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2006.4.9記
アルファ156購入記

【@なぜアルファ?】


 「アルファロメオに乗りたいなぁ。次のクルマはアルファが買えるかな」と思い始めたのは、たしかチェイサーの最初の車検のころだったから、もう5年くらい前になる。トヨタ車の高度な品質管理に感心し、FRの素直な走りに惚れ込んでいた私。別にチェイサーに飽きたわけではなくて、クルマに対する自分の嗜好をはっきり自覚するにつれてアルファロメオが魅力的に見えてきたというわけ。特定車種ではなく、アルファロメオというブランドそのものが魅力的に感じられるというのもすごい話だとは思う。車格によるクラス分けや性格づけの違いはあっても、一貫したブランドイメージがあるということ。例えばトヨタでいえば、セダンという共通のスタイルで比べても、プラッツとカローラとプレミオとチェイサーとクラウンとセルシオでは、まるで違うでしょ?車種が古いのは、アルファに魅力を感じ始めたころのことだから。ご容赦を。まるで性格の違うクルマを、高度な品質管理とコスト管理のもと、同一メーカーの中で選べるのは長所だと評価して良いと思う。反面、「これがトヨタ車だ!」という個性というかブランドの持ち味みたいなものは皆無。言い切ってしまえば、「よくできた家電製品」のようなクルマがトヨタ車なんだよね。それは悪いことではないし、誰にとっても使いやすくて、きちんと性能を発揮する機械を作るのは、メーカーの責務でもある。それでも、JZX100のころは「古典的なクルマ」の匂いがどこかに残っていたように思う。それが、110系マークUになり、マークXに代替わりするに連れて「家電感」がアップしているように感じて、個人的には欲しいと思わなくなってしまった。

 昔、「ブレードランナー」という映画の中で主人公デッカードが使っていたブラスター(拳銃のことね)がある。当初デザイナーのシド・ミード氏(最近だとターンAガンダムをデザインした人)がヘアドライヤーのような形のブラスターを提案したが、これが不評。現行(20世紀現在)銃器のディテールを組み合わせたような案を別の人が出して、これは今でもレプリカが作られるほどの人気となった。長々と余計な話を紹介したが、機能とは別の「らしさ」が魅力となることもあるということだね。日本のメーカーの多くはクルマの家電化、さらに進んでロボット化を目指しているみたい。行き着く先は、子どものころアニメやSF映画で見たような、空中に張り巡らされたチューブの中を行き交う車輪のないクルマか?

 話がそれた。アルファの車種でいえば、145(当時147はまだ日本に入っていなかった)、156、166ともにキーワードは「スポーティ」とか「楽しさ」である。実は、このことを最もよく表しているのはフラッグシップである166だと思っている。最上級車ということで高級感の演出は当然、ある。なのにスポーティなのだ。どのメーカーでも、小型車は軽快感を生かしたスポーツイメージの演出をしているのだが、上級車種だと「落ち着き」「くつろぎ」「静粛性」「高級感」みたいなものが主となることがほとんどじゃない?マニュアルシフトの設定も皆無だし。166はそのあたりが違うと感じるのだよ。イタ車の技術的な未熟さ故、とも取れるのだが、上から下まで、どの車種に乗っても「熱い」のがアルファの魅力。楽に移動させようなんて考えちゃいない。クルマの存在を忘れさせてくつろがせるのではなく、クルマの運転に没頭させようとする。

 もちろん、そこにはやや子どもっぽい「スポーティーさの演出」があるのは百も承知。人によってはうるさく感じるような音の演出、機能性をやや犠牲にした内外装のデザイン。さらに日本仕様の156のハンドリングなんて、その最たるものだといっていい。ハンドルの切り始めはグッとノーズが引き込まれるような「感じ」で、もの凄くよく曲がるクルマだと錯覚しそうになるが、そこから開けていくと最終的には頑固なアンダーステアが顔を出す。あまりにも初期の機敏さを追求したために神経質なハンドリングとなり、上り坂でもタックインを出すという伝説を作ってしまった。ちなみに、アルファのスポーティなハンドリングが味わえるのは、限界領域ではなく8割程度に抑えた辺りまで。フルブレーキからステアリングを切り込んでアクセル全開!というような走りだと旨味は味わえないのでご注意いただきたい。

 さて、少し前に「クルマに対する自分の嗜好をはっきり自覚するにつれてアルファロメオが魅力的に見えてきた」と書いた。クルマのコラムでも書かせてもらったが、改めて紹介すると・・・。一言で言えば「自分1人だけで楽しい」クルマ。何だか誤解を招きそうなので(笑)補足すると、「自分とクルマの対話だけで楽しめる」クルマということです。競争相手がいないと楽しめないクルマは、もう要らない。そういう意味では、絶対的なパワーもそれほど大きくなくていい。日常的な領域でも楽しめるクルマがあれば、それが一番いい。気持が通うような、十分な情報がクルマから伝わってくるようなのがいい。たとえば、ホンダのビート。NAの軽自動車だから遅いしうるさいけど、楽しさは天下一品でしょ。ロードスターもそう。さすがにオープンスポーツ1台で何もかも済ませることはできないので、NAエンジンの体感的な気持ちよさとFRの走りの味でツアラーSを選んだ。結果としては大正解で、快適で自然体のカーライフを送ることができた。その嗜好をさらに突き詰めたところにアルファロメオがいるような気がしてきたのだ。絶対的な速さなら、国産スポーツセダン軍団(ランエボとかインプレッサとか)には到底かなわないけど、私の求める気持ちよさがそこにある。

 正直、以前の私はクルマ雑誌でアルファの特集を見ても、「ケッ、バカが言ってやがる」てなものだった。イタ車といえば壊れるクルマの代名詞みたいなものだし、品質管理もいいかげんだし。ディーラーだって、ネットでの評判は散々なんだぜ。オーナー連中の「思ったより壊れない」ってどんなコメントだよ。ほめてるのか(失笑)。ま、あれだな。世のバカ女がブランドネームだけに憧れて、実質もよく知らずにバカ高いお金を払ってバッグとか買ってるのと同じ状況だな。あーヤダヤダ。お金持ちの演出にベ○ツや○MWに乗るのもヤだけど、「イタリアの熱い血」とか言ってアルファに乗るのも絶対ヤだ。必要以上に持ち上げすぎなんだよ。それに、今度出た156ってヤツ?ひどく不細工なデザインだな。グロテスクですらあるぞ。何々?「世界で最も美しいセダンの1つ」だって?バカ言ってんじゃねー!!・・・それが、だんだんとアルファ好きになってきたんだから、人の心って不思議♪というか節操がないだけかも。えー、私の好きな言葉は「君子は豹変す」ですから(笑)。

 好きになったら一直線。恋もクルマも、それが私のスタイルなの。仕事はキライだから変化球ばかり投げてますが(苦笑)。それはともかく、アルファに乗りたいなら、実現可能なプランを立てねばならない。

 新車で買うなら、147だな。それでも車両価格だけで300万円。値引きも国産車ほどはないだろうしなぁ。チェイサーは当初コミコミ320万円で買えたんだけどね。結婚しなければ買えるんだけど・・・と思っていたら、ひょんなことから2005年に結婚して、貯金がすっかり無くなってしまった。その後、新生活にそなえて嫁さんのクルマ置き場を確保するためという口実で、簡易型とはいえガレージを建ててしまったりしたので、「アルファ貯金をする!」という掛け声だけで、一向に預金残高は増えなかった。これは、新車は無理だぞ。そもそも、147の5ドアMT車は左ハンドルしかないし。156以降のモダンアルファは、走行不能になるほどの故障はあまりない・・・らしい。しかし、セレスピードの不良だけはダメ。本当に走れなくなるので、アルファを買うならマニュアル車か普通のトルコンATと決めていた。何にせよ中古車で検討するか。

 166はデカいし、中古でも高い。250万円くらいはする。新車で600万もするクルマだから、実はお買い得なんだけど、そんな大金は無い。147の1.6リッターもいいね。パワーはないけど、ショートストロークエンジンだから回すと気持ちいいぞ。5ドアでマニュアルという設定も嬉しい。だけど新しいモデルなので新車で250万なのに値落ちがまだ少ない。となると、156か。予算を考えると、初期型。いわゆる「フェーズ1」の2リッターツインスパークエンジン搭載車になるな。年式的には’98〜’99くらいか。日本導入の極初期モデルということになる。たしか、ツインスパークはリヤウインドウがパワーウインドウじゃなくて手動だったはず。ま、それは別にかまわない。だって、ちょっとイメージしてみてよ・・・「イタ車のパワーウインドウ」(爆)。盲腸みたいな、いかにも膿みそうなイメージでしょ(苦笑)。

 ただなぁ・・・「156から大幅に品質が向上した」といってもアルファだし(笑)、初期トラブルはよく聞くし、何より「147でさらに良くなった」というから比べると質感でも見劣りするだろうからなぁ。スタイルが好みなのは156の方。フォーマルなセダンが好きなのだ。「羊の皮を被った狼」というには艶っぽすぎるが、156かなぁ。などと、雑誌をめくりつつウジウジ考えるうちに時間だけが流れていった。買えるのか?

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