第
十
一
話
君もおいでよ
ゲルニカ・タウン
真っ赤な川に浮かぶ街。君もおいでよゲルニカタウン。
ここ、ゲルニカタウンには、愛以外の全てがある。
人間のクズがごったがえし、絶望的な活気に満ち溢れ
ていた。
ピコル君一行は一息入れるために、市場をぶらりぶら
りとぶらついた。
商売人たちの威勢のいい声が飛び交っている。
「安いよ安いよぉぉ!イカの塩辛で作った金剛力士像
安いよ!御利益あるよ!」
「本物!プラダのネジ!」
「ウサギ殴り、一発500円!!」
「お兄さんお兄さん!一日5分の努力で、みるみるう
ちに二重まぶたになれる!
計算ドリルあるよ!」
「寄っといで寄っといで!いい娘いるよ!瀕死だけど
!」
「猫舌ありまーす!先着20名様に既得権プレゼント
!」
「源氏物語の新刊出たよ!」
「ツチノコいるよ!2万匹くらい!」
「カレーライスの生写真あるよ!モザイクかかってな
いよ!ルーが丸見えだよ!」
キョロキョロしていた三人の前に、名医がふらりと現
れた。
「診察一回50円だよ。どう?」
フィッシュボーイは、少し熱っぽかったので、50円
を渡した。
お、お願いします・・・。
すると医者は聴診器を自分の鼻の穴にねじ込んだ。
「うぅ・・・む。」
「どうでしょうか、先生。僕の体、どっか悪いとこあ
りますか?」
「あるよ。顔と頭が相当悪い。あと、人生観が甘い。
しかもなんか・・・人間として許せない。」
「本当ですか?」
「本当。っていうか、なんだろう。
存在感がないし、女にも一生モテないね。その服も似
合わないし臭い。」
「どうしたらいいんでしょうか。」
「寝ろ。とりあえず。あと、一日三回、レバーを食べ
て号泣しなさい。
その後で、振り向きざまにサティスファクション!」
「サティスファクションッッ!」
いいぞ、その意気だ。と言って医者は去った。
するとどこからか歌が聞こえてきた。
ドンツクドンツクドゥンドゥンドゥン・・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「♪ゲルニカタウンのテーマ
〜う、う、あ、全身が心臓になったみたいに脈打って
るんですよ、
ほら、コメカミのところとか特に〜」
あれ?その、鼻から出てる赤いのって・・・血?
オシャレだね oh yeah !!
あ・り・え・NAI
あ・り・え・NAI
君の気持ちが、わ・か・ら・NAI
メールの返信、ZEN!ZEN!こ・NAI
あの時の笑顔は何だったの?
あ、あれカネめあて? いやちがうカラダがめあてだ
ったんだ
そうなんだおれしってるんだ おれのナイゾウをバイ
バイしようとしてるんだぜったい
そうだよきっといまもマドのそとからおれのことみて
るんだろ
やめてくれよ、あっ、だれだ!だれだそこにいるのは!
LaLaLa・・・
バイ・バイ・買・売・マイガール
YOU・体・離脱さマイガール
ドンツクドンツクドゥンドゥンドゥン・・・・
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
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