ふう、ようやく準備が整ったな。 | |
父上の、そして兄上の願いであった 天下平定の夢、俺が引き継いでみせる! |
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……とはいえ、とりあえず 何をどうすればいいんだろうな。 |
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うーむ…… | |
魯粛、これから俺は どうすればよいのだ、教えてくれ。 |
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ははっ。 | |
現在の状況では、 北の曹操とやりあうのは、時期尚早。 |
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ここは西の荊州を取り、 曹操と天下を二分するのがよろしいかと。 |
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なるほど、天下二分か。 さすがは公瑾兄の見込んだ男だな。 |
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よし、決めた。 荊州に進撃する! |
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まずは父上の仇、黄祖を討つとするか! |
くそっ、性懲りもなくまた来おったか。 | |
だだ、あんな若造にやられるほど ワシはまだ老いぼれてないわい。 |
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返り討ちにしてくれるわ! | |
行くぞ、皆の者! | |
まずは憎き父上の仇を討ち、 孫家再興の足がかりとするのだ! |
父上、兄上。俺、本当にやれるのか……? | |
殿! 亡き先代の後を継ぐあなたが、 そのような弱気では困りますぞ! |
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うるさい、わかっておる! 俺も孫家の男よ。やってやるわ! |
ぎゃはは、一番乗りはもらったぜっ! | |
おまえが甘寧か。 | |
黄祖の軍から降ってきたと聞いたが、 かつての上官相手に張り切っておるな。 |
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ああ任せとけ。 暴れられる場所をくれたあんたへの礼だ。 |
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この甘寧様が、 あの老いぼれの首、取ってきてやるぜ! |
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ははっ、頼もしき奴。 | |
よし、気に入った。 存分に暴れてくるがいい! |
ぎゃはは、これが孫権軍か。 なかなか悪くねえ。 |
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……かっ、甘寧? 黄祖軍の貴様が、なぜここに!? |
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おう、あんたここの将軍か。 よろしくなっ! |
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あっちは頭の固い連中が多いんでな。 今日からは、ここで暴れさせてもらうぜ。 |
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……ふ、ふざけるな! 俺の名はリョウ統。 |
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お前に殺されたリョウ操の……息子よ! | |
……リョウ操? ああ、あいつか。 そいつは済まなかったな。 |
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まあこんな世だ。 細かい恨みは忘れろや。 |
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待て貴様、待たんか、おいっ! |
あれが孫家の次男坊の軍か…… | |
力のない今のうちに、 叩いておくにこしたことはないのぅ。 |
くそう、ワシの悪運もここまでか……! | |
そのようだな。あばよ、爺さん。 | |
甘寧、貴様……! | |
おっと恨むなよ。 強え奴を、上手く使えない大将が悪い。 |
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言ってくれるわ。 孫家の次男坊はそれほどの器か……? |
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さあな。 | |
だが老い先短い、てめえよりゃマシよ。 | |
ふん、確かに……な…… |
まずは初勝利といったところか…… だが、これからがほんとの勝負だな。 |
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荊州の主・劉表はしぶとい。 | |
劉表の下にはあの劉備もいると聞きます。 ここは公瑾殿と慎重に戦略を…… |
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殿、殿ーーー! 大変です!! 曹操が、南へ向かって進軍を開始したと! |
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【全員】な、なんだと! |
曹操…… 父上が共に覇を争ったというあの曹操が…… |
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ははっ、厳しいなあ。 これは…… |
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父上、兄上。俺やれるのか…… |