伯符様、もうお出になられるのですか……? | |
ああ。 新婚だというのにすまんな、大喬。 |
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いえ、……ご無事をお祈りしております。 どうぞこれを…… |
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ほう、良い剣だな。喬家に伝わるものか? ん、鞘が無いな……? |
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鞘は私がお預かりします。 | |
ですので必ず戦場から戻り、 その剣をこの鞘にお納めくださいませ…… |
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わかった。 | |
必ず無事に戻る、待っていろ! | |
伯符様…… |
……孫策。この江東の地に主はいらぬ。 民の怒りを受けるがいい! |
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何が民の怒りだ、馬鹿野郎が! | |
民を惑わすお前の口、俺が封じてやるぜ! |
この戦に勝利すれば、あとは…… | |
……あとは、中原に進むだけか。 | |
ああ。曹操、袁紹、劉備…… | |
親父が覇を競った連中と、いよいよ勝負だ! | |
気が早いぞ、伯符。 反乱勢力の中には、危険な連中も多い。 |
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怪しげな道士の類は、何をするか分からん。 ……気を抜くな。 |
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道士か。あんな口だけの連中、 気をつけるも何もないだろう。 |
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ほらほら、さっさと行くぜ! |
な、なんでだろう……? あのときと同じ寒気がする。 |
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兄上……まさか…… |
ふぉふぉふぉ、ふぉふぉふぉ。 我が秘術に驚くがよい! |
于吉、反乱分子は貴様で最後だ。 その首を取って、俺は天下の道へと進む。 |
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恐るべし、孫策…… 天の理を極めたこのワシを倒すとは…… |
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だがひとりでは死なぬ。 我が命と引き換えに、この地に平穏を……! |
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……何をする気だ、于吉!? | |
ふぉふぉ、たたってくれるぅ! | |
ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ! |
ははは、やっちまったか…… | |
伯符! どうしたんだその怪我は……!? | |
すまねえ、公瑾。 俺の馬鹿さ加減を笑ってくれ…… |
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……な、なんの冗談だ。おい、伯符! | |
お前がいてくれて、楽しかったぜ…… | |
……伯……符……? 伯符ーーー!! | |
兄上…… | |
権、あとはお前がやれ…… | |
お前は、戦に関しちゃ俺ほどじゃねぇが、 この地を守ることなら俺よりやれる。 |
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しっかりやんな…… | |
あ、兄上ーーー!! | |
くそったれ、 まさかこんなところで終わりだなんてな。 |
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へっ、死ぬには早えぜ…… |