LCDゲーム各種(LCD)


ファミコンよりもずっと昔のゲーム機というのは、1台のゲーム機で1種類
のゲームしか遊べないものが当たり前でした。
中でもLCDゲームというのは、ゲームボーイと同じく反射型液晶を採用して
いるのですが、細かいドットを表示することができなかったため多彩なキャラ
を表示することができず、キャラクタはあらかじめ画面に描かれているもの
の表示をON/OFFすることにより移動を表現し、なんとかゲームを成り立たせて
いたのです。

そんないにしえのゲームの中にも記憶に残る名作がいくつもあり、ここでは
それを語ります。



●任天堂
ゲームウォッチシリーズで一番メジャーな任天堂。
画面構成が非常に芸術的で、ゲーム内容が繊細で、上品で、異常なまでに
完成度が高いです。
パノラマスクリーンシリーズまでのゲームはどれをとっても全く外れがあり
ません。


 ○ジャッジ
   ゲームウォッチ唯一対戦ができるゲーム。
   表示される数字の大小を一瞬で判断し、なぐるか避ける。
   対戦ができるものというのは言い換えれば永遠に遊べるということで
   お買い得ではないかと。
   また、数字が表示されるまでのカウントダウンにも、キャラクタが足
   でリズムを取るという演出が入り上品で丁寧な任天堂魂を感じるとこ
   ろであります。俺だけですか、そうですか。

 ○マンホール
   シェフと並びゲームウォッチ史上最高難度を誇るのではないかという
   ゲームです。
   ゲームウォッチシリーズは、0点から999点(ものによっては9990点)
   まで徐々にスピードが上がっていきますが、100点毎にちょっとだけ
   ゆるくなるというサイクルを繰り返します。
   マンホールではスピードだけじゃなく出てくる子供の人数も半端じゃ
   なくなるので、ゲームも後半になるとひたすら左上、左下、右上、右下
   とあたかも∞を描くようにボタンを押し続けることになります。それも
   超高速で。
   900点越えになるともう一種のトランス状態で、それが999点を越えて
   0点に戻った瞬間ぶわぁぁぁぁぁっと開放されて、、、
   勇者よ、今からでも挑戦せよ!

 ○ヘルメット
   これは上から降ってくる工具を避けまくりながら右のドアが開いた瞬間
   に駆け込むというゲームですが、特筆すべき点が2つあります。
   一つはゲームAとゲームBでゲーム性ががらっと変わること。
   ゲームAはドアの開いている時間が長いため一見簡単になるかと思われ
   ますが、実はドアが閉まっている時間も長いため外で避け続ける時間も
   長いからつらい。
   ゲームBは左から右に走り抜ける間にほぼドアが開くので、あまり避けず
   に駆け込める。だから最初のうちはBの方が簡単?と思うことでしょう。
   実際はゲームAは工具のスピードが速くならない為論外なのですが。
   ゲームAのゲーム性で工具のスピードが上がったなら非常にエキサイティ
   ングだったと思います。残念!
   もう一つの特徴は、スコアによって工具の落下してくるパターンがあり、
   それによっても難易度が上がっていくという点です。
   工具の左2つはゲーム序盤から並んで落ちてくるパターンがあるのです
   が、800点を超えた通称「800点パターン」になると左から3番目と4番目
   の工具も並んで落ちてくるようになります。きついですこれ。
   しかし999点前の最後の難関、いわばラスボス! 燃えますね〜

 ○ドンキーコングJr
   ゲームウォッチ史上最高傑作を上げるとするならこれでしょう。
   アーケード版と同じくスナップジョー(ワニ口の罠のおばけ)と鳥を
   かわしながら上段に上がり、ゆれる鍵に飛びついてオリを開ける。
   それを4回繰り返したら1面クリアです。
   ワイドスクリーン1画面に詰め込まれたストーリー性、難易度の上昇
   曲線、本体のデザイン、全てが素晴らしい。


●バンダイ
ソーラーパネルを使った地球にやさしいシリーズを展開したバンダイ。
ソーラーパワーシリーズの特筆すべき点は、太陽電池だけじゃなくて、
1枚の液晶で2つのシーンを持つゲームを開発したところ。
画面構成にアイデアがあふれるステキなゲームが多いです。
他にも、なんと2枚の液晶を重ね合わせて1つの画面に2つのシーンを描き出す
ダブルパネルシリーズは、ものすんごい発想とそれを実現する技術力。
すばらしい。


 ○秘境アマゾン
   前述のソーラーパワーダブルパネルシリーズ。
   シーン1はドンキーコング(というかティップタップ)のように滝の
   ある崖を登っていく。このシーンの画面構成が非常に面白そうで、
   子供心鷲掴みだった訳ですが、実際は難易度が低く面白くないです。
   シーン2は迷路状の洞窟を宝を探してさまようというもので、これまた
   非常に面白そうです。しかし実際は難易度が低く面白くないです。
   結局、画面構成から来る期待感に反して面白くないのが残念なところ。

 ○バーガータイム
   これはソーラーパネルではありません。
   DECOのアーケードゲームの移植もので、原作の雰囲気をかなり再現して
   いる。
   しかし液晶なので画面が狭く、3階建てのフロアには各1匹ずつモンスター
   がいるから、絶対にかわせない状況が頻発します。
   そういった時には迷いなくコショー!
   その隙にカケコミ面クリアー!
   つまり、慣れたら毎回同じルートをものすごい勢いで駆け抜ける面クリ
   ゲーになります。
   後述のエポック社「パクパクマン」に近いゲーム性。

 ○ザクソン
   これです。これ。液晶ゲームの最高傑作。
   ダブルパネルシリーズで唯一、2枚の液晶を同時に表示することを実現。
   それで上空、地表の高低差を見事に表現していて感動的です。
   SEGAのアーケードからの移植なのですが、原作の雰囲気バッチリです。
   そしてこのゲームのすごいところは、それだけに留まらず、ゲームと
   して非常にバランスが取れていて面白いのです。
   上パネルをメインに使った空中戦、下パネルメインの地上戦、空中の
   編隊戦、そして空中地上の総力戦と面構成が多彩で、しかも難易度の
   上昇カーブが心地良い。
   音もただのピコピコ音だけじゃなく「曲」と呼べるものが流れる。
   まぎれもなく名作です。アーケードの原作より面白いかも。。。



●エポック社
非常にゲーム性に優れたポケットデジコムシリーズのエポック社。
下記の3部作は買って損はないです。スーパーワイドは微妙かも。

 ○パクパクマン
   パックマンの移植です。
   狭い画面ですが、迷路に立体交差を設けることによりそれ程狭い感じ
   はしないです。
   特筆すべきは、方向キーが1プッシュ1移動のため、連打すればする
   だけパクパクマンが高速に移動できるという点です。
   極まったプレイでは、モンスターの位置なんかお構いなしにひたすら
   パワーえさまで連打移動→パワーアップ→次のパワーえさまで連打
   →そのまま面クリア
   ってな感じで、ひたすらひたすら即効で面をクリアしていく。
   そんなんが面白いのか、と言われると、、、面白いのです!

 ○モンスターパニック
   これまた液晶ゲームの最高傑作(いくつあるんだよ)
   3階建てのモンスターハウスからモンスターと戦いながら脱出すると
   いうもので、非常にゲームバランスがいい。
   1階ではまずフランケンの腕、ドラキュラ、半漁人をかわし、2階
   ではミイラ男の転がしてくる爆弾をドンキーコングよろしくジャンプ
   でかわし、3階では剣を拾ってガイコツとの一騎打ち。
   倒せば脱出できて面クリア。そしてどんどんゲームスピードが上がっ
   ていく。。。
   ここでプチ攻略なのですが、1階のドラキュラと半漁人は倒すことが
   できます。
   こいつらは最大化した瞬間と消える瞬間に攻撃判定があるので、
   最大化するまで隣で待ち、最大化した瞬間に懐にもぐりこみ「下」
   ボタンで攻撃。これで倒せるので、ドラキュラと半漁人を交互に
   倒すことによって点稼ぎができるのです。
   倒すことによってスピードが上がって行き、最終的には倒しきれない
   程になるのですが、重要なのは、これでスピードが上がるのはドラ
   キュラと半漁人のみってことです。
   ミイラとガイコツは面クリアしない限りスピードは上がりません。
   そこで1000点を越えるまでドラキュラと半漁人で稼いでからクリア
   を始めると、比較的楽にカンスト(2000点)が達成できるのです。

 ○オイルギャング
   三部作の3つ目はこれです。
   アーケードのフリスキートムにヒントを得たと思われる内容で、
   パイプラインの各所に現れて別のパイプをつないで石油を盗もう
   とする盗賊たちを退治していきます。
   出たり消えたりするはしごなどが面白いギミック。
   また、ボスが出現することがありこいつを倒さないと爆弾が
   爆発してミスになります。
   ゲームスピードが上がっていくと実に強敵に。
   面白いです。

○妖怪ゴルゴン
   上記の三部作の次に発売されたスーパーワイドシリーズ。
   その名にたがわず、めちゃめちゃでかい液晶が実に力技。
   その中で、ギリシャ神話をモチーフとしたこれは、モンスター
   パニックに魅入られた人なら誰もが手を出してしまう逸品。
   展開も似ており、更にでかい液晶にでかでかと描かれた大魔神が
   存在感バツグンで、期待感をあおるのですが、、、実際は致命的
   な欠点があります。
   劇的に難易度が下がってしまったのです。
   画面が広い分、キャラ間が空いて間延び感があり、狭い画面に
   必死で詰め込んでいたモンスターパニックの方が緊張感があり
   ました。

○ジャングルヒーロー
   妖怪ゴルゴンと同時発売のシリーズです。
   まずサルを操作して木の実で人食いな原住民の人たちをやっつけ
   ヒーローを呼びます。
   呼ばれて飛び出てなヒーローさんはとりあえず池に飛び込みます。
   下にワニのいないタイミングで飛び込まなければならず、ここが
   一番ムズいかも
   あとはワニを一定数倒して、上陸し、原住民な人たちを倒して
   釜茹で女性を助ける。
   これも妖怪ゴルゴンと同じく広すぎる画面の間延び感があり、
   難易度が低い。



●トミー
どっちかというとFL管のゲームに力を入れていたトミー。
しかしどうしても紹介したい機種がある。

○ミスターDo!
   ゲームウォッチなどの反射型液晶ではなく、バックライトを仕込ん
   だ透過型液晶なのが特徴のミスターDo!
   せっかく透過型液晶で色を出せるのに、キャラクタの色分けがまず
   く活かせてません。
   内容は同名アーケードからの移植なのですが、実はこれ、はっきり
   いって面白いです。
   ボールで敵を倒す、ボールはどっちに曲がるか分からない、リンゴ
   で敵をつぶす、チェリーを回収して面クリア、などなどアーケード
   のギミックをかなり再現していて感動的。
   それに加えて、以下のギミックをも再現しているのがすごいところ。
     ・EXTRAモンスターで文字揃え1UP
     ・スペシャルダイヤモンド
     ・面毎の地形が数字の形をしている
   これはすごい。
   そしてゲームバランスも程よくてかなり面白いです。
   しかーし、一つだけ残念なところがあって、このゲーム、自機が
   増えすぎるのです。
   前述のEXTRAによっても増えるし、スコアによっても増える。
   リンゴで大量にまとめてつぶしたらそのスコアだけでほぼ増える。
   終わらないです。
   そこだけが残念なところ。







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