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心霊スポットツアー

2002.1.6

今回は直接クルマに関係した話題ではないけれど、「クルマで行く」ということで。

 私は幽霊が嫌いだ。正確には、幽霊が怖くてたまらない。普段はそれほどでもないが、テレビで「心霊現象特集」なんていうのをやってた晩には、寝るときも明かりをつけておきたいくらいだ。・・・そう、怖いのにそういう番組を見てしまうのだ。どんなに忙しくても「アンビリーバ○ー」と「US○」は外せない。俗に言う「怖いもの見たさ」というのは、確かに私の中にもある。

 ちなみに、いわゆる「霊感」というものが特に鋭いというわけではない。どちらかというと鈍い方である。クジは外ればかりだし、正夢も見ない。幽霊も見たことはない。せいぜい、ただ1度だけ金縛りになったことがあるだけだ。あれも、科学的に説明がつく現象だし、たしかにあの時は極端に疲れてもいた。(それでも、枕元で畳の上を這いずる音と、赤ん坊の笑い声が聞こえたときは無茶苦茶怖かった。だって、狭い部屋だったので布団が壁に近くて、頭と壁の間に5センチぐらいしか畳が見えていなかったんだから。それに、金縛り自体も「重い」というより腹を蹴られるような感じでキツかった)

 学生時代には友達とつるんで夜のドライブに行くときには、「出る」と言われる場所に行くことも少なくなかった。怖い怖いと言いつつ、何事も起こらなかったものである。要するに、怖がることを楽しんでいたということだろう。今は一人で行動することが多いので、そういう場所には絶対行かない。基本的に小心者なので。でも、テレビで「心霊スポット」を特集するときは、必ず見ている。

 クルマを持っていて、怖いもの好きなら「心霊スポット探検」をすることもあるだろう。実際、そういう肝試しのような行為の中で、不思議な体験をすることもあるようだ。そういう事例を集めているホームページもあって、見ているだけでゾクゾクする。怖くて楽しいのだ。中には、刺激を受けて、近場のスポットへ繰り出したり、近県の有名スポットへの遠征を行う人もいるだろう。私自身、「チャンスがあったらやってやろう」という気持ちがあった。

 だが、あるホームページを見て、すっかりその気がなくなってしまった。そのページも怖い話・不思議な話を集めており、当然その中にはミステリースポットの報告も含まれる。が、それは実際に行くことを勧めるのではなく、反対に「このホームページを見ることによって、行った気になって欲しい」ということらしい。極端にいえば「行くな」ということらしいのだ。

 そのホームページに、1つの投稿文章が掲載されていた。非常に心に残ったので、簡単にまとめてみる。それは、投稿者自身の経験による。彼の友人が、あるダムの近くでバイクで事故を起こし亡くなった。その後、その場所にライダーの亡霊が現れ、人々を死に誘うという噂が広まった。その噂を聞いて、投稿者や生前の友人を知るものは憤慨し、また悲しい思いをしたという。

 つまり、そういうことだ。

 私の自宅の近くにも、一時出ると評判になった場所がある。何年か前に、通勤途中の女性が交通事故で亡くなったことがあった。彼女が、出るという。タクシーの運転手が目撃したという話もあって、物好きな人は見物に出かけたりもしたようだ。だが、その話が盛り上がれば盛り上がるほど、彼女の遺族はどんな思いを味わうことになっただろうか。そう思うと、私はもう「探検」には行けないのである。

 地元のタクシーの運転手に聞いても、不思議な体験をした人など皆無であった。また、先日先程とは別のホームページを見ていたら、同じ場所で「亡霊のせいで事故を起こし死んだ人もいる」と書かれていて愕然とした。「出る」と噂になってから、そんな事故もないし死人も出ていないのだ。

 世の中のみなさんへ。
死人をそっとしておいてはくれませんか。あなたに家族があるように、亡くなった方も誰かにとってはかけがえのない家族なんです。世の中には、気安く触れてはいけない部分があるということを忘れないでいただきたいものです。