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日
暮里

「全身の細胞は、炎をあげて燃えているか。精神はうな りをあげて膨張しているか。抑圧が爆発を生む。自身を 膨張させることによって現実という透明な箱を飽和状態 にしてやればいい。抑圧を好んで受けにいくのだ。そし て、ぶち破れ。爆発せよ。無造作に神から与えられたこ の平等に残酷な砂時計はなんのためにあるのか。心の地 平をメロンパンの様に膨らませて膨らませて遥か彼方ま で爆発しろ。紆余曲折オーケー、バット退路はない。進 め。爆発をくりかえし。愚かなる道をただ進め。そのと き、君は最も美しい。」  昔の学者が書いたであろう学術書「感情数学論」の一 説を読み、ベルナイズは拳を握り締めた。そしてその拳 を自分の顔面に叩きつけた。「俺はッ!俺は何を求める んだッ!何を!」頭蓋骨を揺さぶる衝撃。そこからこぼ れ落ちてきた答え。「ああ…ただただ、この世で最も長 い長靴をつくりたい。ロング・ブーツ? ノー。ザ・ ロンゲスト・ブーツ・イン・ザ・ワールド!」万里の長 城を思わせる長さの…長靴! 理由はなかった。それを作 り上げたとて、そこに何があるかはわからなかった。し かしベルナイズはジッポライターの石を作る内職を辞め て、そこで貯めた金を全て投げうち長靴の材料を買った。 紙粘土だ。最も加工しやすい素材として紙粘土を選んだ。 履き心地? 問題はそこじゃない。長靴の長さが最も重要 なのだ。紙粘土どんとこいですよ。買い手がいっこうに つかないと思われるさびれたニュータウンのだだっぴろ い土地を作業場に選んだ。1日に6メートルのペースで 長靴を伸ばしていく。ぞくぞくする背中。イエス。この 感覚は間違いじゃない。途中、どしゃぶりの日があり、 雨により紙粘土がドロドロに溶けて全てが無に帰した。 ベルナイズは唇をちぎれるほど噛みしめ男泣きをした。 しかし情熱は雨でも消せなかった。「愛してるぜ、ファッ キン・クソビューティフル世界!」翌日から雨を避ける ためのシート持参。完璧。そう思った矢先、ガムをくちゃ くちゃと噛む6人の小学生に囲まれた。「おっさん、き もちわりーな。なにしてんだよ。」「ふふ。万里の長城 顔負けの長い長靴を、な。」この変態ギネス野郎となじ られたあげく、紙粘土長靴ともども徹底的に足蹴にされ 唾を吐きかけられた。日が暮れるまでスタンガンを当て られた。ジーザス。ベルナイズ・ロッド・ハイズマイズ。 彼は4年後、作業中の過労で死んだが、その死体を焼い た火葬場は爆発した。


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