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呉伝 第十七章 夷陵の戦い1



【プロローグ】

荊州の戦いで、関羽の死を知った劉備は、
兄弟を失った怒りで、我を失った。

仇を討つことだけを考える劉備は、
蜀の持てる全軍を率いて進軍を始める。

呉と蜀の命運を分かつ、
夷陵の大戦の始まりであった。





イベント1
劉備め、身内を失って
自分を見失ったか。
その気持ち、痛いほどよく分かる。
だが、同情はせん。
我らも、多くの家族と仲間の死を
乗り越えてきたのだ……
孫呉の地を侵す敵として
討たせてもらうぞ……!
殿、この戦、僕に任せてください。
呂蒙殿から託された孫呉の旗、
僕が守ってみせます。
……陸遜、
この戦、孫呉の命運を分ける一戦になるぞ。
……心得ております。
必ずや、帰ってきましょう。
勝利をおさめて……!

兄上の馬鹿!
どうして玄徳と戦わなきゃなんないのよ!
落ち着くのじゃ、尚香。
これは仕方無きこと。
仲謀殿と劉備殿。
ともに国と臣を背負う身ならば、
いずれぶつかり合うのは必定。
……そんなこと、分かってるけど!
……!
これ、どこへ行くのじゃ、尚香!
決まってるでしょ、この戦を止めるのよ!

イベント3
孫権、出て来い!
雲長の仇、討たせてもらう!!
来ましたか、劉備。
ですがこれより先は孫呉の地、
進むことは叶いません!
陸遜……!
雲長をだまし討ちしたのはお前だな!!
……だとすれば、どうします?
お前の首、取らせてもらう!
全軍、進めっ!
(この大軍相手にまともに戦えない、
まずは時間を稼ぐんだ……!)

イベント4
陸遜。この戦、勝てるのか……?
劉備の軍勢、その数50万と聞くが。
勝つことは難しいでしょう。
しかし時を稼げれば、勝機はあります。
とりあえずは守れということか。
よかろう、その策に乗らせてもらう。
恐縮です。僕のような若輩者に、
歴戦の将である韓当殿が……
気にするな。かの赤壁のときも、
程普の奴が周瑜の下で戦った。
……そして、勝利した。
……韓当殿。
わかりました。
必ずやこの戦、勝ってみせましょう!

イベント6
劉備の軍め、すさまじい勢いだな。
劉備、あんたの関羽への想いは
それほど深かったってことか……
だが負ける気はせん。
俺はあんたより、
ずっと多くのものを背負っているんだ……!
全軍、この戦線を死守するのだ!
孫呉の誇りを見せよっ!

イベント7
皆の者、守りを固めよ!
なんとしてもこの地を死守するのだ!!
やるな。かつて私が呉を頼ったとき、
まだ子供に過ぎなかった孫桓ごときが……!
これが時の流れというやつか。
だが孫権を討つまで、私は止まらぬぞ……!

イベント8
呂蒙殿、周瑜殿。
そして孫呉の先主たちが築いたこの地……
劉備! 貴様の私憤ごときに、
一里とて侵させはしません!!

イベント9
玄徳の馬鹿!
いい加減に目を覚まして、軍を退きな!
尚香……!
どうしてここに……!?
あんたを止めるために決まってるだろ!
ほら、引き返すんだよ!
……すまん尚香、それはできん。
ここまで来て、もう後には退けぬ。
……そこをどけ!
馬鹿……!
玄徳の大馬鹿野郎……!!

イベント10
おのれ、陸遜の若造めが。
なかなか手ごわいではないか……
勝ちにあせり、
劉備の陣が崩れ始めましたね……
よし、これで策は成る。
全軍転進、一時退きます!!
むむむ、逃げるか陸遜。
全軍追うぞ、私に続けぇぇぇい!



【エピローグ】

劉備をおびき寄せるように、
撤退を開始する陸遜。

多勢で迫る蜀の軍に、
今、陸遜の秘策が動き出そうとしていた。