スカイオデッセイ(PlayStation2)
私はフライトシム好きです。
しかしいわゆるマニアではないので、小難しいフライトモデルがどーの
とか、時代考証がこーのとか、分かりません。
フライバイワイヤー?なんすかそれ?メルギブソンの新作映画っすか?
自由に空を飛ぶのが大好きなんですよ。
なんかリアルっぽい気分さえ味わえたらそれで満足。細部はゲーム的に
丸められている方がいいかな。
DCのエアロダンシングシリーズも挑戦はしているのですが、ムズすぎて。
あのリアルなムズさを克服して飛びこなせる人はすごいと思います。
今回紹介するのは、そんな人たちにはお勧めできないかもしれませんが、
私的にちょーど良いリアル/デフォルメバランスのスカイオデッセイです。
宮崎アニメの世界。宮崎監督は飛ぶことにこだわって、毎回毎回フワリと
するシーンが出てきます。
例えばマイフェイバリットな「耳を澄ませば」で、猫の男爵が「気流に
乗って一気に超えるぞ」ってな感じでぶわーっと、もうそりゃ、なんちゅ
うか、「リアル」でしょうあれは。間違いなく。
ラピュタにしろナウシカにしろ、あんなシチュエーションであんな感覚。
現実世界にあるはずがありません。
しかし、見る人全てに「リアル」だと感じさせる。すごい手腕だと思い
ます。
スカイオデッセイもまさにそれ。ものすごいリアルを感じさせてくれます。
木の葉のような複葉機が風に翻弄されたりすると、本当に画面から風を
感じることができる。上昇気流ってのは乗ったことはないけど、実際乗っ
たらこんな感じなんだろうなぁ。ああリアルだ。
それこそ正に、宮崎的リアル。
ゲーム内容は、冒険野郎!な世界観の中、お宝の地図を求めてレシプロ機
(例外あり)を駆る! ってなもんで、敵とドンパチするんじゃなく、
敵は大自然。毎回「迷路状になった渓谷を飛び、遺跡を探せ」ですとか
「燃料タンクに穴が空いた状態で列車から給油を受けろ」とかの無理難題
をクリアしていく。
空母に着艦!なんてのは時代考証も世界観もぶち壊しなのですが、ゲーム
的に面白いシチュエーションはなんでも取り込め〜ってことなのでしょう。
不思議と違和感を感じません。まぁそんな世界もありかと。
自機の挙動がものすごく機敏で、くるくるすいすいと実に軽快に飛び回れ
る。それで鍾乳洞の中を抜けていったりする。
エリア88の「オペレーションタイトロープ。やってもらおう!」ってな
シチュエーションなのですが、あっちは音速の戦闘機。崖なんか避けて
られないので、直線的に飛べるコースから一歩もはみ出すな、という条件
なのに対し、こっちはぐりぐり動けるので、鍾乳石の間をスラローム飛行
したりもできてしまう。
多分リアルなのは前者なのでしょうが、宮崎的リアルな後者の面白いこと!
マニュアルには、壁にぶつかりそうになったら壁に向かってタイヤを出せ!
とか平気で書いてあるし。。。サイコーです。
難易度的にはどうでしょうか。
離陸一つ取ってみても、最近の戦闘機をモチーフにしたゲームだとレバー
引くだけ。斜め45度にぐんぐん加速しながら急上昇していくでしょうが、
このゲームの離陸は、スピードに乗るまでは徐々に徐々に機首を上げて
いかないとすぐに失速する。
離陸にこんなに気を使うゲームは始めてです。
でもだからといって難易度が高いと言っているのではなく、失速して地面
に落ちようが、再度地面を蹴って上げなおせばいいのです。
頑丈な自機のなせるワザ。難易度は比較的低いと思います。
岩壁に羽根をぶつけたぐらいではダメージ受けるだけで飛行に支障なし!
ですとか、速度合わせて列車に接近しただけでガコっと
強制連結!とか、ゲーム的に実に遊びやすい調整がされていて好印象。
しかし悪魔のアクロバットポイントなんてものがあるために、個人的
難易度激高!
高度30m以下でロールすればポイント、なんてものがあるために、
激突しまくり。
地表すれすれを飛べば、低ければ低い程スコアが入るなんてものもあり、
加えて水面すれすれを飛べばシュババババっと水が跳ね上がったりする
ので、かっこえぇぇぇ〜とか言いながらついつい狙って自滅。
この感覚は、、、パシフィストボーナスですか?
狙わなければいいと分かってるんですが、洞窟の中の岩盤の下の水面
すれすれなんか本当にかっこえぇ。おかげでいつまで立ってもクリア
できない。。。
フライトシム好きな初心者は、「あのビルの間を抜けてやろう」とか
「あの橋の下をくぐろう」とか考える訳なんですよ。そしてやってみて、
できなくて、あぁやっぱり飛行機を操縦するのって難しいんだ、と思う
でしょう。
でもこのゲームではそれができるんですよ。
誰にでもできる。
面白いじゃないですか。
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