独断的漫画批評の部屋 幕末風来伝 斬郎汰
2:どこがそんなにおもしろいのか
注:ここでは、今後この漫画を読む方のために
ネタバレに配慮しながら読みどころを紹介していきます。
其の一 類似
まず、この漫画を読んでみた人の多くは、自然と頭に他の漫画が浮かぶだろう。
その漫画とは何か。
缶の鋭い人なら、タイトルから見破ることができるかもしれない。
暴露してしまえば、この漫画はとある有名週間少年誌に連載中の某明治剣客浪漫漫画に非常によく類似しているのだ。
どれほどかといえば、詳しくは次項以降で紹介するが、舞台設定はもちろんのこと、人物設定もなかなか魅せてくれる。
るろ(以下略)を読んだ人は、この漫画を味わい尽くすことができるに違いない。アニメで見た人もまず問題無い。(欲を出せば、1998年内に発行されたジャンプも読んでいると申し分無いのだが・・・。)
逆に言ってしまえば、「るろうに」を読んでいないと、この漫画のおいしいところを食べ損ねてしまうとも考えて良いかもしれない。
尚、個人的な感想を入れさせてもらえれば、「うに剣」よりもこっちの方が好きである。
其の二 衝撃の展開
ここまで読んで「何だ、単なる人まね漫画か」とお思いのあなた、甘い甘い。この漫画の面白さはそれだけではない。
とある先輩が、コミック全6巻のうちの3巻まで読んで、
「これって本当に6巻で完結なんですか?」
と尋ねてくださった。
それは作者の思うツボ(きっと)。
この漫画はいわゆるバトル漫画である。主人公とその仲間が敵を打ち破るという王道を決して踏み外していない。ほとんどのキャラに固有の能力(必殺技、必殺武器など)があり、後半の敵キャラはかなりの戦闘能力を持っている。
連載されていた漫画誌が、週間ペースの少年誌なら、その戦いひとつひとつに多くのページが割かれたであろう。だが、そこはしがない月刊誌(当時は隔週刊行)。 人気が無くなってくれば、打ち切りの持ち出しがすぐに浮かび上がるようだ。そのためか、終盤に入ると恐ろしいほどのスピードで戦闘が経過していく。
1話で3〜5話ぐらい一度に読んだ気になれる。毎回が衝撃の展開!!(いろんな意味で)
そういった点では読み応えはかなりのものだ。
其の三 その他
大きなポイントは前述の2点だが、その他にも面白味は盛りだくさんである。
殺さずの信念を持つどこぞの剣士とうって異なり意外と残虐な主人公。
戦いの緊張感をそれとなく打ち砕く背景の画像。
・・・などなど。
抽象的な表現が多く、読みづらかっただろうが、(引っ張り過ぎが原因だな) 以上のことを踏まえた上でこれから先を読んでいただくと憂い無い。