螺旋の炎〜週刊少年ジャンプ編
1999 06 25
其之二 創作小説・闇のプレイヤー
苦戦を乗り越え、いよいよペガサスとの居城に乗り込んだ遊戯たち。そして、いよいよ彼等の勝負が始まった。
「オレのカードはグレムリン。一角獣のホーンとのコンボで攻撃だ!」
声高らかに遊戯が宣言する。しかし、ペガサスは全く動じない。
「フフ。それではMeはマーメイドにシャボンのコンボデス。これで電撃攻撃は無効デース。そして、グレムリンは返り討ちデス。」
「バ、バカな…。」
( やはりオレの心は見抜かれているのか…? 今まで数々の千年アイテムを見てきたが、人の考えていることを見抜くアイテムは始めてだ。 人の心が読める相手に勝つことなんて出来るのか…? それとも何かのトリックが…?)
「Hey、遊戯。 次のカードを出すのデース。」
(フフフ… 遊戯。 私にはユーの考えていることが手に取るように分かりマス。
これがミーの千年眼(ミレニアム・アイ)の力なのデス。 この能力がある限り。 ミーは負けないのデス。 )
「く…。 オレはブラックマジシャンにマジカル・シルクハットのコンボだ。」
「おい、遊戯。 帽子で隠しても無駄じゃ。 ヤツはお前の目を見てカードを出しているのではないゾイ!」
「うるせぇ。 黙って見てろジジイ!」
カメラの中から話しかける双六爺さんに思わず罵声を上げる遊戯。
(フフ。 そんな帽子で隠しても無駄なことデス。)
『マインド・スキャン! ブラックマジシャンは一番左のハットデスね?』
―――YES。YES。YES。
「フフ。 これで終わりデス。 遊戯! 私のトゥーンの攻撃! 一番左のハットに攻撃デス!!」
ペガサスのトゥーンがハットに攻撃をしかける。 勝利の笑みを浮かべるペガサス。
しかしトゥーンの攻撃した帽子の中には何も入っていなかった――!!
「What’s (ワッツ) !?」
「フフフフ…。 どうしたお前の攻撃したハットの中にはブラックマジシャンはいなかったぜ。 ペガサス。」
(何!? 確かにさっき、心を読んだ時は…
くっ。 マジシャンはどこだ? もう一度マインド・スキャン! )
――― 一番左のハット。一番左のハット。一番左のハット。一番左のハット。……。
「バ。バカな!! 遊戯ボーイ! 貴様 イカサマをしているな!」
―――I DO. I DO. I DO. いる。 いる。 いる。
「貴様。 一体どんなイカサマをしているんだ?」
――― …………。
「そのシルクハットがトリックデショウ!?」
―――NO! NO! NO!
「フフ。 どうやらお前のマインドスキャンは心を読むのに少し時間がかかるようだな。」
「く…。」
「オレはこのカードを一枚場に伏せておくぜ。」
「分からん。 一体どんなイカサマをやっているのデスか!?」
―――勝負は続いていく。
「魔法返しの矢でお前のトゥーンは全滅だ。ライフポイントも1000を割ったぞ。」
「アンビリーボォー!」
思わず疲労の顔を見せるペガサス。 と、その時。彼の持っているカードが光を放った。
そこから、抜け出てきたのは、ペガサスが封じていたはずの海馬兄弟や遊戯の爺ちゃんの魂だった。
「おお! 海馬達の魂が解放された!」
目を覚ます海馬兄弟。
「あ。 い、今のはちょっと気が緩んだだけデス!」
「どうやらお前の魂は負けを認めたようだね。」
「ん? い、今の口調…。 まさか。 実際にゲームをプレイしていたのは表の遊戯だったのデスか!?」
「フ。 今更 気づいたのか。 フフ。 遅かったな。 海馬の兄貴ならこんなイカサマ、すぐに見抜けたんだろうがな。
―――覚悟は良いか? 人の心を踏みにじったんだ。 とどめを指させてもらうぜ。」
「く…。私をどうするつもりデスか?」
「俺の心に聞いてみたらどうだ?」
「・・・マインドスキャン!」
―――罰ゲームでぶっとばす。罰ゲームでぶっとばす。罰ゲームでぶっとばす。罰ゲームでぶっとばす・・・。
「Oh,my god! オーマイガッ! オーマイガッ! オーマイガ〜〜ッ!!!」
「いくぜ! 罰ゲーム。 デス・アルテマ!!」
「UWOOOOOOO―――ッ!」
〜〜・〜〜
尚、このお話は全てフィクションです。実在の人物・事件とは一切関係ありません。
そのまんまだと、あまりに短調なので、最後、ボクサー志望の室井くんやバンデッドキースのセリフなんかを混ぜてしまいました。まあ、こんなもんで許して。