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―― メサイア戦直後 ――

「真の歌姫が戻る。暗号座標フラジャイル。繰り返す。真の歌姫が戻る」
(SEED Destiny48話)

砂漠の虎の異名をはせたアンドリュー=バルトフェルドのこの言葉で、オーブによるプラント侵攻の幕は開けた。


CE74年5月、ラクス=クライン率いるオーブ艦隊は、ザフトからの裏切りや地球連合の残存部隊などを結集し、一大勢力をもって、プラントの宇宙要塞メサイアを陥落させる。(SEED Destiny)

この戦いで当時のプラント議長ギルバート=デュランダルは戦死。ザフト軍は事実上崩壊し、プラントは一切の防衛力を失った。そしてオーブ艦隊は勢いそのままにプラント本国に侵攻する。

この時も先陣を勤めたのが、その勇名を世界に轟かせた戦艦アークエンジェルと、二機のモビルスーツ。キラ=ヤマト操るストライクフリーダム、そしてアスラン=ザラ操るインフィニットジャステスであった。

降伏か?徹底抗戦か?決断に揺れるはずのプラント最高評議会。しかし彼らにはそんな時間は僅かも存在していなかった。

メサイア陥落の報から1時間20分後、ラクス=クラインのプラント侵攻に呼応して、各所に潜伏していたクライン派が一斉蜂起をしたのである。

事実上、クライン派のクーデターであった。

メサイア陥落、議長の戦死という指揮系統の大幅な乱れから、残った軍も警察もなすすべは無く、議事場や宇宙港、軍事基地、警察署、放送局など各主要施設は次々とクライン派に占拠されていく。

そして、メサイア陥落より9時間15分後。

ついにクライン派はプラント最高評議会を占拠。これをもってプラントは事実上の政府機能を失ったのであった。