―― プラント併合 ――
プラント最高評議会がクライン派に占拠された後、ラクス=クラインはプラントに限定して演説を行う。 この演説でラクス=クラインは非常にシンプルな主張となった。 「意味のない戦いはしてはならない」 今まで、プラントは迫害と戦ってきた。 そして、その迫害が無くなった今、私たちは戦うべきではない。 そうプラント市民に訴えたのである。 ザフトの敗戦により厭戦気運が最高潮になっていたプラント市民はカリスマ、ラクス=クラインの演説に耳を傾け、それを受け入れる様になる。 そして次に、オーブ連合首長国首長カガリ=ユラ=アスハによって、オーブがプラントを併合するという、いわゆる『併合演説』がなされたのであった。 演説の宣言内容はプラントの併合宣言であるが、細かな内容としては以下のような内容となっていた。 ・メサイア攻防戦の勝利宣言 ・同戦闘におけるギルバート=デュランダルの死亡確認 ・同戦闘の原因となった大量破壊兵器「レクイエム」の破壊 ・同戦闘にてプラントが「ネオ・ジェネシス」を使用した事実 ・プラントが大量破壊兵器の使用に至った理由は「国家主義」によるものである ・そもそもプラントの建国の経緯は「ナチュラルの迫害からの自己防御」である ・ブルーコスモスの解体がロゴス崩壊により事実上行われた事実 ・ 旧連合の地方圧制に対して行ってきたプラントの行動に伴うコーディネイター迫害への嫌悪感の広がり ・ナチュラルの迫害が形骸化している事実がプラントの国家存在意義をも形骸化している事実 ・プラントの政府機能が形骸化している事実が世界平和に与える影響の深刻さ ・上記危険性を回避し、プラントの人々の安全と幸せを保証するためにはどこかの国家に属するしかない。そして、それが出来るのはナチュラル・コーディネイターの融和を図ってきたオーブでしかなしえない。 このプラント併合宣言で、当時の連合加盟諸国はプラントを攻撃する口実を失うこととなり、これが事実上の戦争終了宣言となった。 これを受諾するか否かプラント国民の間で議論が起きたものの、クライン派の手により最高評議会は解散。 代わりに出来た暫定評議会議長にラクス=クラインが就任するなど、併合に向けた準備が急ピッチで進められていく。 そして暫定評議会の決定によりザフトは解散、オーブ軍に統合させられ、CE74年6月ついにプラントはついにオーブ併合を受諾する。 ここに至ってプラントはその国家としての歴史に幕を閉じたのである。
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