劉備め、身内を失って 自分を見失ったか。 |
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その気持ち、痛いほどよく分かる。 だが、同情はせん。 |
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我らも、多くの家族と仲間の死を 乗り越えてきたのだ…… |
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孫呉の地を侵す敵として 討たせてもらうぞ……! |
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殿、この戦、僕に任せてください。 | |
呂蒙殿から託された孫呉の旗、 僕が守ってみせます。 |
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……陸遜、 この戦、孫呉の命運を分ける一戦になるぞ。 |
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……心得ております。 必ずや、帰ってきましょう。 |
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勝利をおさめて……! |
兄上の馬鹿! どうして玄徳と戦わなきゃなんないのよ! |
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落ち着くのじゃ、尚香。 これは仕方無きこと。 |
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仲謀殿と劉備殿。 | |
ともに国と臣を背負う身ならば、 いずれぶつかり合うのは必定。 |
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……そんなこと、分かってるけど! | |
……! | |
これ、どこへ行くのじゃ、尚香! | |
決まってるでしょ、この戦を止めるのよ! |
孫権、出て来い! 雲長の仇、討たせてもらう!! |
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来ましたか、劉備。 | |
ですがこれより先は孫呉の地、 進むことは叶いません! |
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陸遜……! 雲長をだまし討ちしたのはお前だな!! |
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……だとすれば、どうします? | |
お前の首、取らせてもらう! 全軍、進めっ! |
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(この大軍相手にまともに戦えない、 まずは時間を稼ぐんだ……!) |
陸遜。この戦、勝てるのか……? 劉備の軍勢、その数50万と聞くが。 |
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勝つことは難しいでしょう。 | |
しかし時を稼げれば、勝機はあります。 | |
とりあえずは守れということか。 よかろう、その策に乗らせてもらう。 |
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恐縮です。僕のような若輩者に、 歴戦の将である韓当殿が…… |
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気にするな。かの赤壁のときも、 程普の奴が周瑜の下で戦った。 |
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……そして、勝利した。 | |
……韓当殿。 | |
わかりました。 必ずやこの戦、勝ってみせましょう! |
劉備の軍め、すさまじい勢いだな。 | |
劉備、あんたの関羽への想いは それほど深かったってことか…… |
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だが負ける気はせん。 | |
俺はあんたより、 ずっと多くのものを背負っているんだ……! |
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全軍、この戦線を死守するのだ! 孫呉の誇りを見せよっ! |
皆の者、守りを固めよ! なんとしてもこの地を死守するのだ!! |
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やるな。かつて私が呉を頼ったとき、 まだ子供に過ぎなかった孫桓ごときが……! |
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これが時の流れというやつか。 だが孫権を討つまで、私は止まらぬぞ……! |
呂蒙殿、周瑜殿。 そして孫呉の先主たちが築いたこの地…… |
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劉備! 貴様の私憤ごときに、 一里とて侵させはしません!! |
玄徳の馬鹿! いい加減に目を覚まして、軍を退きな! |
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尚香……! どうしてここに……!? |
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あんたを止めるために決まってるだろ! ほら、引き返すんだよ! |
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……すまん尚香、それはできん。 ここまで来て、もう後には退けぬ。 |
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……そこをどけ! | |
馬鹿……! | |
玄徳の大馬鹿野郎……!! |
おのれ、陸遜の若造めが。 なかなか手ごわいではないか…… |
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勝ちにあせり、 劉備の陣が崩れ始めましたね…… |
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よし、これで策は成る。 全軍転進、一時退きます!! |
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むむむ、逃げるか陸遜。 全軍追うぞ、私に続けぇぇぇい! |