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【MGC センティミーターカスタム改】

 固定スライドタイプで、基本メカニズムはウィルスンLEと同じ。が、細かい部分で改良が施されている。トリガーにストッパーが追加されたり、リアサイトがボーマーからウイチタに変更されたり、という具合。一番大きい変更は、バレルに「サイクロンバレル」が採用されたということ。これは、いわゆるライフリングバレルの一種。うたい文句では、「ライフリングに沿って螺旋状にガスが流れることにより、BB弾に回転がかかり、弾道が安定する。」・・・ということだが、理論上タマが回転することはないらしい。それよりも、意図的にBB弾の外側からガスを逃がしてやることで、バレル中央にタマをフローティングさせることが精度の向上につながっているように思う。実際、5メートルでの精度は20ミリを切り、15ミリ前後だった。
 時代はLE系のハイチューン全盛で、とてつもなく軽いだけでなくストロークも異様に短いトリガーや、弱点のブレッドストッパーを強制作動式に改良するなど、トップシューターの使う銃は全く別物といっていいほどだった。LE系は複雑に可動部が組み合わさっているが、部品の加工精度と組み立て精度の問題で、各パーツの位置決めが甘い。それを強めのスプリングで無理矢理動かしているというのが、ノーマルの真実だったのだ。ハイチューンにしてアクションを軽くすればするほど、極端に病気がちになる。それを嫌って、写真のモデルでは作動重視のスプリングテンションに調整してある。それでも、フォーリングプレートで3秒は切れたのだから、まずまずといったところ。ただし15p径で5メートルからの時代。しかもセルフスタート(大汗)グリップはM759のものを加工した「うすうす」グリップ。
 ポールリー ベンブゥーグ作のセンティミーターマスターは、新時代のカスタムとして一世を風靡した。先進的な10ミリ弾を使用するのもさることながら、端正にして未来的な外観が、多くのファンを生んだ。MGCがモデルアップしたのは「センティミーターマスター」と「センティミーターカスタム」の2モデル。「カスタム」の方は、廉価モデルという位置づけだった。表面にメッキがかけられてなく、ABSの地肌仕上げになっているほか、グリップやマグキャッチボタンの形状も違っている。当時の私は、きれいなメッキが傷ついたり剥げたりするのが我慢ならず、買うのは決まって黒いモデルだけだったのです。