** 4巻の蔵馬 〜玄武編〜 **
「ふたりじゃ大変だろう?手を貸そうか」(C149) 数の多い腐餓鬼(ふがき)にてこずる幽助・桑原にの前に、敵に紛れていた蔵馬・飛影が登場。頭からすっぽりとマントをかぶる腐餓鬼スタイルで、群れいる腐餓鬼をボコボコに殴り倒す。お得意の薔薇技も剣技も出ない、肉体派の二人だった。おそらく腕にバンテージを巻いているのは飛影、左下に映っているバンテージ無しは蔵馬なのだろうが、唯一出ている目からは判断できず。にしても「人間の匂い〜〜」と騒ぐ腐餓鬼たちには、人間:南野秀一の匂いが嗅ぎ取れなかったのだろうか。蔵馬は既にバラ臭かったのだろうか。謎である。 |
「もめごとはこの仕事が終わった後だ」(C153) 喧嘩を始めようとする桑原・飛影に冷静な台詞を投げかける蔵馬。でも「喧嘩するな」ではなく「後でやれ」なのね。基本的に傍観者であることがうかがえるナイスな台詞。仲裁する気はもちろん、無い。この言葉って蔵馬の性格を端的に表していると思うのですが?私としては地味にツボだった。 |
「さぁ…どこからでもどうぞ」(C168) と言った直後に攻撃されるとは思ってもみなかったようで、腹部に深手を負ってしまう蔵馬。この台詞を取り上げて考えてみた時に気がついたのだが、蔵馬は相手が動かないと自分から攻撃しない。つまり相手の攻撃待ち。その相手の攻撃方法によって対処法を考える「悪いクセ」(by飛影)の持ち主である。だからこの台詞が出るのだろう。頭がいい分、感覚よりも頭脳で考えながら戦ってしまうのかもしれない。戦いの序盤で不利になることが多いのはハンデ!? |
「心配はいらない かすり傷だ 不意をつかれて 多少驚いたがね」(C173) 実際“かすり傷”どころではないのだが、体裁を気にしてつい余裕のコメント。しかし「強がりもいつまで言っていられるかな…」と玄武にまでバレているのでちょっと悲しい。深手を負っても、基本的に蔵馬は「捨て身」という必殺技がある限り、ほとんどの戦闘には勝てると思う。いざとなれば手段も選ばないし、冷酷に徹することもできるから。本気になれば絶対に勝てる、という思いが、彼に余裕を持たせているのだろうか。 |
「オレも本気を出そう」(C176) しばらく玄武の攻撃を見て「こいつ、奥の手を持たないな」と見切り、とうとう薔薇棘鞭刃を出す蔵馬。一応C172で「岩と一体になり その中を自由に動けるオレにとって この部屋全体がオレ自身なのだ」と玄武自らが能力について解説しているのだが、そこは裏の裏を読む蔵馬のこと、「まだ何か隠し持っているのでは」と念には念をいれて探る。まさに「奥の手は先に見せるな」の実践である。 |
「もちろん ただのバラじゃない」(C177) 本当に解釈に困る台詞である。飛影は暗黒武術会で「正真証明、ただのバラだ」と蔵馬のバラについて語っているが、本人は違うと言う。この台詞は幽助の「バッ バラの花〜〜!?蔵馬ァ 血迷ったのか!!」に呼応するものなので、「見て楽しむために出したのではなく、武器にするバラですよ」と幽助に教えたのだと私は思う。まさか自らで作った新種だとか、とても珍しい種類だとか、薔薇棘鞭刃専用のバラであるとか、そういう意味ではない……はず。つまるところ、ただの薔薇なのか、ただの薔薇じゃないのか、一体どっちなんだ! |