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生きるという事・・・わたしの場合

この病気を得て、生きるという事を深く考えるようになりました。
正直言って、お気楽なわたしもいっそのこと死んでしまった方が良いのかなぁ。
なんて心の葛藤もありました。
わたしは、身体的痛みや苦しみに耐えることは平気なんですが、人に頼る事が苦手です。
わたしの病気のせいで、周りのみんなに迷惑をかける、それが苦痛で生きるのが辛いと
思ってしまうのです。
いっそのこと誰かに頼って大声で泣ければ、心が軽くなったのかもしれません。
でも、心配してくれる人たちのことを考えると、それもできませんでした。
主人の前でも、努めて明るく、痛みも我慢するように心がけています。
だけど、それもいっぱいいっぱいで、心を打ち明けて泣き叫びたい時もあります。

でも、それをしたって、病気が治るわけではないし、死から逃れられるわけでもありません。
だったら、明るく笑顔でみんなに接して、みんなに幸せになってもらいたい。
もちろん、笑顔で過ごせば、わたし自身も幸せな気分になります。
わたしにとって、今の一瞬一瞬が貴重な時間です。
それを無為な怒りや泣き言で無駄にしたくはありません。
子供達が、わたしの姿をみて「幸せは自分の内にある」ということを知ってくれたらと願って
楽しく過ごしています。
これからも自分の心の痛みは、自分で消化して、明るく生きたいと思います。

癌がわたしに与えてくれたもの。
それは生きる喜びと、人の幸せを自分の幸せと感じる事ができる、真の強さと慈しみの心です。

生きるという事は、人にとって時に辛く思う事もあるでしょう。
でも、愛する人達がいる。
わたしを愛してくれる、子供達がいる。
正直、彼らといつまで一緒にいられるかと思うと、心が痛みます。
だけど、来てもいない明日を思い悩んで泣き暮らすより、精一杯今日を生きていきたい。
しっかりと地に足をつけて、顎を上げて子供達と向き合っていきたい。

せっかく、神様が与えてくれたおまけの人生だもの。
時に辛い事もあるけれど、めそめそ時間を無駄にしてなるものか!!
わたしにとって、とるに足りない日々の生活が、生きる事。生きていること。

これからも、明るく笑って、死が訪れるその時まで、精一杯生きていきたいと思っています。


わたしが大切に思っているのは、実は、いかに癌と戦うかよりも、いかに生き、いかに死ぬかということです。
わたしが、素晴らしい人生を全うすれば、それがわたしにとっての対癌戦の勝利です。

だから、わたしが死んだ時には、誰にも悲しんで欲しくはないです。
たとえ短くても、わたしは素晴らしい人生を生きた天晴れな女、と笑いながら誉めて欲しいと思っています。