独断的漫画批評の部屋 幕末風来伝 斬郎汰
4:考察
考察その1 舞台設定(かなり簡略されてます)
時は幕末。
一人の少年が一つの時代の危機に立ち向かう。
少年は残虐な鬼神か? 時代の申し子か?
それは歴史のみが知っている・・・。
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考察その2 主な登場人物
八神 斬郎汰 | この漫画の主人公。 見た目はあどけない少年だが、自分の背丈よりも長い長尺刀を自在に操る剣の腕は相当のもの。 だが、心の中に鬼神を秘めていて、怒りや憎しみによってキレるとそれが暴走してしまう。 旅の目的は、親の仇である疼夜を倒すこと。 |
都築 泉 | 両親を「血袴の斬郎汰」の名をかたる野盗に殺され、そのあだを返すために旅をしていた少女。 仇を取った後、本物の斬郎汰と共に旅をすることに。 斬郎汰に着いてくる一番の理由は、作者に代わって戦闘シーンの解説をするためだろう。 暴走する斬郎汰を唯一止めることの出来る人物。 |
九郎 | 斬郎汰の訪れた村にいた青年。 斬郎汰に劣らぬ剣の使い手で、豪快な剣さばきを得意とする。 八重歯の光るにくいヤツだが、この男も斬郎汰に劣らず手加減を知らない。 斬郎汰のピンチに駆けつけたり、かなりおいしいキャラだが、その最後は儚(はかな)い。 斬郎汰のピンチに駆けつけ、旅を続けるのか・・・と、思ったら、その次の回のタイトルが「九郎いつの日か」。 なんか、ある意味ギャグかと思った。 |
伊舎那 | 両目を失った替わりに心眼を手に入れた男。 どこかのバッタものと違って、こちらの心眼は本物。 相手の思考はおろか、記憶すら見通す事が出来る。 最初は敵として登場するが、「斬郎汰の過去に興味がある」という理由で手助けをする。 まあ、ベジータが「お前を倒すのはこのオレだ。」といって手助けしてくれるようなものか。 |
疼夜 | 斬郎汰の兄弟子だったが、長尺刀「刃鉄」に魅入られ、悪の道に走ってしまう。 動乱を起こす計画を立て、全国から血の気に飢えた剣士を集めている。 本拠地は京都。武器や弾丸のバックアップは異国人。 |
近衛十二士 | 「疼夜」の片腕として働く、十二人の部下。 どこかの漫画より二人も多いでしょ? 誰もが強力な能力を持っており、特に集団戦法が得意。 全員が斬郎汰の前に姿を見せるが、斬郎汰が倒したキャラクターはたった4人。 12人中生存者2名。 |
深雪 | 斬郎汰が幼かったころ、最も慕っていた女性。 「オレ強くなって、深雪姉ちゃんを守るよ。」 と言っていた斬郎汰だったが、鬼神の暴走により、自ら斬殺してしまう。 泉が、鬼神の暴走を止めることが出来るのは、斬郎汰が無意識のうちにこの深雪と泉を重ねているため。 蛇足だが、復讐を心に誓うような弟は出てこない。 |
この他にも
銘刀を求め、人質まで取って斬郎汰と戦う武器収集家
糸のように細い鋼の刃を使う人形使い もとい 傀儡使い
登場するたびに背景に花を咲かせる疼夜の片腕
などなど、盛りだくさん!!
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考察その3 残虐性
T 「斬る」ではなく「切り裂く」
時代劇ドラマを見ていると分かるのだが、時代劇では、斬られた人は傷跡がつき、死亡するが、この漫画は違う。
主人公がひとたび剣を振るえば、敵は体がちぎれ飛ぶほどの衝撃を受けて死亡する。
手首が、首が、胴体が、次々と飛び散る・・・。
もはやこれはギャグ漫画中心の低年齢向け漫画誌の域を越えてしまっているかもしれない。
どこぞやの殺さずの精神を貫く剣客家とは大違いである。
U 何度と無く行われる大量殺戮
これも、時代劇ドラマを見ている人なら分かることだが、主人公は自分よりはるか格下の相手を何人も同時に相手にしなくてはならない場面が必ずある。
この漫画もそれにもれず、斬郎汰は数十人を相手に戦うことを3度も連載中に行っている。
それだけならよいのだが、主人公の残虐性はとどまることを知らず、その相手を次々と斬殺していく。
そのたびに辺りには死体の山が・・・。
(ただし、自主規制でその死体の絵はぼかしなどが入っている。さすがはエニックス。)
V 主人公の前に立ちふさがる敵は全員死亡
主人公の斬郎汰は目的を持たずして、敵を生かしておくことは無い。
彼の前に立ちふさがった敵は、味方になるキャラクターを除いて、全員死亡。
再起不能などという甘っちょろい結果は残さない。
これは、ジョジョの第5部をも超える死亡率である。
ここまで読んで興味を持った方。ぜひ、買って読んでみるべしッ!!
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