず、すまん。
私はお前と共に天下を取りたいのだ!
死ぬんじゃない!!
さらばだ、姜維。
……死ぬなよ。
夏侯覇ーーー!!
夏侯覇よ……
この身が裂かれる以上に……
お前を失うことはつらい……
……だが、俺は戦う。
将は前に進むしかない。
お前がそう教えてくれたからだ。
……夏侯覇よ!!
お前の無念はこの姜維が背負おう!!
魂となって、蜀を守ってくれ!!

イベント5
また貴様か!
何度戦えば気が済むのだ、姜維よ!
無論、魏を滅ぼすまでに決まっている!
それが無駄だというのがまだ分からんのか?
蜀ごときに敗れるわが国ではないぞ!
私の見たところ、魏で優れた将は
お主とケ艾ぐらいのもの。
つまり、この戦に勝てば
おのずと魏の力は急速に衰える!
この陳泰とケ艾を倒すというのか?
姜維よ、貴様はもう少し現実が見れる男だと
思っていたのだがな!!

イベント6
廖化一番乗り!!
戦い続けて早や五十年以上……
このような派手な戦功を俺があげるとは!
……何も起こらなければよいが。

敵軍カットイン1
ケ艾! 何をグズグズしている。
蜀軍などさっさと片付けてしまえ!
……よく言ったものだ。
蜀の兵士を見よ。
死の覚悟を持った顔をしている。
そう簡単に倒せたら苦労はせん。
フン、所詮は田舎の弱兵だろうが!
……そう思うなら、お前ももっと
本気を出せばいい。
お前の力、私はまだ見ていないぞ……
ケ艾……この俺を愚弄するとはな!
貴様にだけは負けん!!

イベント7
姜維の執念が上回ったか……!
見事だ、我が軍を退けるとはな。
ケ艾……!
陳泰、ずいぶん深手を負ったな……!
ああ、蜀の……いや、姜維の
執念にやられたってところだ。
追撃されれば全滅するかもしれんな。
……あとは我が策が功を奏するか、
我らの運命はその一点にかかっている……
よし、追撃せよ!
魏軍を一気に殲滅させるぞ!!
お待ちを、姜維殿!
成都より勅命が届きました!
勅命……だと?
至急、成都に戻れ……と。
戻らずば謀反起こす意志ありとみなすと……
な、なぜ……
なぜ勝利を目前に!!
天は、この姜維にどれだけの試練を
与えれば気が済むというのか……!!



【エピローグ】

姜維は、ケ艾率いる魏軍を圧倒し……

敵将陳泰が、戦いの最中に負った傷により
死亡するなど、壊滅的な打撃を与えた。

しかし、完全なる勝利を目前に……
ケ艾の策により、撤退を余儀なくされる。

ケ艾は宦官・黄皓を金で操り
姜維を成都に呼び戻させたのである。

己の立身のみを考える黄皓。

その黄皓を重用する愚かな劉禅。

そして、国に戻らず戦場に常にいることで
国の実情に疎くなった姜維。

ケ艾の策は、蜀の現実を読みきった上での
完璧なものであった。

そして、この蜀軍の撤退を契機に
魏軍は完全に勢いを取り戻し……

ケ艾・鍾会らは蜀の都・成都侵攻の
準備を進めつつあった……!


イベント8
陛下! 完全な勝利を目前に、
なぜ私を呼び戻したのです!
それがのう〜。
おぬしが謀反を企てているなどという
よからぬ噂を聞いたのでのう〜。
誰がそのような愚かなことを!
いや、そこにおる黄皓がのう〜。
フォッフォッフォ。
黄皓、貴様!!
魏からいくらもらった!?
フォッフォッ、私が何かいたしましたかな?
ただ、国を顧みずに遠征を繰り返す
姜維殿を怨む民の声……
その声が私の耳に届いただけでございます。
き、貴様……よくそのようなでまかせを!!
斬ってくれよう!!
フォッフォッフォ。
陛下の御前で、野蛮な人でございますな。
やめよ、姜維。誤解は解けたのじゃ。
そちら二人はワシの大事な臣ゆえ、
争いはやめてほしいのう。
くっ……!!
フォッフォッフォ。