この俺に二度の敗北は無い! この司馬懿の恐ろしさ、その身に刻め! |
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司馬懿…… 私の最期を飾るに相応しい相手です。 |
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劉備殿……天からこの孔明の戦 ご覧になってください。 |
父上、孔明からこのようなものが。 | |
……女物の着物、だと!? | |
ち、父上を侮辱しております! | |
……いや、これは孔明のあせりよ。 おそらく、奴の命は長くないのであろう。 |
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俺を侮辱し、挑発しているらしいが | |
その手には乗らん。 | |
あくまで慎重に戦うぞ……! | |
さすがは司馬懿、挑発には乗りませんか。 こちらから攻めるしかないようですね…… |
馬岱よ…… あなたに一つ頼みがあります。 |
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はっ、なんなりと。 | |
今あなたは、魏延の下にいます。 そのあなたしかできないことを頼みます。 |
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……はい。 | |
感づいているとは思いますが、 私の体は病に蝕まれています。 |
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もしも、この戦いの最中に死ぬことがあれば 撤退するよう姜維には言ってあります。 |
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………… | |
その時、もしも魏延が反対するようなら…… 魏延を斬りなさい。 |
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……承知しました。 | |
魏延は強すぎる…… 私がいなくなれば誰も彼に逆らえません。 |
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私としたことが、このような策しか 思い浮かばないのです…… |
費イよ。 私は生きて蜀には戻れないでしょう…… |
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何を弱気なことをおっしゃられます! | |
丞相の後を誰が継げるというのです? まさか魏延? |
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無理ですね! 無理ですね! | |
私の後は蒋エンに。 蒋エンに万一のことあらば、あなたが。 |
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いいですね! いいですね! | |
蒋エン殿なら安心ですね! | |
あなたと蒋エンがいれば安心です。 | |
ただしそれは内政面でのこと…… | |
軍事面はどうするんですか! | |
魏延か姜維のいずれか…… この戦いの後、蜀に戻った方を。 |
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何かが! | |
何かが起こる予感ですね! |
我が名は夏侯覇。 貴様の名は……? |
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姜維だ。かつては魏にいたがな。 名門育ちでは私のことなど知らぬか。 |
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……貴様が孔明の片腕か。 | |
なるほど、良き面構えだ。 | |
おまえは裏切り者呼ばわりはしないのか。 | |
戦う地は己で選ぶもの。 魏に生まれたから魏で戦う理由などない。 |
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もっとも……貴様は俺の敵だ。 | |
残念ながら、死ぬ運命になるが。 | |
面白い……! | |
この私を倒せるものならやってみせよ! |
姜維よ。私の戦略、戦術…… そのすべてをあなたには伝えたつもりです。 |
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はい、丞相。 | |
このことをどう生かすかはあなた次第。 願わくば、蜀の未来のために…… |
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無論です。この姜維、決して 丞相の教えに背くことはいたしません! |
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私の時間は残り少ない…… | |
よく見ておきなさい、最後の瞬間まで。 |
この俺を二度までも倒すとはな。 | |
恐るべき男よ、孔明……! | |
丞相、あと一押しで敵軍を壊滅できます! ご指示を! |
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姜維、残念ですが…… 我が星は堕ちたようです…… |
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……丞相? | |
ま、まさか……! | |
あなたが全軍を撤退させなさい。 そして国力を蓄え、待つのです…… |
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魏を倒せる日まで……! | |
そ、そんな! 丞相はまだ戦えます! |
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そして私はあなたから まだまだ学びたいことがあるのです! |
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だから、どうか死なないで下さい! | |
人には天命というものがあります。 姜維、後のことは任せました。 |
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必ずや……私の遺志を継ぎ…… | |
丞相ーーー! | |
じょ、丞相…… あなたの意思は私が継いでみせます! |
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ぜ、全軍…… | |
全軍!撤退せよ!! | |
蜀軍が撤退していく…… 孔明、死んだか…… |
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だが、策を姜維に授けているやもしれぬ。 全軍、ここは撤退するぞ! |