特別編
「割れたカウルをなんとか見れるようにしよう」
納車直後にハイサイドで大破して以来、
地道に部品を替え、運良くマフラーにリコールが出て
ようやくおよそ新車らしい外観になったマイティフロッグ号(ZX636B)。しかし、その翌週に悲劇はまた起こった。
免許取り立てを含む元同僚の数名とツーリングに行き、
そろそろ疲れが出る夕方、しかも1台が消えるという状況で傾斜のついた駐車場に停めて相談してた時。「あ!」と1人が叫び、振り向くと、
駐車してあった免許取り立ての中古バンディットが勝手に動き出した。
斜面に加え、スタンドが歪んでいたのが原因だったようだ。そして、当然、倒れた先には我がマイティフロッグ。
ガシャ。
「・・・・ぉぉおおおおお!!!??」
新品になり、輝いていたマフラーに!
唯一ダメージを受けていなかったサイドカウルに!
(ついでにクランクカバーにもちょっと)まただよ!なんだよ!神は俺に奇麗なバイクに乗るなと言うのか!
・・・。
つーか、俺のせいではないし。はっきりいって、頭来ちゃうし。
サイドカウルは5万円ちょい。マフラー約7万。
使えなくなったわけじゃないけど、
俺に落ち度のない傷だ。弁償してもらおう。・・・と、他人が相手なら主張したところだが・・・。
まあ、あまりにも高いし。サイドカウルは、虫や石でついた小傷はあったし。
その他、相手の人柄も含め、諸々を瞬間に熟考して、
とりあえずは、「いいっすよ、ツーリング中の同士打ちは請求しない慣わしです」とした。
なんて心の寛いことか・・・。
まあ、過去には俺も仲間に突っ込んで中破くらいさせたことはあるし・・。しかしなあ。
せっかく奇麗になったと思ったのになあ。
と、ゲンナリな気持はどうしようもない。
そこで後日、ネットであれこれ調べ、自前で補修してみることにした。
まあ、目立つ場所ではないし、ある程度ごまかせば・・・。前置きが長くなった。
そんなわけで、カウルを直すぜ。編。
まず、マフラーについてだが、これはライコランドで500番、800番、1500番の耐水紙ヤスリ(各150円前後)を買ってきて磨き、ピカールで磨いたらきれいになった。擦れと塗料の付着がメインで、凹んではいなかったから良かった。
※ピカール:これで磨けばすべてのものが輝く魔法の液体。実はかなり廉価な研磨剤。もうちょっといいものがいっぱい売ってるので、買うならその方がいいのかも。クランクカバーには、カウルの塗料が付着して目立っていたので、これもピカールで研摩して落としたら、なし地だったのがツヤツヤになってしまった。が、こびり着いていた塗料は落ちたし傷も目立たなくなったからいいか・・・。
本来は、ブラシで落とすべきだったかなあ・・・。では、問題のカウルについて。
[被害状況] 右サイドカウルやや下の縁にヒビ。一部潰れて変型。冒頭の写真だ。 左の写真は、外したカウルの中にいた芋虫だ。あまり関係ないな。 |
被害箇所を内側から見たところ。 それに、ふちのラインが変型してるので、小さい割に意外と気になる・・・。 |
[道具] 今回、コストを抑えたいので、極力家にあるもので直す方向にした。 左から、パテ(640円)。 あとは万能ツール(ヤスリだけ使用)、プラモ用のニッパーとカッター(田宮ブランドだ!)、そして中学技術家庭で作ったハンダごて。と、こてを置く灰皿。 やけどと火事に注意してゴー!だ。 |
[どこかのサイトで発見した工法] その名も「ABS溶着法」だッ!・・・純正カウルの素材はABS樹脂。これをハンダごてで溶かして溶接する。溶かし過ぎに注意してヒビの両側の樹脂をこねてくっつける。 |
おもてからもちょっと補強。 ちなみに、溶接前に、ヒビがぴったりとくっつくように、破断面をちょっとカッターで削った。そのままだと変型もあってうまく噛み合わなかったのだ。 まあ、なんにしても、これでとりあえずヒビはくっついた。 |
相手のレバーか何かがぶつかって潰れた凹みと、ヒビ部分にパテを盛る。「うすづけパテ」だった為か、凹みが意外と手強く、3回くらい盛り直した。 パテに先立って変型して出っ張っていた部分はニッパーで切ってしまった。 で、パテで埋めてから、ヤスってもとのふちのラインに合わせた。で、さらに、マフラーで使った紙ヤスリで表面をならしたところ。 |
タッチアップペイントで塗る。あとでまた研摩するから、何度も重ねて厚く塗った。 しかし・・・「ライムグリーン」なんだけどさ・・。 で、案の定、塗った色はやや薄い。まあ、これはとりあえず仕方ないか。 重ね塗りは、乾燥を待つのが面倒なのでドライヤーで乾かしてやった。 |
で、また紙ヤスリ(1500番)で削って平らにし、さらにピカールで磨く。 どうよ? なかなかいいじゃない?ページ先頭の写真と比べてみてくれよ。 これで塗料の色さえ合ってれば・・・・。 まあ、実際にはやや低い位置で、目立つ場所じゃないし、これくらいしておけば通りすがりにはまず割れてたとは気付かれないだろう。・・・及第点ってことで。 一応言っておくと、俺はけっして手先は不器用ではないと思うが、気持的に細やかさに欠ける部分があり、こういう作業は得意ではない。 でも、この方法はハンダごてさえ持っていたら結構かんたんだった。ちょっとした割れにはお薦めかも知れん。 そうそう、結局買い足したタッチアップペイントも含めて材料費は1800円くらい。一応、やってくれたヤツに持たせた帰りの飯代(+食後のデザート)で賄っておつりが出たか・・・。 それでも、本当に他人だったらウン万円は請求してるからな。 |