魏に、優れた将がまだいようとは…… 苦しい戦いになりそうですね。 |
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孔明殿、心配なさるな。 | |
この趙子龍がカク昭や曹真ごとき若造、 ひねりつぶしてみせよう! |
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趙雲殿、経験の浅い我が軍にあって あなたの存在は力強い限りです。 |
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本来なら無理はしてほしくないのですが…… | |
何を言う! この趙子龍、若き頃より 戦場で生き抜いてきた。 |
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死すときも戦場と決めている。 | |
この俺をいくらでも使うがいい!! | |
ありがとうございます。 ではその武、存分にふるってください。 |
カク昭、よくぞここまで耐えた! 後はこの曹真に任せよ! |
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いや、孔明を倒すまでは 退くことはできません! |
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うむ、そうであったな。 よし、共に孔明に引導を渡すぞ! |
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姜維。魏軍にとってこの陳倉は 戦略的に重要な箇所。 |
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つまり、我らがこの地を奪えば 今後の戦いに有利に作用します。 |
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だからこそ、魏も死に物狂いで来る…… | |
その通りです。 | |
ですが、そんな敵の思いなど関係なく いかなる戦であろうと勝利する…… |
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それが軍師ですね。 | |
その通りです。 では、参りましょうか。 |
どうした、蜀軍よ! このカク昭、逃げも隠れもせんぞ! |
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命を賭けて、向かってこい!! | |
挑発に乗ってはいけません。 こうなれば持久戦…… |
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兵の疲弊を待ち、好機を逃さず 仕掛けなさい。 |
孔明よ。未熟な軍を率い 何度攻めてきても無駄なことだ。 |
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この張コウがいる限りはな。 | |
確かに、あなたに比べれば 我が軍の実戦経験は少ないでしょう。 |
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しかし…… | |
この諸葛亮が率いる限り 一戦を百選に勝る糧と変えてみせます。 |
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そしていつか我が軍を越える、か。 | |
面白い。戦いはそうでなくてはな。 |
おっと、裏切り者の姜維殿ですか。 まったく、何を考えているのですかね。 |
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裏切りではない。 孔明殿の志を知り…… |
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そして私自身の天命も知ったのだ。 | |
……それが自分の祖国を滅ぼすことだと? | |
祖国……今の私にとって、 蜀以外の故郷は存在しない。 |
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そして魏は……漢王朝を滅ぼし | |
天下を簒奪せんとする、許せざる国だ。 | |
ふ〜ん。まあ、考え方は色々だからね。 俺はそんなことはどうでもいいや。 |
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ただ、この地は譲れないよ。 これが俺の仕事だからね。 |
廖化よ、我らもずいぶんと 長く戦ってきたものだ…… |
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同胞が次々と世を去っていく中…… お主のその活躍は心強いぞ! |
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なんの、趙雲殿! わたしはまだまだ三十年は戦えますぞ! |
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うむ、さすが廖化よ。 | |
私も負けてはいられんな! |
王双! この一戦おぬしの働きに かかっている。頼んだぞ! |
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グオオオオ! 任セロ!! | |
コノ王双ガ皆殺シニシテ……ヤルゾオ!! |
たとえこの地で命を落とそうともかまわぬ。 守り抜いてみせるぞ!! |
無念…… 守りきれなかったか……! |
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そ、そして…… 我が体ももはや限界……か! |
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敵ながら見事な将でした。 この私をここまで苦しめるとは…… |
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やはり丞相、魏を打ち倒すことは…… | |
はい、簡単ではありません。 今後、より厳しい戦いが続くでしょう。 |
丞相! | |
ちょ、趙雲殿が…… | |
趙雲殿が……? まさか……! |
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おお、孔明殿…… どうやら私もここまでのようだ。 |
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趙雲殿! あなたがここで倒れては 蜀の未来はどうなるのです……! |
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し、心配なされるな…… 若き力が次々と育ってきている。 |
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私がいなくとも…… 彼らが蜀を支えてくれる…… |
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あ、あなたほどの武将は二度と 得られるものではありません! |
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おお、それは何よりの誉め言葉…… その言葉、冥途の土産になろう…… |
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ここまでよく……戦った…… まさか……戦場以外で死ぬとは……な。 |
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唯一無二の将軍が…… | |
これも私に与えられた試練でしょう…… |