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独断的漫画批評の部屋

天燃色男児BURAY
高橋 一雅

週刊少年ジャンプ平成3年50号〜平成4年12号にて連載
全2巻

入手難易度:☆☆☆☆☆☆

 この漫画は、最初は「当たり屋」を職としていた青年、ブライが惚れた女の子のために始めたプロレスに、情熱を覚えプロレスラーとして活躍していくストーリーです。

 この漫画を知っている人はほとんどいないでしょう。 かなりマイナーな上に古い漫画であることは確かです。 しかし、この漫画の作風を見れば、作者がどんな人か分かるでしょう。 というわけで、ヒントを。

 ヒント1: 効果音に☆マークがつく。
       例えば、バーン☆

 ヒント2: とりあえず、ハチマキ(バンダナ)をつけたキャラクター。
       例えば、「オレは負け犬じゃない」と書かれたバンダナ

 ヒント3: 絶対に不自然な髪形のキャラクター。
       やっぱりサングラスをかけている。

 ヒント4: 高橋といえば…。


 ここまで言えばお分かりでしょう。 何を隠そう、この漫画の作者はあの「遊☆戯☆王」の作者の高橋和希氏なのです。 いや、証拠は無いけど、絵柄がそっくりだから…。

 でも、遊戯王の作者が書いた漫画だからと一概にされるには惜しい漫画です。


 主人公・ブライは軽いノリで女の子のためにプロレスをやり始めますが、だんだん真剣にプロレスにのめりこんで行く…。 有名どころでは「スラムダンク」。 最近では「大好王」で見ることのできたジャンプのスポーツ漫画の王道パターン。

 しかも、孤児院の子供たちが出て来たり、自分も孤児出身だったりと「タイガーマスク」っぽいところも忘れていません。


 また、試合を重ねるうちに(実際にやったといえるような試合は四試合しかありませんが・・・)、素人だったブライが次々と腕を上げ、敵たちを蹴散らしていくところも見所ですが、それ以上のオススメのポイントは敵キャラクター。

 最初の勝負相手(後に主人公とタッグを組むことになる。顔は城之内。)は、毎試合ごとに手製のハチマキをつける情熱家。 ハチマキにはもちろん文章

 そして、次の相手。メキシコのストリートチルドレン出身のマスクマン。かなりの強敵ですが、実は60代という老人というあっと驚く設定。

 最後に、無敗の冷徹双子タッグ。 「真島君」にでてきた韓国出身の兄弟みたいなやつら。

 どのキャラクターも味があるし、どの試合も白熱して面白い。 60代のプロレスラーなんてかなり印象深いキャラクターでした。 古本を読んだ時、一番鮮明に思い出したのがそのシーン。

 また、「キン肉マン」や「ザ・モモタロウ」と違って、本格的なプロレス漫画なので無理な設定も無いし。 主人公の必殺技の超強力空手チョップ「伝家の宝刀」も無理の無い必殺技。 ジャンプの数少ない本格的プロレス漫画の中でもかなりの秀作なのではないでしょうか?

 確かに一番の見所は高橋和希の味なのですが…。


 レア度の高い漫画ではありますが、見つけた時には読んでみて欲しい漫画です。

 余談ですが、2巻についてる世紀末覇者のような読みきりもオススメ。 「BURAY」とは、全然違う絵柄が読めます。 こんな漫画も書けるんだ…。 もしくは、こんな漫画も書いてたんだ…。 という気になって下さい。
 でも、これって宝島社とかコミックガロとかから出てそうな漫画ですよ。


 作者つながりで買うのも良し。 プロレス漫画として読むのも良し。
 さあ、いますぐ、大きな古本屋へGO!


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