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管理人の憂鬱

2004.1.3

 ああ、クルマが欲しい。

 無性に新しいクルマが欲しくなっているのである。別にチェイサーに飽きたわけじゃない。FRの素直な走りの素性は、いつ乗っても気持ちが良くて、まだまだ奥が深いのだ。にもかかわらず、新しいパートナーを得たいという欲求が、押さえがたいほどに盛り上がっている。

 アルファロメオを買おう。

 そう決めた時から、1つの課題ができた。それは「屋内保管を可能にする」ということ。もともと家を建て替えたのも、ガレージスペースを確保するため、という理由が大きかったから特に問題はない。しかし、ガレージってのも実際に建てようとすると結構な金額がかかるもんだね。ガレージ関連のコーナー用のネタだからここでは詳しくは述べないが、ザッとクルマ1台分くらいはゆうにかかる計算だ。

 住宅ローンを払いながらガレージ資金を貯め、さらに次期愛車貯金をする・・・というのはかなりハード。でもまぁボチボチとやってたわけだ。で、そろそろガレージを、と思った2003年始めに親父の病気→手術という出来事が発生した。その後、夏に再入院→再手術という経過を経て、結局11月の終わりまで病院にいることになった。2004年1月現在は自宅でまずまずの健康状態を保っている。

 それにしても、医療というのはお金がかかるもんだな。手術のような高額医療については後で戻ってくるし、保険でまかなえる部分も大きい。しかし、それ以外の付帯費用が結構な額にのぼるわけだ。気が付けば3ケタ万円ずつの出費になっていたりする。命には代えられないし、病人の責任でもないから別にいいんだけど、改めて計算したらビックリしたというわけよ。

 そんなこんなで趣味に投入するお金なんて真っ先に使い果たし、ガレージとアルファを同時になんてとても・・・というのが現実なのである。2004年には質素でもガレージを何とかしたい。でもイナバはイヤなのよね。というわけで色々とプランを検討している段階で、アルファの件は努力して意識の外に追いやっていた。

 ところが。アルファ156がマイナーチェンジをするというじゃないの。たしか2001年にマイナーチェンジを受けたが、今度の変化は大きい。カオとケツが、全くの新デザインに変わるというではないか!うーん、新型も格好いい。ライトの設計が改良されてるんだろうな。だけど「らしさ」という点では前期型の「少々眠そうな顔」のほうが勝っていると個人的に思う。前期型を買うなら、今後は必然的に中古車にするしかなくなるわけだ。

 イタ車の中古を購入する、ということに対して不安はある。新車では手が届かないクルマを中古で買うという行為にある種のビンボー臭さを感じるのも事実だ。だが、イタ車の初期トラブルの多さを考えれば、ある程度の距離を走ってしっかりメンテされた個体の方が、むしろ新車よりも安心感が大きいかもしれないと思えるようになった。そしてビンボー臭さについては、実際にビンボーの部類に入るわけだから全く問題ないという結論に達した。車体を安く購入して、浮いた分メンテナンス費用を確保したり初期化作業を行うのが、庶民がアルファを楽しむ正しい道のような気もする。

 と色んな言い訳を並べながら156の中古車情報を検索してみると、下は100万円代前半から、上は250万円くらいでほどほどのタマが手に入ることがわかった。ただし、このデータは各グレードがごちゃ混ぜになってるからなぁ。このグレード選びがまた難しいのよ。さらに、もう少し出せば147の新車だって買えちゃう。んー、ここらへんで、少し具体的に悩んでみようか?

@MTか?ATか?

 いきなりのお題はコレ。古くからのアルフィスタなら「そりゃMTでしょお!」だろうけど、こちとら軟弱な男。週末の趣味車ならともかく、何もかもこなす「唯一の1台」として考えなければならない。マニュアルでは、V6のクラッチは重い。ツインスパーク(以下TS)のクラッチは軽い。JTSのクラッチはとても軽い。ATだとV6のQシステムはトルコンを使った普通のATで、やはりタルいが壊れない(日本製だし)。対するTSとJTSはクラッチペダルレスのMTであるセレスピード。トルコンがないから駆動はダイレクトで、シフトダウン時のブリッピングも快感。スポーツ性でいえば間違いなくセレスピードの勝ち・・・だけど壊れるのよ。156の故障で走行不能になる数少ないケースが、このセレスピードのトラブルだ。あと、ドアを開けてバックできない(安全対策でギアが抜ける)のも、実用上問題がある。というわけで、私の答えはこちら。

MTでもATでもエエけど、セレスピードは勘弁。
(くれるなら話は別)

AV6か?TSか?それともJTSか?

 お次はエンジンの話。これはトランスミッションの組み合わせとも絡んでくるが、ここではエンジンの特徴だけ。V6はアルファが誇る官能エンジン。滑らかな吹け上がりと回した時の音は絶品・・・らしい。見た目も美しいが、低回転のトルクはハッキリ言って細いからMTは発進が面倒臭いかもしれない。メンテナンスにかかるお金も4気筒エンジンよりは多い。

 TSはもはや時代遅れのエンジン。各気筒に2本のプラグを配するツインスパークは、そうする必然性がもはや無い。ドラマティックに吹け上がるのが特長だが、実は低回転でのトルク/パワーの無さのために、かえって高回転域が実際以上に力強く感じるという、「昔の軽自動車の『エアコンオフで加速!』」みたいなインチキエンジンである。とまぁボロクソに書いたが、こと「気持ちの良さ」でいえば、今でも超一流なのもれっきとした事実だ。

 JTSはTSの腰下を利用して新型のヘッドを載せたエンジンなんだって。プラグは各気筒1本ずつ。このエンジンの特徴は、「低回転では希薄な混合気を燃焼させる」ことにある。三菱のGDIなどもそうだが、環境にも配慮したエンジンということか。ただし、さすがアルファ。希薄なのはごくごく低回転域で、それは他社の環境配慮型エンジンよりもずっと低い領域にとどめられている。スペック的にはTSを凌駕したパワフルなものとなっている。反面、音や吹け上がりの面でやや刺激が少なくなっているのも残念ながら事実である。回転落ちもTSより遅い。で私の答え

どのエンジンでもエエ。でもV6だったらQシステムにするよ

Bフェイズ1か?フェイズ2か?

 さて、これだ。意外に勘違いしている人も多いようだが、現行のジウジアーロデザインがフェイズ2。で、前期型はフェイズ1だ。では、JTSが追加になった時にインテリアを中心にマイナーチェンジを受けたあのモデルは・・・?通称フェイズ1.5と呼ばれているようだ。「イヤーモデル」という呼び方もあるらしいから、期間限定でフェイズ2のチェンジを部分的に先行実施した過渡的なモデルだったのかもしれない。とはいえ、フェイズ1.5(当然2も)はGTAと共通する部品を使用した「強化型」となっているため、見えない部分の改良も相当にあるのではないかと推測される。

 私個人は前期型のデザインが好き。で、内装は4気筒でもレザーインテリアが選べるようになった1.5以降型がいい。エアコンも多少はよく効くしね。うーん、エンジンはJTSが楽だしなぁ。総合するとここはフェイズ1.5を選びたい。でも、いかんせんタマ数が極端に少ないみたいなのよ。となると、ここは1と2のガチンコ勝負だ。

 フェイズ1の長所は何といってもそのデザイン。エグくなりすぎず、かといって単純にシャープでもない絶妙のバランスは、イタリアンデザインの極致。短所としては、標準で装着されていたスポーツサス。極初期モデルではあまりにも車高が低すぎて底を擦るドライバーが続出し、後にやや車高が上げられたほど。当然乗り心地やハンドリングにも影響があり、神経質なほどクイックなハンドリングや、異常な初期旋回感の高さとなって現れた。が、156本来の乗り味はジワッとロールしながら曲がるというもので、極端な味付けをされた日本モデルを嫌うアルフィスタも少なくなかった。そしてもう1つの欠点はライトの設計の悪さ。ロービームで光軸を合わせると、ハイビームがあさっての方を向くという・・・ううむ。

 対する後期型の特長は、これまたそのデザインにある。誰にもわかりやすいスタイリッシュさは、確かにユーザーの間口を広げることにつながるだろう。そして、内装の質感が大幅にアップしたことも改良点だ。目に見えない部分で信頼性や快適性も向上しているようだ。詳しいインフォメーションはないが、完全新設計のライトには期待が持てる。今度はクリアライトらしいが、直接明るさには関係ない、のかもしれない。もう1つ、ノーマルサス仕様だという点も、私としては長所に数えたい。サイドステップの有無は気にならない。

 フェイズ2の短所は、長所でもあるニューデザインだ。いわゆるブレラ顔が、何となく取って付けたように感じる。グリルがバンパー前面に出たため、横から見るとフロントオーバーハングが長く感じる。誰にでもわかるような格好良さはアルファじゃない・・・etc。いろんな意見があるが、私もフェイズ2のデザインには違和感を感じる1人だ。あのデザインに赤は似合わないという人もいる。そう、問題は色なのだよ。要するに、スタイルと色を同時に考える必要がある、ということさ。なので

どちらでも購入対象となりうる。ただし、色には注文を付けたい。

C色は赤?それとも赤以外?

 これも悩むところだ。ほとんどのアルファオーナーが赤を選択しているようだけど、たしかに赤は美しい。私は基本的に赤いクルマは恥ずかしい人なのだが、アルファだったら・・・と思ってしまう。他にも赤くても平気なクルマはいっぱいありますが、まずは買える範囲でということです(笑)。しかーし、同時に「赤だといかにも素人っぽいアルファオーナーだと思われちゃうかも」と余計な心配もしてしまう。何と言っても色褪せしやすいカラーリングのbP!だし。イタ車の定番は赤、黒、黄。黄色は良いな、明るくてややパステルが入ってるようなのが好き。けど156には設定が無い。黒?あー、ダメダメ。無精だから綺麗にするのがかったるいし、磨き傷も目立つでしょ?

 うーん、無難にシルバーもいい。156のデザインはシルバーもよく似合うのだよ。だが・・・思えば私は白とシルバーのクルマにしか乗ったことがない。ここは1つ、色味の入ったクルマに乗ってみたい。と、考えていたら、ありましたよ。フェイズ1.5で新設定されたメタリックブルー!紺色じゃなくて、かなり明るめのブルーだ。イタリアのナショナルカラーも青だし、エエんでないの?しかーし、ただでさえタマ数の少ない1.5でメタルブルーの中古車が簡単に出てくるとは思えない。メタリック塗装だと塗装の痛みを補修するのも面倒だしね。

 フェイズ2に似合う色は?写真で見る限りでは、赤もまずまず。青は、それほど良いとは感じない。むしろダーク系とか、グリーン/イエロー系が似合うのかな。前述の理由で黒っぽいのはパスだよなぁ。シルバーは面構成がシンプルだと平板に見えるよなぁ。実際にはフェイズ2も複雑な面構成なんですが、第一印象として。で、ある日アレーゼの前を通りかかった時、運命のカラーを見つけてしまいました。納車前と思われる156フェイズ2。それが何ともいえない不思議な色。曇天だったこともあり、暗ーい茶色というかアズキ色というか、そんな感じ。マルーンというかウ○コ色というか、そんな感じなのである。これや!後で調べたら「シェーナレッド」というメタリックの赤系らしい。何とも渋いカラーで、新車でオーダーするなら是非候補に入れたいものだ。が、中古だとなかなか出ない色なんでしょうね。そこで

タマ数が多いといえば赤でしょ!
色褪せして全塗装してもソリッドだと安いでしょ!!
んでチャンスがあったら他の色も行く、と(アドリブあり)

D新車の147じゃダメなの?

 最後のお題がこれ。結論からいうと全然ダメじゃない。147の5ドアMTが280万円くらい。基本的に156と同じクルマなのに、トランクがないだけで100万円も安いお買い得車なのだ。走りの質に関しては、設計が新しい分147の方が優れている。室内だって、むしろ156より広いくらい・・・と聞いた。ただでさえ回転半径のデカいアルファ(何と6メートル弱もある!)だし、ボディが少しでも小さい方が取り回しが楽なのは当然。値引きが十分出れば、中古156のライバルとなりうる存在だ。

 しかし、そういった合理的な説明があってなお、156は捨てがたい。クルマとしての風格が、やはり147より1クラス上に感じるのだよ。単純に、私がセダンボディの方を好む、という嗜好性の問題でもある。もっとも、一番好きなのはスポーツワゴンだったりするのだが。147を選ぶ上で1番のハードルは、5ドアでMTを選択すると、左ハンドルしか設定がないという点だ。普通に運転する分にはすぐに慣れるだろうが、私の住んでいる田舎町では細い道も多く、また高速ではETCを付けないと不便だし・・・要するに不安や不便が多いだろうと。それに乗り降りの際に、助手席の家族や友人を、ドライバーよりも危険にさらすというのはどうも私の美学に反するように思う。悩んだ末の答えは

基本的には156右ハンドルのMT狙い。
でも、147の左ハンドルMTで慣れておけば、
将来GTAを中古で買う時に困らないよなぁ・・・と色気もチラホラ

 そんな感じで、全然答えが出ないわけです。すぐに買えるわけでもないので別に良いんですけどね。ところで、イタ車といえばタイミングベルト切れ伝説をよく聞きますね。実際のところはどうなんでしょう?アルファ156はどのエンジンか忘れましたが、確か12万qが交換指定。しかし、実際には3万〜4万qで交換する人が多いようです。ということは、私のペースだと2年に1回交換。パーツ代・工賃込みで20万は超えるようですね。車検と重ならないようにしても、これじゃ毎年車検があるのと変わらない・・・。所有する前からドキドキするクルマなんて、そうあるもんじゃないですな(苦笑)。