独断的漫画批評の部屋 椎名くんのリーズニングファイル
4:見よ!トリックを(思いっきりネタバレ) その3
FILE 1:鏡(解答編)
やっと解答。ああ、面倒ですね。
「霧島さんは殺されました。もちろん駒沢くんも。林田さん、あなたの手によって。」
「ちょっと待ってくれ。警察の言うことを疑うのか?」
「いえ、僕が疑っているのはこの部屋が最初から密室だったかどうかです。
事件のあった朝、あなたは何らかの理由をつけて、駒沢くんに霧島さんを迎えに行かせた。
そして、駒沢くんに命じガムテープを使って密室を作らせた。『おそらく二人で霧島を襲おうぜ』とでも誘いかけたんでしょう。そして、密室の出来あがるタイミングを見計らって、霧島さんの手首を切り、駒沢くんも殺した。あとは、暴行現場を偽装し、堂々とガムテープを裂いて出ていけば良い。
あとは、扉が開かない演技を第三者に見せれば完璧です。」
「・・・だが証拠は? 今のは椎名の勝手な想像だろ。」
「証拠はありますよ。このドアです。見てください。
ところどころ、ガムテープがドアの奥行きの所についているでしょ。」
「それがどうしたんだ?」
「一度開けたドアを閉めた時に、ガムテープが内側に巻きこまれてしまうんです。
実験してみましょう。」
「僕らがドアを開けてから誰もドアを閉めていない。つまり、僕らがドアを開ける前に誰かがこのドアを開いて閉じていたということになります。
どうして開いているドアを閉まっていると言ったんですか? 林田さん。」
「くっ・・・。」
―――
ということで事件解決。 ああ面倒くさかった。
でも、絵が下手なせいもあって理解できなかった人もいるかもしれません。そう言う方は、「名探偵コナン20巻」をご参照ください。
FILE 2:兄弟(解答編)
小学生時代の友人、小泉明美に呼び出された椎名とりえ。集合場所のホテルで明美は長野に帰ることを告げる。だが、次の日、椎名くんとりえが明美と再開した彼女は、すでに首吊り死体だった。
例によって駆けつけた警察は自殺と判断する。だが、椎名くんは死体の踏み台となった椅子に不信を抱く。
「変じゃないですか? イス・・・。」
だが、警察は意見を動かさない。代わりに情報を伝えてくれた。
「死亡推定時刻は昨日の夜10時〜12時。そして、部屋はオートロック式だ。彼女の知人である森口聡が彼女の部屋から出ていく姿を目撃されているが、それは夜の9時頃だ。それ以降は1時までホテルのバーにいて、マスターがそのことを覚えていた。」
「そうですか・・・。なるほど。」
と、その時、首吊りに使われていた紐をはずそうとしていた検察官の言葉が響いてきた。
「おい、この脚立ぐらつくな。」
「仕方ないよ。古くなって脚の長さが違ってきてるんだ。」
「ぐらつく・・・。そうか、あのイスの下に落ちていた本には意味があったんだ!」
さあ、君はこの謎が解けるか? なお、犯人はズバリ森口さんである。
これを前提にトリックを見破ってもらいたい。ヒントは不自然なイスの倒れ方とイスの下にひかれていた本である。