螺旋の炎〜週刊少年ジャンプ編
１９９９ ０５ １１
其之一 創作小説・Ｋ助のぷよ
ある日、小学生・Ｋ助は家の倉庫で不思議なゲームソフトを見つけた。
しかし、そのゲームソフトには平成時代の霊「藤原Ｘｉ」（ふじわらのサイ）が入っていて、ひょんなことから、Ｋ助は、その霊にとり憑かれてしまうのである。
周りの人からはＸｉの姿は見えないが、Ｋ助だけは意識体を通してＸｉと意思疎通をすることができた。
しかも、その霊は「ぷよぷよ」好き極まりなく、Ｋ助がゲームをするたびに「ぷよぷよ」をやってくれと泣きついて止まない。
そんなある日、ひょんなことから、「ぷよぷよ」の大会で優勝した少年と対戦することになる。
「左ボタン２回。左回転１回。 次のぷよは右ボタン１回でそのまま落とす―――。」
Ｘｉの助言は適確だった。結果はＫ助の圧勝。ただ、これはＫ助の実力でもなんでも無かった。一方で、相手の少年は初めての完敗に肩を落とす。
なかなか、ぷよぷよを好きになれないＫ助だったが、Ｘｉとの交渉の末、近所のぷよぷよ大会見学に行くことになってしまう。
（―――ほら、Ｋ助。あの子。あそこに赤ぷよで７連鎖ですよ。）
Ｘｉが、目の前の勝負に目が行って言葉を漏らす。だが、その子供は違うところにぷよを落として、３連鎖になってしまう。
「惜しい。その上に赤ぷよなんだよな。 ・・・あっ！」
そこで行われるぷよぷよの勝負に思わず口を出してしまったＫ助。彼は、会場の奥に連れて行かれてしまう。
「今、私の子供の対戦にあの子が口出しをしたんですよ。
ちらりと見て、その上に赤ぷよなんだよなって。」
対戦を邪魔された子供の母親が様子を見に来たプロに漏らす。
「今、何と、おっしゃいました？ チラリと見て？」
会場の中でＫ助の話題が盛りあがる。
「見てください。この難しい局面で即答です。」
「なるほど、これならプロでも悩むところだな。」
天才少年の噂を前に１人のぷよぷよ名人が立ちあがった。
「そのこと勝負してみたい。」
そのまま連れ出されたＫ助はぷよ名人と勝負することになる。
Ｘｉ曰く、「彼が、神の１ぷよに最も近い男かもしれない・・・。」
しかし、Ｋ助は勝負の途中で試合を投げ出してにげだしてしまう。
原因はぷよの回転の仕方を見て、自分のやったこととは思えなかったからである。
「お前、俺の体をのっとろうとしただろー！」
悔しさをぶつけるＫ助だったが、Ｘｉは彼の無意識のぷよの回転の仕方に彼のぷよぷよの才能を見出す。
その後、以前勝負で完全勝利した少年の挑戦を飲み、再戦を行うことになる。そこでまた再勝利。
屈辱に涙する少年だったが、これが後々のライバルとなる彼らの運命の勝負であった。
話は変わって、中学校の文化祭に行ったＫ助はぷよぷよ部の催し物「なぞぷよ」に、Ｘｉの懇願で仕方なく挑戦することになる。
そこに突然現れる１人の男――。
「正解はここに紫ぷよだ。」
だが、彼の服装は、一面のテトリス模様。そう、彼はテトリス部の主将だった。テトリス部の主将でぷよぷよを憎みながら、ぷよぷよの腕も立つ―――。
奇妙な生い立ちの男だったが、Ｋ助は、彼とぷよぷよ勝負！
Ｘｉのサポートを受けていたＫ助だったが、ほんの少しの余所見のせいで、立ち直れなくなり、結局負けてしまう。だが、その後の追い付きに腕を認められ、彼と、ぷよぷよ部の部長と、ぷよぷよマスターズ中学生大会の団体戦に出場することになってしまう。
急展開もなんのその。
Ｋ助たちは大会で確実に勝ち進む。
「君、その服装なんなの？ もしかしてテトリス部の人？ テトリスで勝負してあげようか？」
「ほざけ。お前は運が良い。テトリスならお前のラインが一番上まで積み上がって勝負がつくまでに５分はかかるが、ぷよぷよなら２分で終わる。寿命が縮まっただけでも幸運と思え。」
―――勝負―――
「・・・・」
「聞こえねえよ。」
「・・・負けました。」
「よっしゃ。ジャスト２分。」
「こいつ、本を読みながらプレイしてやがる。楽勝だな。」
「・・・さすがに決勝戦ともなると相手も強いや。」
「これで、終わりだな。」
「ん。今の連鎖なら・・・。これだ！」
「しまった。ぷよの数が増えて、ダメヅマリ（※画面中にぷよを敷き詰めていたため、偶然大連鎖が起こること）が生じたんだ！」
「やった。勝ったよ！」
そんな中、Ｋ助はぷよぷよの面白さに目覚め、Ｘｉの助けを借りて、ぷよぷよの面白さを知る。
最終的に、Ｋ助たちは優勝候補のチームを見事に打ち砕き、大勝利。だが、最後、不正がばれて優勝は取り消しになってしまう。
だが、Ｋ助がぷよぷよの面白さに目覚めた事実は大きかった。
そして、Ｋ助は中学へ進学する・・・。ライバルの少年もまた・・・。
第１局 激動の小学生編 完
怒涛の中学編に続く。
相手のぷよぷよの積み方をまねる「マネぷよ」
画面を見ないでプレイする（！？）「闇ぷよ」なども登場。
また、ぷよぷよ部の存続をかけた部員探し編なども絶賛連載中。
第２局に続く。
〜〜・〜〜
尚、このお話は全てフィクションです。実在の人物・事件とは一切関係ありません。Ｋ助のモデルがぷよマスターズでベスト１６まで上り詰めたサークル内の人だとかいう話も所詮は全て噂。
ちなみに、第２局は、まずやりません。外伝としてテトリス編をやるかもしれないってことだけで・・・。