2006.4.9記
アルファ１５６購入記
A購入計画勃発
事態が急変したのは２００６年２月のこと。３月でチェイサーも丸８年を終える。もちろん絶好調だけど走行が１２万qを超え、そろそろ次のクルマに乗り換えたくなってくる。車検が２００７年３月だから、タイミングを合わせて中古の１５６を買うか・・・ということで夫婦で相談（というかぼくからのお願い）してはいたのだけど。チェイサーは親父号として我が家で活躍しつづける予定だ。まだ１年あるから、資金的には何とかなるだろう。・・・何とかしたいなぁ（笑）。くらいに構えていた。もし子どもでも生まれたら、さらに先延ばしになる可能性はあるな。
で、２月も終わりが近くなってきたある日のこと。何の気なしに親父にたずねてみた。
私 ：「親父号の車検っていつまで？」
親父：「今年の７月じゃ」
私 ：「げぇっ！？もうすぐやんか！」
さーて、どうする。もう５ヶ月しかない。手続きや車両探しの時間を考えると、実質３ヶ月がいいところか。動き出すなら、早い方がエエな。いきなりのピンチ（というかチャンスか？）に、めまぐるしく計算を繰り返す私。取るべき道は２つしかない。
@アルファ購入は予定通り２００７年３月で変更せず、親父号を適当な中古車に買い換える。
A予定を前倒しして２００６年春にアルファを購入し、親父号は廃車にする。
@は、アルファ購入後のチェイサーの行き先に困る。下取りや買い取りといっても超過走行車（絶好調だけど）だから、かえって廃車手数料を取られるのがオチだろう。私の負担は小さくて済むけど、親父の分も考えに入れると総合的な出費額は大きくなる。それに、親父がいい中古車に出会えなければ、不安な中古車を２台も抱え込むことになりかねないではないか（爆）。
Aは、現時点での出費が苦しいことを除けば、ほとんどデメリットはない。親父はタダ同然で素性のハッキリしたクルマを手に入れることができ、私は予定よりも早くアルファを手に入れることができる！ただなぁ、懐具合がとんでもなく苦しくなるので、程度がいいのを選ぶ余地がなくなる可能性がある。色やグレードは、最悪どうでもいいけど、ちゃんと走ってくれないのでは大いに困る。修理代がかさめば、いわゆる「イタ車地獄」にハマる可能性がある。うーむ、困ったぞ。
悩んだ末に、プランAで行くことに決定。金額的に購入が難しそうなら、プラン@に変更すればいいだけのことよ。親父も貧乏なので、最悪の場合親父号（昭和６２年式くらい）の車検を継続すればエエやろ。
それでは、アルファの中古車について相談する相手を決めなくてはね。後の整備その他のことを考えれば、できることならディーラーで購入したい。しかし、ただでさえ敷居の高い感じのある外車ディーラー（「輸入車」ではなく、あえて「外車」といいたい気分）、しかも小洒落た感じのあるイタ車ディーラーだ。ある意味、ドイツの高級車ディーラーよりもビビりが入る。コテコテの冴えない日本人である私が相手にされるのか？
ビビってても仕方がないので、ディーラーＨＰの問い合わせフォームから１５６の中古車について相談してみた。私が出した条件は、予算の総額と、右ハンドルでマニュアル車ということ。それから、これが大事なのだが、走行距離が伸びていてもかまわないが、ちゃんと手入れをされながら適切に使われてきた個体が望ましい。日常的に使って、消耗品はしっかり交換し、不具合を解消してきたものがいい。年式相応の走行距離なら、元気な個体だという証拠でもある。逆もまた真なり（苦笑）。記憶が曖昧だが「赤はイヤ」というのもあったかも（笑）。
ディーラーの反応は早かった！ネットでの問い合わせから数十分後には自宅の電話が鳴った。決算期やからかな（笑）。担当セールスのＯ氏によると、まさにうってつけの出物があるという。９８年式、つまり最初期のツインスパークで色はコスモブルー。走行８万qちょっとと走り込んでいるが、ワンオーナーもの。新車時よりディーラーで整備しているので整備記録もきちんとしている。つまり、素性がはっきりしていてメンテの経過も詳細が明らかな、健康体。ただし距離が出ているのが難点か・・・というところ。その辺りが気になったので尋ねてみると、毎日片道１時間程度の通勤に使われていたために距離が伸びたらしい。そうかー！と、Ｍ山からその通勤先への経路を思い描いてみる。信号は少なく、言葉は悪いが山間の田舎道である。都市部のストップ＆ゴーに比べると各部の痛みはかなり少ないはずである。また、それだけの距離を毎日通勤に使用することができるというのは信頼性の裏付けにもなろうというもの。まぁ、昨日まで調子が良くてもいきなり壊れるのが機械というものかもしれませんがね（苦笑）。
一応、今後必要となりそうな消耗品やら整備の見通し（費用もね）がわかれば安心できるんだけど・・・ということを伝えてみる。返事の内容によって、これまでの消耗品交換の様子がうかがい知れるかな？Ｏ氏曰く、「前のオーナーさんがこまめに消耗品を交換されていますからねー。例えば一番お金がかかりそうなのはタイミングベルトですが・・・」そうそう。それは重大なポイントだぞ、と固唾をのんでＯ氏の言葉を待つ私。「アルファロメオは５万qごとに交換するんですよねー」そうなんか！？３〜４万qごとの交換なんて書いてある本もあるし、８木もそう言うとったぞ。てことは８万q走行のこの車の場合は２回目が目前か・・・？「で、この車なんですが、８万qですけど２回目の交換がすでに行われています」おお！前オーナーは偉い！とりあえず、一番の心配事は解決したぞ。タイミングベルトの交換時期については諸説あるが、テンショナーの改良によって設定値が変わってきている・・・という可能性があるな。初期の、「砕け散る」樹脂テンショナーの時期。改良されて耐久性の上がった樹脂テンショナーの時期。現在ではとうとうアルミ製のテンショナーが登場したとか。この１５６については、最新のテンショナーである可能性は低い。それでも以前のものに比べれば、交換スパンを長くとっても大丈夫なのだろう、きっと。てことは２年くらいは無交換でいけるかな？
この他、気になる消耗品を挙げてみよう（油脂類は除く）。クラッチ、ブレーキローター、ラジエーターホース、燃料ライン、ショック、各ブッシュ類・・・ざっと挙げてもこれくらい？ ちなみに、「壊れる」と「消耗する」は違う、というのが私の認識。どんなものにも寿命はある。寿命が尽きて不具合が出る前に交換すれば良いだけのこと。イタ車は、というか輸入車は国産車に比べて寿命が短いだけのことだ。だから、各部消耗の度合いを見ながら適宜交換していけばトラブルは回避できる。その一方で、突発的な故障も当然ある。元々の部品の不具合等が原因になるもので、これは予想がつかない。１５６の場合、前述の気になる消耗品とベルト類に注意しておけば、路上で停止する可能性は少ないように思う。いわゆる故障としては、エアコンが死ぬとか、パワーウインドウが死ぬとかパワステが死ぬとか色々ありますが（笑）、取りあえずは動けるもんね。そうそう、「死ぬ」で思い出したが、いわゆるバッテリーの突然死は、どうやらドライバッテリーそのものに原因があるらしい。熱に弱いものなので、本当に「壊れて」しまうってことらしい。これは「上がる」状態とは根本的に違い、壊れちゃってるので何をしても駄目。ドライバッテリーはメモリー効果も強いらしいので、さっさと通常のものにしちゃったほうがいいかな。とはいえ１５６はアイドリング時の発電量が小さいのも事実なので、どちらにせよバッテリー上がりには注意すべし。
ともかく、コミコミでも予算内で十分上がることから、購入候補として検討することにし、Ｏ氏より写真や消耗品の交換状況を送ってもらうことにする。
電話を切ってから、私は考えた。かなり走り込んでいるのは気になるが、元気の良い個体というのはそういうものだ。私のチェイサーだって、新車で購入以来８年で１２万qも走っている。いつくかの故障はあったが、いい感じで調子を保っている。思うに、同じ距離・同じ時間を走った車でも、ただ乗りっぱなしにされた車と、適度にメンテナンスされてきた車では全く違うのだろう。もちろん、時間なりの劣化や、距離なりの消耗は同じようにある。しかし、大事にされながら使い込まれた（ここが大事）機械には、何とも言えない味わいというか深みが感じられるのだ。適切な表現か自信はないが、「こなれた」感じがあって、非常に好ましく感じるわけだよ。その、「こなれた」雰囲気を例の１５６からは感じるのだ。
うーん、迷う迷う。迷ったあげく、「ま、現物を見て気に入ったら買うことにすればエエやん」という、非常にまともな結論に達した。そうと決まれば行動は早い方がいいに決まっている。ディーラーまで行けるのは週末しかないから、取りあえずその旨を連絡することにする。電話したのは、Ｏ氏から連絡をもらった翌々日だった。
私 ：「あのー、先日の１５６なんですが、一度現車を見て気に入るようなら購入したいんですけど」
Ｏ氏：「あー、あの１５６ですかぁ！？」
ん、何かヤなイントネーションだな。何か、不都合でも？
Ｏ氏：「実は売れちゃったんですよ〜。それも、昨日」
な、何ぃっ！？激しく動揺する私。フォローを入れるようにＯ氏、「クルマの方は探せますし、売れてしまったといっても現車はまだウチにありますから、一度見に来ていただいてお話しさせていただけませんか」とのこと。むう、もはや他人のクルマだが、実は私は１５６の現物って一度も近くで見たことがないのよね。輸入車ショーでスポーツワゴンを見たくらい。触ると欲しくなるから、運転席に座ったこともないの。とにかく週末はディーラー行きじゃ。
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