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SWAN SONG 総評
  

タイトル

:

SWAN SONG

メーカー

:

Le.Chocolat

原画

: 

川原誠

シナリオ

:

瀬戸口廉也

システム

:

CG鑑賞 音楽鑑賞 シーン回想 
ディスクレス起動可 

 


■総評 


-シナリオ 90点-



※プレイ時間
初回プレイ時間は10時間前後 二周目もありますが、おまけ程度と考えてもらっていいかも?シナリオ的にも自分は一周目が好きだったり。
しかし、かなり濃い10時間を味わえましたね。テキストの引き込む力は強く、時間を忘れて没頭してしまいました・・。




※中身について

-極限状態の中でこそ見れる人間の醜さと美しさ

話としては世界滅亡系の話なので、とにかく重たいですねぇ。

クリスマスの日に突然大規模な地震が起こって
・・・救助は来る配は無く、食料も有限、しかも豪雪という最悪のコンディションの中でも生きようとする人々。

被災者は自然と集まり、共存生活を始める。


しかし、共存生活するにあたってリーダーや決まり事を決めて組織化をしないと・・・・・
だけれども人が集まるということは思考の違いや衝突が発生する訳で。内部でのいざこざも起こり始めて・・。


そうした極限の生活を強いられた人々を使って描かれる「生の意味」や「ルール」。


何故人は生きようとするのか?

法律という絶対的な物が無い中で、人はどう生きるのか?



守るべきモラルも無い極限の生活だからこそ、見える死生観や人の醜さ がこの作品には嫌というほど詰め込まれてますね。





徐々にルール(法律)という人を無意識のうちに縛っていた物が薄れ、無くなった時こそ・・・見えるものがある。
そして描かれる人の剥き出しの心。


人はそれぞれ醜い感情を持っているが、それとどう向き合い、付き合っていくかが大切なんですよね。
今作で様々な人の心の形や向き合い方を見ることができます。


・最初は生きる為に仕方なく殺し、善悪の葛藤に悩んでいた人がいた。

・一方で最初から「最後ぐらい楽しもう」と欲望に身を任せる人がいた。


そんな人達が皆一様に堕ちていく様は圧巻でしたね。
絶望的状況は人をこうまで変えてしまうのかと・・。


負が負を呼ぶといいますか・・・なんというか。



そしてそれぞれを、醜いと思うか美しく尊いと思うかはプレイヤー次第ではないでしょうか。
(最後ぐらい楽しもうというのも、また人間らしい考え方じゃないでしょうかね。自分は受け入れられませんが。そもそも、何が悪かとかもルールの上で成り立ってるものですし。)




とにかく、こういう人の本質について描いているシナリオ ですね。
それに伴って狂気的な面や残虐性が有り、刺激的なシナリオとなってますのでその点は注意を。
・・・・プレイ後の虚無感は異常OTL 

逆に言えば、コレらを許容できるか否かで評価は変わるかと。







・・・・ちょっとコレだけじゃどんな作品か伝わりにくいと思うので、本作中の言葉を抜粋してみると。


※とある男の台詞 
(本当はもう少し長いです。一文でマジでこれぐらい)

「飯を食って働いて、寝て、働いて、働いて働いて、寝て起きたら働いて、休日は一日中寝て。馬車馬みたいに休むことなく四六時中働いていたさ。家族への愛のためにね。もっとも、その家族はもういないんだが。会社ももう無いさ。当時は随分苦しく思ってたものだが、今思うと、アレは一体何だったんだろうねアハハ!!」
「教えてくれ学生さん。私はどうしてここに生き残ってしまったんだ? やるべき仕事も無い、愛する者もない、欲望もない。ただ生きているだけさ。生きて自由なだけさ。生きていたってしょうがないさ。かといって全然死にたくないんだよね。」




※また違う男の台詞 

「俺、今の世の中が好きさ。いつも何かに守られてる人は分からないだろうけど、世間ってね、永遠に終わらない椅子とりゲームをやらされてるようなもんなんだよね。
椅子を奪い合い、座れないやつから、一人ずつ脱落してゆく。嫌なやつがいなくなって、いいやつばかり残ったとしても、そこから更に椅子は抜き取られる。
結局最後の一人になるまで辞められないんだよね。むごい遊びだよね。過去を思い出せば振り落とした人たちを思い出して暗くなるし、未来を想像すればこれから蹴落とす相手のことを想って辛くなる。俺は、いつも椅子に座れるか座れないかギリギリのところにいたからね。色々見てきたさ。自己弁護するわけじゃないけど、他人なんてどうでもよくなるよそれじゃ。
でも、今は全員が強制的に極悪な椅子取りゲームをさせられてるみたいで好きさ。平等みたい。」








こんな感じで、本当心に来るものがありましたね。









一方個人的に残念だと思った部分を一応挙げてみると・・・



☆テキストが一部くどく感じてしまう
くどいというより表示方法の問題なのか・・・・?

画面一杯にテキストが表示されて、読むのがとにかく大変なことがしばしば。
一人の一息分のテキスト量が多いんですね。 上の台詞抜粋で書いた量が頻繁に出てきますので。

目が疲れてしまったw 言ってる事は面白いんですけどねぇ。もう少しまとめても良いのでは?と思ってしまう。
・・・まぁ、自分のワガママですかOTL





☆残尿感的なものが残る

どうしても、この震災は何だったの?などの疑問が残ってしまいましたねOTL
そういう舞台や人の説明は最低限しか書かれてないので。

書いたら書いたでリアリティの欠如などしてしまいますし、仕方ないことだとも思うのですが・・・。
個人的には気になってしまいましたOTL





・・・・とまぁ、面白いシナリオであることには変わりませんがががが。
ルールや人という物を改めて考えさせられ、法律というもののありがたみを実感できましたし(ぇ

そもそも、モラルや道徳なんて平和で自分に害が少ない世の中だからこそ守れるもので、ある種矛盾したものなんだなと。
そしてそれが守られる程度の水準にある社会というのは平和なんだなぁ・・としみじみ。


実際にあんな場所に放り込まれたら、自分もモラルなんて捨てますよきっとw












-グラフィック 85点-


この人の絵の作品って今までプレイする機会がなかったのですが、中々良いですな!
最初は取っ付きにくいなぁ・・・とか思ってましたがw

慣れると本当素晴らしいです。肉感とか(ry


ちなみにグラ枚数としては普通〜やや多めかな?カットインのグラフィックが多めなのは◎
臨場感を出すのに一役買ってましたね〜!


背景CGの退廃感も中々素敵でしたハイ。










-システム 70点-

スキップ速度は早いですが、お世辞にも良いシステムとは言えないかも??
とにかくテキスト表示方法をもう少し工夫してほしかったかな・・・。

せめて改行とか・・・。


とにかく見づらい部分が多々あって、この部分は残念でした。


しかし、タイトル画面の懲りっぷりは好きですよw







-
サウンド 95点-

やはり極めつけはOP曲でしょう・・・。
なんですか、この神々しい曲は(涙 

この作品にぴったりですよね。人に慈悲あれ・・・みたいな。

日常BGMも素晴らしかったですが、曲に関してはOPの印象が強すぎるw



そして声もかなり良いんです!
というか素人目(声優に疎い自分)からしても熱演してくれてるのが伝わるほど。


主人公がフルボイスってのも珍しいですよね。
でも、この主人公は声有りで本当に良かったかと。声無しで感情移入を促させる必要もない作品ですしね〜。











-萌え度 50点-


正直、んなもん感じてる暇が無いです(汗


どんな鬱ゲーをプレイしていても萌えれる余裕みたいなのがあるのですが、今作は・・・。
一応日常シーンもあるにはありますがOTL


あえて言うなら、あろえの声?w


まぁ、個人的に一番の萌えキャラは主人公の司ですけどね(ぇ
や、美形だし格好良すぎるだろぉおおアすぇdrftgyふじこlp;@:







-エロ度 60点-


エロシーンは最低限ある感じという印象でしたw


舞台が舞台なので凌辱とかもあるので、苦手な方は注意かな〜。
ただ理不尽な凌辱では無い・・・というと違和感が有りますが、別に許容できる範囲かと思います。

萌えゲーで突然凌辱されるのとは訳が違いますしねw



ちなみに、尺も描写も濃くなくアッサリ目です。


作品の雰囲気的にエロにも期待してる方がいるかもですが、その場合は注意したほうが良いかもw











-私的総合得点 87点-


万人にお勧めは決してできないが、鬱耐性がある人は是非!



とにかく重たい話で合わない人は合わないと思いますハイ。
しかし、重い話が大丈夫な人にとっては素晴らしい作品になるはず。


例え素晴らしい作品とまではいかなくとも、エロゲーライフに一石を投じてくれる作品には間違いないかと。



この醜くも、何処か素晴らしい死生観を是非体験してほしいところですわ〜。
(躍動感溢れるキャラ達と言いましょうか・・。筆舌しがたい魅力が確かにありますよ。なので私的点数も合計を加味しないでこれぐらいでw)



次回の萌えゲーの為に一息付けよう・・と興味があったこの作品を買ったわけですが、貯蓄していた萌え分が見事に全て吹き飛んだよHAHAHAHA!!





さて、とりあえず次は用意しておいた萌えゲーをプレイするかな(ノ∀`)
これから購入を考えてる方も、アフターケア用のゲームを確保しておいた方が良いかもしれませんw








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