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新・漢を磨け!俺の修行日記 -#3 Reminder-

さて、野暮用も(いや、野暮でもないのだけど。ここではバイクに無関係なことはすべて野暮用と表現しとく)片付いて迎えた土曜。反省と後悔の日々はそろそろお終いだぜベイビー。ってことで、今日は修行計画の実践に移るのである。

さて、今日の修行メニューは・・・「乗り方に気をつけて、トミンサーキットで練習」。

・・・ええ、前回思い切りハイサイドを起こした場所ですが。
やがて来るであろう漢勝負の舞台でもあるワケで、やはり、そこは実地での練習がもっとも有効であろうと。
修理で経済的に衰弱の著しい俺だが、トミンのフリー走行は3500円(3時間)。一週間節約している昼飯代で賄えよう。
そして、これが俺の「新・漢を磨け!俺の修行日記」たる所以なのだが、毎回、明確な目標を持って走りにいくことにした。そう、だからSVの頃の日記サブタイトルから「単発」を除いたのね。
場所柄、「梨本塾」での知り合いに会う可能性もあるが、基本的に独りでやるから、タイムはわからん。6Rにはストップウォッチが装備されているが、トミンのコースは忙しすぎてLAPボタンを押すのも楽じゃない(ちょっと遠いんだよグリップから)。
なので、当面はタイムは気にしない。どうせ計れないし。速く走ることより、技術的な向上を目的として走る。もちろん、それが結果的には速さに繋がる筈だからだ。
残念ながら教えてくれる先生はいないが、いままで梨本塾で見た速い人の走り、受けたアドバイスを脳内メモリーの深部から呼び出し、雑誌などの記事の記憶を参照し、先日入手したライテク本、「タイヤの科学とライディングの極意 BY 和歌山利宏」の記述を頼りに、走りの質的改善を試みるのだ。
そう、バイクの乗り方についてはなぜか気合・根性の精神論先行になっていた俺だが、本来は理系の理屈型志向である。新たな技術の習得には理屈から入る部分もあって然るべきなのだ。

さて、心配していた天気もギリギリ持ちそうだ。しかし当日、出発前にやらねばいけない最後の準備があった。
修理したカウルを、壊れたものに戻すのだ。もう転倒する気はないが、万一のことが無いとは言えない。まだ変わったのはせいぜい気分だけで、技術は何も進歩してないのだから、これまでの俺の歴史からすれば、またいつ転倒するかわからん。また壊したらマジでバイクに乗りつづけることさえ困難になって来る(経済的に)。なので、修理の後、破損したフロントとリアのカウルを引取り、工具も調達しておいたのだ。

まあ、小1時間でできるだろー、と思って10時頃から作業開始。まずリヤカウル。タンデムシートを外し、ネジを一本外すと、シートを止めているステーが回転してシートを外せる。あとは、カウルを止めているネジ2つとピン6個を外してパカっと。簡単だ。
そして、フロント。これがなかなか手間取ってしまった。予想外に、ライトのユニットも一緒に外れてしまったからだ。どうしようか悩んだが、フロントカウルは大事なのでやっぱり交換しておくことにした。よく見てみれば、さほど複雑でもなかった。
問題はカウルのミラーを取り付けるべき部分が折れてしまっている為、ミラーがちゃんと付かないということだが、俺は右に転倒することが多いので左側だけにしてしまった。で、カウルの代わりに右用のゴムブッシュを挟み込んで左のミラーをメーターフレームに直接装着。
欠けて削れたカウルを纏い、6Rは再び転倒後の痛々しい姿に戻った。ただし、サブフレームは交換されているので変な捩れはない。
それでも、この姿を見ると、転倒のことが生々しく思い出され、己の未熟さに身が引き締まる思いだ。うむ、修行の身にはこのくらいの方がお似合いだろう。
・・・フレームスライダーはまだ生きてるので、これで、よほど派手に転倒しない限りはたいしたダメージは受けない筈だ。そのうち、自分の走りがもう少し安定して来たら、またカウルを戻そう。

カウルをバキボキのに変えたので、リヤシートに多少の擦り傷が付くのも問題なかろう、ということで、今回はツナギは着て行かないで持っていくことにした。考えてみれば、以前に塾のBクラス入賞で貰ったデカいバッグがあるではないか。
ツナギはちょうどよくそのバッグに収まった。バッグをリヤに括り、ツナギ用のメッシュインナーの上にジーンズとTシャツを着て出発。インナーを着てると、ジーンズも脚にくっつかなくて楽だ。これはいいかも知れん。

カウル交換に手間取ってちょっと出遅れてしまった。13時の走行開始には間に合わないな・・・全開で行くか?
しかし、まあ力み過ぎも良くないからな。少し落ち着くようにしなくてはいけない。俺はテンションが上がると視野が狭くなるタイプみたいだからな。

いつもどおり、外環大泉から三郷、常磐道で土浦北へと向かう。後ろに荷物を積むのは久しぶりで、飛んでかないかと何度も気になったがまあ問題なかった。一応、大泉のNAP'Sでゴムを買い足して2重にしといたし。
Tシャツがバタつくのであんまり飛ばさなかったが、時折気まぐれにいいスピードまで加速しつつ高速を走る。と、以前は、高速も道路の継ぎ目でもリヤタイヤが一瞬浮いて空転することがあったのだが、それはなくなっていた。ハンドリングもしっとりしている気がする。気のせい?いやいや、サスの設定方向が間違っていなかったと捉えておこう。ベストかどうかはともかく、ベターにはなったんじゃなかろうか?

走行時間は13時から16時の3時間。しかし、到着した時点で既に14時だったので、実質的には2時間しかない。
受付小屋に行くと・・・無人。まあいいか。帰りには誰かいるだろうからそん時に金は払おう。(実際、帰りに会計したら、お金は後になっちゃっても問題ないのだが、誓約書だけは走行前に書いて置いておけと怒られた。そりゃそうだな。気をつけよう。)
今日は天気が悪いからか、コースには4台程度しか走っていないようだ。

さて、まずその場でツナギ・・・いや、「アタックスーツ」に着替え、しばらくコースを眺めてから走り出す。人とは競わない。改めて頭の中でそう念じ、コースに出た。競争心を捨てたわけではないが、いずれジョニーに勝つために、今はその場の競り合いに没頭してはいけないのだ。

まず、今回試そうと思ってたことのひとつを試す。つまり、ハングしてる最中にタンクにへばり付かないよう、上体を起こすことだ。例の本には、「首根っこに紐が付いてて、それでイン側から振り回される感じ」みたいなことが書いてあった。難しいなオイ。しかし、なるべくそれをイメージして、今までより体を起こす。起こすというのは、深くバンクしてる状態では内側に持ってくということだ。
なかなか思い通りにはいかないが、確かにこの方が旋回は鋭いようだ。ただ、まだフォームが不安定なせいか、切れ込み過ぎてしまうこともしばしば。そして、ひとつしかない左コーナーの方が圧倒的に安定して旋回できていることも気づいた。
利き手の問題やバイクの左右非対称な操作系の問題から、およそライダーの多くは左コーナーの方が得意だと言うが・・・どうなんだろう。確かに体の感覚も違うのだが、このコースにひとつしかないキツい左コーナーは、俺が唯一、安定して同じラインを走っているコーナーだ。コースレイアウトの都合でそうなっている感があるが、それが結果的にいいのかも知れない。つまり、やはりライン取りの問題もあるんじゃないだろうか。

コーナリングのフォームは、理想には程遠いがいくぶんかはマシになったと思う。が、ちょっとペースを上げると、すぐに力んで元のタンクにへばり付いてケツだけで重心を動かすフォームに戻ってしまう。とりあえず、フォームの改善が身につくまでは、意識してそれが持続できるゆとりを残したペースで走らねばならないな。

更に、今度はそのヌルめのペースでライン取りの考察に入った。とりあえず、ここでの俺の転倒の全てが発生しており、いつも失速している最終コーナーが課題だ。
若干ゆとりを残したペースで走ってるが、そのペース相応の範囲で考えても、俺の最終コーナーは失速している。
ここは、直線からわずかに左に膨らんで、それから右に旋回してホームストレート(100mのね)に出るのだが、右旋回の途中で失速しきって、イン側に寄りすぎてしまい、出口付近の路面の荒れたところに乗ってしまう。しかも、縁石ベタベタで旋回するので、出口でまだ旋回中であり、アクセルを開けるのが遅れる。
まあ、切り込み過ぎ、減速し過ぎであるならば、と少しずつ、最大減速する点をコーナーの奥、外側に移動させて行く。
と、あるところで、旋回して立ち上がると、ちょうどいつも踏んでいたコーナー出口の荒れた部分の外から、その先の縁石を掠めて直線的に立ち上がれる点があった。
これだ!速いヤツらが通ってた場所はここだった筈だ!・・・と喜んだが、どうも4回に1回くらいしか同じ場所を走れない。ペースを少しあげるとすぐ乱れるし。まだモノにはならないが、一応の目標とするラインは見えて来た。うし。
それと、たまにいいラインが走れたことで、自分がなぜ失速するかの問題もわかってきた。つまり、最初左に振れるところで減速して、その語に右コーナー奥に向かって減速、と別々のコーナーのように捉えていたこの2つは、1つのコーナーと見立てて扱うべきだったのではなかろうか。

そう言えば、塾参加時にも、つながりが大事だとか、ひとつひとつのコーナーを個別に攻めるのではなくて、前後のコーナーとの連続で捉えろ・・・的なアドバイスを受けたような。
無視してたつもりはないが、俺はいったん変な思い込みが出来てしまうと、飲み込みが悪い傾向がある(単語で言えば「頑固」)ようで、いまさらになって「もしかしてこの事を言ってた?」と思い始めた。・・・なるほど。

なんにせよ、やるべき方向性は見えて来たと思い、調子に乗ってペースが上がり走りが雑になる度に意図的にかなりペースを落として、安定した走りができるように努める。
この日は前日の雨でコース横の土手から水が湧いていたり、泥が出てたり、オマケに誰かが転倒後に撒いたらしい石灰が濡れてぐっちゃりと固まっている場所が2箇所ほどあったりと、路面状態は悪かった。しかし、そういったあからさまに滑りそうなポイントがある(実際、水はコースを横断して流れているので、旋回中に踏まざるを得なく、そこでは何度か滑った)ので、グリップ感覚に意識を集中することが多く、気は遣うこととなったが練習としてはよかったかも知れない。

2時間の中では、霧雨が降ってきたりもしてちょっと休んだりもしたが、実質で1時間くらい走ったろうか?
何かわかりかけたような、わからないような・・・と微妙な感じだったが、時間が来たのでお終い。・・・初回はまあこんなものだろう。今回の手応えを元に自己分析をし、また来週もどこかで走る。
この繰り返しによるいわば「プロトタイピング」による修行が、俺の作戦なのだ(←たった今思いついた表現ではある。)。

そう、バイクは気合や根性や、まして度胸一発で走るに在らず。危険を伴う行為を、技術を以って制御できるからこそ「スポーツ」で在り得るのだ。・・・・いや・・・・ライテク本の受け売りだけどさ。

今回は、体の使い方とかラインに気を遣うために、2速と3速で走った。これだと回転が低いのでコントローラブルだが、出力の高い回転域を使ってないので一定以上は速くならない。しかし、もう少し、改造した走り方を体で覚えてから、1速、つまり全開を使うようにしよう。
次回の後半には試せるといいが・・・それでまた自滅的な走りに戻っては元も子もない。地道に修行あるのみ・・・。

限りなくひっそりとコースに復帰を果たしたガイとZX "グリーンホーネット" 6R。劇的な進化を果たしたければ地道な下積みが必要だという当たり前のことを、遂に認めた「俺様野郎」の前途は・・・・?

追加:
その後、例のライテク本を読み返してて、どうも気になることがある。「外足荷重」というヤツだ。とにかくこれが原則らしい。実際にはそんなに荷重がかけられるわけではないらしい(角度や体勢その他の都合で)が、それでも、ちゃんと土踏まずあたりをステップに載せるべきとある。 だが、先日も、俺は思い切りハングオフすると足があんまり届かなくてつま先を載せた状態になっていた。走りながら、「アレ?これでいいのか?でも届かないものは仕方ないし・・・」と思っていたのだが・・・。やはりダメっぽい。
本だけではアレなので、掲示板なども見てみたが、同じようなことを言ってる人がいた。レスは・・・それは上体がちゃんとインに入ってないから、腰ばかり移動して届かないのではというような。そして、外足が浮いた分は内足が荷重するので危険とも。
本にも、外足荷重がちゃんとできないとハイサイドを喰らいやすいともあった。・・・ギクリ。
どうも・・・やっぱし、そうなんだ。外足荷重とやらが出来てないのだな、俺は。そしてそれは、上体の重心移動がしっかりできてないせいだと・・・。
オーケイ、来週の修行が楽しみだ。天気も良さそうだし・・・・肩から突っ込む、ね・・・。(TOPへ

ヘルメットには狼のステッカーだが、完全に迷える子羊ちゃんと化した哀れなガイ。
強がっても霧は晴れず、壁にぶつかっては狼狽する日々
・・・嗚呼、彼に再び宿敵ジョニーと相見える日は訪れるのか・・!?