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“ツアラー”とは、一体何者か?


 ツアラーとは、マークU・チェイサー・クレスタのスポーツグレードの名称である。これがすべて。 なのであるが、これだけの説明で終わるのもナンなので、少しだけ補足を。

【90系で登場】

 90系で登場した「ツアラーV」「ツアラーS」は、80系のスポーツグレードに比べ、より「走り」を全面に押し出したモデルになっている。80系のスポーツグレードであるJZX81が、基本的にはエンジンスワップによって誕生したのと違い、当初よりJZ系のエンジンを搭載することを前提に設計されている90系はもともとの潜在能力が非常に高い。中でもツアラーシリーズは、「同一車種の中に生まれた別のクルマ」といっても過言ではないクルマに仕上がっている。80系にはなかった5速マニュアルミッションが90ツアラーVで登場したことも、先代との性格の違いを暗示している。マークUシリーズというスタイリッシュな高級車(失笑)の中にあって、獰猛な素顔を唯一覗かせるのが、ツアラーなのである。

 走行性能を支える機能部品は当然のこととして、羊の皮を被った「狼」を演出する専用装備が与えられる。管理人が特に印象に残っているのは、マークUのフルブラックアウトされたグリルだった。ダークグリーンのボディにブラックグリル、そしてあの吊り目のカオは、高速道路で後に付かれたくないクルマの1つだったな。これがチェイサーになると、ブラックグリルでもトリムはメッキがあって少し小洒落た印象になった。

【100系では】

 100系でもスポーツグレードとしてのツアラーシリーズは存続した。ただし、2000tの「ツアラー」を加え、やや上品なスポーツモデルとしての変化があったように思う。それは、ツアラーに限らず100系そのものが大幅な扱いやすさの向上を実現していたからでもある。よく言えば硬派な、悪く言えば荒削りな90系愛好者には、物足りなさを感じさせる点でもあった。とはいえ、総合ポテンシャルとしては90系を上回り、特にチェイサーではツアラー系の人気が高かった。ちなみにクレスタは「ルラーン」というグレードがツアラーに当たる。

 ツアラー系ではよく「専用の引き締められた脚」が与えられているとの表記が雑誌などではされている。これに対して「アバンテ系(ラグジュアリー系)と基本的に変わらない」という反論もある。ショックについていえば、ツアラーVは前後とも専用品のようであるが、ツアラーSとツアラーは他のグレードと共通品を使っている部分もある。また、マイナーチェンジによって、より性能が高いものにチェンジされることもあるようだ。なので、前述の論争は「どっちもどっち」である。どちらにせよ、ノーマルの脚が特別に高性能ということはない、というのが現実。ただし、リヤにスタビライザーが付くのはツアラー系だけなので、走行性能はタイヤサイズの違いもあってかなり違いがあると思われる。

 ツアラー系の装備については、詳しくはデータベースを参照して欲しい(アバンテは載せていないけど・・・)。ここでは外見でわかるツアラー系特有の装備について、いくつか挙げてみたい。

 これは、後期型のカタログより抜粋。前期型が登場した際には、マフラーエンドのバッフルは付いていなかった。他に、ツアラーシリーズではテールレンズの赤にスモークが入っていたり、グリルがダーク系になったり、グリルのエンブレムが赤になったり。そしてウインカーレンズがオレンジになるのが一番目立つところかな。

これもカタログから。チェイサー最終型のバリエーションです。