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―― C.E.74〜78年の歴史・前編 ――

CE74、5月第二次汎地球圏大戦(ロゴス戦役)が終了し、時の議長ギルバート=デュランダルが宇宙要塞メサイアにて死亡。


同日プラントにてクライン派がクーデターを起こし、プラントを掌握する。
そして、オーブ連合首長国代表首長カガリ=ユラ=アスハ、メサイア戦の勝利とプラント併合宣言を表明。

後の世に言う「併合演説」と呼ばれるものである。

地球では、東ユーラシア地域(ガルナハン地域を含む)が一斉蜂起し東ユーラシア共和国樹立を宣言。
ユーラシア連邦は東西に分断され、内戦が深刻化していった。
また、赤道連合内部でも、権力争い、強制労働に借り出された住民の決起等内乱が起きていた。




CE74、6月プラントはオーブの直轄地として併合。
ここに国家としての「プラント」の歴史は終わる。


またザフトの兵として軍務にいたものは一旦、軍属を解除される。
ある者は先の第二次汎地球圏大戦(ロゴス戦役)で被害をうけたコロニーの復旧に向かい、ある者はプラントの為再び戦うこともあるかもしれないと一時の休息をとり、ある者はラクスの元で戦うことを選び、そしてある者は野に下った。



同年同月、オーブ連合首長国より新たな国際組織「統一連合」の枠組みが提唱される。
それに合わせ、統一安全保障条約機構を作成し、賛同国を募る。

元々親オーブのスカンジナビア王国、親プラント派だった大洋州連合、アフリカ共同体などが加盟する。
プラントが併合されたことで、月中立都市郡も参加を表明。
ジャンク屋組合は、表立った表明は見せなかったが、もともとラクス=クライン個人とのパイプは強く、協力を惜しまなかった。

東西に分裂したユーラシア連邦、赤道連合は内戦中でそれどころではなく、大西洋連合は参加表明せず。
一時期世界の中心であった大西洋連邦は、統一連合、ひいてはオーブに対して不満を募らせる。

オーブの戦時国策により独立国家となっていたアメノミハシラ、独立心の高い汎ムスリム会議や東アジア共和国、南アフリカ統一機構などは静観の構え。




CE74、8月中旬、大西洋連邦、オーブに対して宣戦布告。

理由は先の大戦中、幾度無く戦時中に現れ、テロ活動をおこなってきたアークエンジェル隊を自軍に取り込んだオーブはテロ支援国家であり、世界の平和を乱す原因であるというものだった。
しかし真相は、オーブの復興が終わっていないこと、プラントを併合したとはいえザフト軍はオーブ体制に今だ組み込まれていなく、その数は多くないことを見通しての先制攻撃だった。
 
メサイア戦で活躍したストライクフリーダム等のMSは脅威だが、その支援装備は地球上では使えないこと。また宇宙の艦隊は壊滅状態にあったが、地上の大西洋連合軍は十分にそろっており、今この時に叩いておかないと、世界の覇権がオーブに移動してしまうのを恐れたことを考慮したものだった。

だがこの目論見は脆くも崩れる。

9月最初の週、南大西洋海戦で大西洋連邦のオーブ侵攻軍壊滅。
オーブの軍は確かに疲弊していたが、ラクス=クライン率いる独立軍を過小評価したことが原因だった。

9月中旬、ハワイ沖会戦でも大西洋連邦軍は破れる。

9月下旬、かろうじて残っていた大西洋連邦宇宙軍をプラントへ向けて奇襲を行うが、オーブ・ザフト軍に撃退される。

10月初旬〜中旬、オーブ・大西洋連邦の戦いは地上へと動き、宇宙では大西洋連邦宇宙艦隊を降伏へと追いやっていた。この時点で大西洋連邦は制宙権を完全に失った。

10月下旬、大西洋連邦政府内部でエターナリスト(クライン派シンパ)によるクーデター勃発。臨時政府が樹立。

11月初旬、大西洋連邦臨時政府とオーブ間にて講和成立。同月5日、大西洋連邦は旧メキシコ領をウェリントン条約に基づき、南アメリカ共和国に割譲。

12月初旬、南アメリカ合衆国、東アジア共和国、統一連合への参加を表明。



CE75、1月「ピース・ガーディアン」設立。
過去の大戦で独立義勇軍として活躍したアークエンジェル隊をより発展させたものである。
以後、オーブ軍の一部をさらに組み込み、NGO組織として独自の行動する事になる。
指揮するのはラクス=クライン。
統一連合内部に発言権を持ちながらそれらは行使せず、世界平和のために行動してゆくのが、その目的だった。

1月下旬、態度を明らかにしていなかった南アフリカ統一機構、統一連合へと参加を表明。

CE75、2月。汎ムスリム会議が、統一連合への参加は表明する。が、あくまで世界情勢を鑑みた上での、積極的なものではなかった。




CE75、3月「ピースガーディアン」(以下、PG)の最初の活動。

赤道連合の内戦地域への支援だった。

非戦闘地域を回り、人々の楽しみになればとコンサートや慰問を行いつつ、他のNGO・NPO人道支援団体の活動を積極的に支援。
医療や食料援助、戦時復旧活動など様々な面で大きな活躍を見せる。
また内乱自体に介入はしないものの、非戦闘員に危害が加えられそうになれば、MSを使い敵を撃退した。
 
救難活動を行いながら、危害を加えるものは排除するラクスの姿に、各地の人々は平和の歌姫としての支持、信仰を集めてゆく。
また、そうしたラクスの行動にあわせて、内乱は鎮圧化していき、3月下旬内乱が終結。
統一連合への参加を赤道連合は表明する。

これら一連のPGとラクスの行動は連合参加諸国からも極めて高い評価を得た。以後、PGは次第にその勢力を拡大していく。


CE75、4月、旧ヘリオポリスを修復したコロニー「イザナギ」が、アメノミハシラの手によって完成する。
また同時に統一連合への参加を表明する。




CE75、5月PGは内乱中のユーラシア連邦地域でその姿を見ることができた。

東ユーラシア共和国、統一連合への参加を表明。
それにあわせオーブ軍が内乱へと介入してゆく。
PG、統一連合に参加したことで応援にかけつけたオーブ軍との連携もあり、最終的にはユーラシア連邦は、東西に分かれることとなった。
ユーラシア連邦の西側は『西ユーラシア連邦』、東側は『東ユーラシア共和国』となった。
しかし同月末、西ユーラシア連邦政府に対しクーデターがおき、政府は打倒される。西ユーラシア連邦暫定政府樹立。

CE75、6月世界情勢に合わせるように、大西洋連邦で、統一連合加盟に対して選挙が実施される。結果は僅差で加盟賛成が上回り、加盟にむけて動き出す。



CE75、7月、「統一地球圏連合」正式に発足。
西ユーラシア新政府、大西洋連合が統一連合へと加盟し、この時をもって、世界のすべての国々が統一連合へと加盟が成立。
会議にて「統一地球圏連合」へと名称を正式決定したのだった。




CE75、8月統一地球圏連合となっての、第一回総会が開催される。

その中でラクス=クラインが主席に選出されるが、彼女はこれを固辞。
代わってカガリ=ユラ=アスハがその任につくこととなった。




CE75、9月初旬、PGは特別顧問「平和の使者」直属の近衛軍として再編。
ラクスに何とか報いたいとするカガリと、そのカリスマ性を取り逃がしてはならないとする各国の思惑で、統一地球圏連合特別顧問の案「平和の使者」が発表され、ラクス=クラインが就任することとなる。
NGO組織だったPGもそれに合わせて再編された。



『C.E.74〜78年の歴史』後半に続く