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第四話 t
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この場所になにかが起ころうとしている。僕たちには 時間がない。 ピコル君とフィッシュボーイはサイバータクシーにア クセスし、目的地を告げた。 「黒田五右衛門のところへ」 運転手は一瞬うつむいたあと、大胸筋をピクピクさせ た。そしてアクセルとブレーキを同時に、思いきり踏 んだ。 サイバータクシーは箱型からネズミ型に変形し、もの すごい速さで、そしてものすごい異臭を放ちながら、 空へと浮上した。 デビッドマンズ・ハイウェイを軽快に飛ばすサイバー タクシー。風景が窓に溶けていく。 この先、脱臼街 見たこともないような大きなティッシュに、豚の鼻血 でそう書かれていた。 セーラー服を着た老婆がそのすぐそばで、手を振って いた。地球上ではありえないぐらいの笑顔だった。 「脱臼街?ちょっと運転手さん、方向がちがう・・・。」 フィッシュボーイが言うのとほぼ同時に、タクシーが 止まった。 「…猫を殺して五千円。チクタクポーズで六千年。七 つ道具を八つに増やす・・・」 運転手が異様な歌を歌いだした。呪文のようだ。する とアレヨアレヨと言う間にピコル君とフィッシュボー イのアゴがしゃくれ出した。 「うあ、うあああ。」 フィッシュボーイは必死になって股間をガードした。 (原始的な方法だ。) しかしそんなことは無駄なことだと思ったピコル君は、 運転手に向かって送りバントのサインを出した。 スクイズだ・・・田村・・・お前のことをボロ雑巾の ように捨てた女にスクイズを決めてやれ・・・! そうだ、田村、スクイズで女の体をスクイズするんだ! いや、むしろスクイズだ・・・! 運転手は白目をむいて、地面を掘り始めた。 「甲子園の土を持って帰らなきゃ・・・。持ってかえ って、病気のおばあちゃんに食べさせてあげなきゃ・・ ・!」 その隙にフィッシュボーイが、運転手の頭からハチミ ツを浴びせ、大量のカブト虫を放った。 ぎゃああああああ!!! カブト虫が運転手の全身に吸い付き、ゆっくりと死に 至らしめる。 「ピ・・・ピコル!お、お前が黒田様にかなうと思う なよ・・・ぐ・・・。特別区から出ることさえできん さ。」 ピコル君とフィッシュボーイは、運転手をバックに、 デジカメで記念撮影をしている。 「ピコル。なぜ、お前は黒田様に歯向かう。お前は何 がしたいんだ!」 ピコル君は振り向き、運転手の頭にボウリングの球を 落として、言った。 「SEX IN THE SKY.」