ひと夏の思い出をココに…
「迷走」特別版レポート
剛様
〜Go Summer〜
8月某日〜
それはバイト先の先輩の一言から始まった。
「なあ剛様って祭り知ってる?」
「は?Go Summer?花火大会ですか?」
(つーわけでサブタイトルは俺の聞き違いなだけです)
「いや、伝統的な祭り。」
「へー知らないです。」
「だろうね。」
よくよく話を聞いてみると
どうやらその祭りはかなり特殊な祭りらしい。
岡山県のとある村でその隣村に住む友人すら知らない
小さなお祭り。
それなのになんだか
変な方向に気合が入っているんです。
まず、
出店が一つもない。
なぜなら祭り自体が15分〜30分で終わるものだからだとか。
(祭りじゃねぇ!とツッコミたかった)
たった一つのイベントだけでそのお祭りは成立しているらしい。
一体何だろうそのイベントって…
聞くところ
いわゆる鬼ごっこらしい
ただし
半端じゃなく気合の入った鬼ごっこらしい。
鬼役の「剛様」はなんと
爺さん
らしいです。
(大丈夫か?)
そしてその爺さんは「剛様」の始まる
一週間前から座敷牢に入れられ
食事は1日1回の精進料理
前日にいたっては食事すら与えられないのだそうで
(人権侵害も甚だしいような気がしますが)
そうすることによって
神通力を得、祭りにおいて
後2年以内に死ぬ人の
頭の上に「光る赤い玉」が
見えるようになるのだとか。
(この時点で既にヤバイって!!)
そして、「剛様」は後2年以内に死ぬ人を見つけそれを捕まえるのです。
捕まった人はお祓いを受ければ死を免れるのだそうです。
以下は先輩との会話
「へーなんか面白そうですね。」
「そう、面白い。でも簡単に考えてると痛い目にあう。」
「へ?」
「去年行って来たんだ。」
「どうでした?」
「実は俺の隣の若い男の人が追いかけられた。」
「へーでも若い男の人じゃあ捕まらないでしょう?」
「いんやすぐ捕まった。」
「え…?だって爺さんなんでしょ?」
「いや、こっちに向かって来たとき俺は『剛様』だと思ったね。
あれは人間のレベルを超えた足の速さだ」
「まぢですか…」
「ああ…こっちに向かってきたときは物凄く怖かった。」
「それでその男の人はどうしたんです?」
「逃げまくって神社の境内から飛び出して
崖下まで滑り降りてった。」
「剛様は?」
「もちろん追いかけた。」
「え゛…そっ…その後は?」
「男の人はどうしようもなくなって木に登ってた…
もちろん剛様も登って捕まえたけど…
まあ始まった直後に
神社の屋根に
駆け登ったぐらいだから登るだろ」
「すご…」
「大体1人当たり5分ぐらいで捕まるよ。毎年3人くらい捕まるみたい。」
「ってことはやっぱり15分ぐらいで祭りは終わるんですか…」
「ああ…」
…なんかめちゃくちゃハードです剛様。
そして行って来ました
「Go Summer(違)」!
といっても初心者用なので…
そう実は「剛様」は2ヶ所同時開催で
初心者用と本当の剛様に別れているのです。
初心者用(?)は、まだ普通のお祭りと変わりはなく
(といっても出店は一つもありませんでしたが)
小学生やら子供がいっぱいいました。
あのですね…なんか俺
ホンモノの剛様なら追いかけられていたような気が
するんです。
そんな気がするんですよ、ホントに。
それで、
先輩がどうやら俺に対して気を回してくれたみたいで…
いやっ!あのっ…心配してくださって嬉しいんですが
何もそこまでしなくても(泣)
まあとにかく初心者用の剛様は
追いかける速度は
遅くて絶対に捕まらない
けど
なかなか楽しかったです。
まあ
捕まるとお祓い料¥7000取られるので必死で逃げましたけどね!!
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