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鉄道模型おきらく研究室:レイアウトと列車のページ
あなたの列車に必要なレイアウトのサイズ


 はじめに

    私は以前,600×1200のレイアウトで運転をしておりました.しかし,今は使っていません.その理由は,このレイアウトにポイント・勾配・トンネル(それもループ線)の「手放し運転派」には厄介な御三家が揃っていたこともありますが,持っていた基本セットを走らせるにはレイアウトが小さすぎたことも大きな要因です.そこで,なるべく長い編成が走れるように現在のレイアウトを製作しました.そのときに,なるべく長い編成を走らせるためのレイアウトサイズを考えましたので,ここでご紹介したいと思います.
    なお,このコーナーは長編成の列車をなるべく違和感少なく走らせるためののもので,短編成(キワ90の単行運転など)を実感的に走らせるときに適用できるかどうかはわからないことを予めお断りしておきます.



仮定

 単純化するために,次のような仮定をおきます.
 1)レイアウトは画面水平方向が長く,鉛直方向に短い.
 2)線路配置はエンドレスとする.鉛直方向には直線を挟まない.


レイアウトプラン
 下図のような線路プランを考えます.

記号A,Lの定義

 線路とレイアウトのベースとの関係を次のように想定します.

記号Δ,Lの定義


 評価指標

 昔のTMSには,「頭が西で尾が東を向いているのはよくない」との記述があったそうです.そこで,「頭が西で尾が東を向く」ときの列車の長さを代表指標として,レイアウトのサイズとの関係をしらべて見ます.なお,「頭が西で尾が東を向いている」のは「よくない」のですが,「頭が西で尾が東を向いて」いなければ「必ず良い」ということではありません.


2種類の限界状態

 さて,「頭が西で尾が東を向く」には2種類あります.下の図をごらん下さい.

限界状態
レイアウトプラン例
列車の見え方1 列車の見え方2
π(W-2Δ)/2
列車の見え方3 列車の見え方4
(W-2Δ)+(L-W)]/2

 上の図から,⊃型よりもU型のほうが列車長が長くとれることがわかります.

列車長の計算例

 では,具体的に列車の長さを計算してみましょう.上の図の右側の欄の式を使います.なお,計算結果を直感的に分かりやすくするために,列車の両数に換算してみます.

 計算結果をしたの図にしめします.ただし,Δ=30mm,列車の長さを140mm(実物20m級)としています.


U型
⊃型

 上の図から,LやWがおおきいほど列車長が長くなることがわかります(当たり前ですが).ところで,上の2つの図のN(両数)は,あくまで,「頭が西で尾が東を向いている」状態を避けられる最大の両数です.その両数でも「違和感がない」という保証は全くありません.むしろ私の経験では,上図Nでは違和感があります.
 現レイアウトは600×2700ですので21両が限界ですが,私の感覚では9両までは違和感を感じません(画像1像2).10両以上で違和感が強くなります(ちなみに7両ぐらいでは短く感じます).また旧レイアウトは600×1200ですので10両が限界ですが5両を越えると違和感が強くなります.ですから,上の2つの図の半分くらいの両数が実用上の限界の目安(注)になると思います.

 (注)これは,見る人やシナリー・ストラクチャーなどにも依存すると思いますので,あくまでも目安です.



面積一定の場合

 LやWをできる限り大きくしたいのですが,レイアウトが大きいほど,費用・製作時間・移動がたいへんになります.そこでレイアウトの大きさをレイアウトの面積で代表させることにして,面積一定ならどんな形状が列車長を長くできるのかを調べてみました.計算した結果をしめします.


レイアウト長さと編成との関係

 上の図から,面積一定のときはLが長くWが小さいほうが良いことがわかります.したがって,列車の長さを長くしようとすれば,ウナギの寝床みたいに細長いほうが良い ことがわかります.
 そこで私はL=2700mm,W=600mmのサイズを選びました.面積は定尺L=1800mm,W=900mmと同じです.


結論

   以上のことから,長編成の列車を小スペースで走らせるためのレイアウトのサイズは細長い形が良いことがわかりました.そこで,巾を600mmとしたときのレイアウト長さと列車の両数との関係を示します.限界両数の目安は三つ上の図のNの1/2の値を整数にしたものです.なお,600mmとしたのは,長編成レイアウトは20m級以上の車両が対象になることが多いでしょうから,20m級が無理なく通過できる280Rの使用が一般的だと考えたからです.

レイアウトの長さmm  (巾600mmの場合) 列車の限界長さの目安(人・地形によって変わります) 両
 900  3
1200  5
1500  6
1800  7
2100  8
2400  9
2700 10



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