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蛙ノ穴修行日記 - 弐 -

イメージだけでは・・・

どうにもならん・・・。
この日はそんなことを痛感させられる羽目になった。

本当は前週に練習に行こうと思っていたのだが、体調を崩して断念。おかげで、無駄にイマジネーションばかり膨らむ時間ができてしまった。
だが、そうやって考えるのも悪くはないはず。我武者羅に走ればいいってもんじゃないし、「趣味」として捉えるなら、そういうあれこれ悩む時間も楽しみのうちだ。・・・・いや、今の俺はそういう気分ではないんだがな。でもきっとそういうものだ。後になれば、「悩んでいた時期」というのもいいスパイスになるのだろう、たぶん。メイビー。

さて、土曜日。前日のトミンカレンダーでは、午後がバイクで午前が空き。やはり空いている方がいいと思い、午前に予約を入れておいた。
先週、体調不良で練習を断念したが、その代わりに次に備えて各種の調整はやってあった。エア圧は前後2.3kgf。あと、フロントのイニシャルを1段締めるなどしてある(詳しくはここ参照)。

この日は目覚めもよく、爽やかに修行場である蛙ノ穴(=トミン)に到着すると、意外に多くのバイクがいる。予約時では空き表示だったし、ほとんど貸切でやれるかと期待していたのでちょっとがっかりだ。でもまあ、空いている方ではある。

さて、料金を払い、この一週間で無駄にイメトレしてしまったラインなどを確認しつつ開始時間を待っていると、程なくして、TAKさんが現れた。今日は27秒台を出すために来たそうだ。相変わらず、豪華なトランポ(アルファードだっけな?)だ。羨ましい。

今日は天気もよく、11月後半にしては気温が高いが、それでももう冬が近い。コースに入ってしばらくは入念にタイヤを温める。20周ほど、じっくりとペースを上げて行き、それなりのペースまで上げて一度コースを出た。
この時点で、29.6秒くらいまでペースは上がっている。

よし、悪くは無い。
ところで、前回の走行以来、気になっていたことがある。コーナリング中に、内足をステップにどう乗せるかだ。あまり気にしたことは無かったのだが、ふとしたことで気になってしまい、それを考える。まあ、これは、とりあえずは自分で自然と思うのをコレ、と決めてしまえばいいこと。・・・なのだが・・・。
気になり出すとやたらに気になって、他の部分に集中できなくなってしまった。
これは不味い・・・足裏をぺったりと車体につけると、なんだか安定しない気がする。つま先を立てて踵を車体につけると、よさそうなんだが、コーナリング中にステップとケツの間で足がつっかえ棒になっている気がする・・・。
ああ、もうどっちでもいいんだよ、と思いつつも、ああやったりこうやったりして、タイムは上がらない。

参った・・・また俺の考え過ぎ癖が出てしまった・・・。
結局、2時間経過したあたりで、つま先はステップに載せて踵を車体につけることに決めた。とりあえず今日はこれでいい。
そして気合を入れて後半を走るが、どうしても29.4秒あたりから詰まらない。

この日、当初から考えていた事として、ケツの移動量を増やすということもあった。写真やらなにやらを見ているうちに、自分の体の動きが、自分で感じているよりは実際はだいぶ小さいということに気付いたからだ。
これはおよそ、初心者がスポーツをやってイマイチ上手くいかない時にはよくあることだと思う。上級者に「もっと○×△して!」と言われて、自分では「やってるよ!」と思っていても、実際には体が縮こまっているのだ。

自分では、やりすぎだと思うくらいで丁度いいだろう、そう思って今回は、なにせオーバーアクションで行くと決めていたのだ。だが、これもなかなか・・・よく曲がれた、と思うこともあるのだが、変に力が入って上体が固まり、かえって曲がらなくなることもある。つまるところ、しっちゃかめっちゃかになってしまった。

それでも、途中で引っかかったりしなければ29秒中盤まではコンスタントに出るから、もうちょっと詰まれば8秒台の1本くらい!と思ってキバるも、タイムは29.4秒止まり。

最近、各方面から「立ち上がりが遅過ぎる」と指摘されていたから、そこも気をつけたんだが・・・・。若干早くアクセルを開き、スピードに乗ると1コーナーへの直線で2速に上げる直前にフロントが一瞬離陸することもあった(ウィリーってんじゃなくて)。
おお、カッチョイイじゃん、と自分で思いつつ、そこまで開けていながらタイムが平平凡凡としているのは・・・やはり開け初めがワンテンポ遅れてるんだろうなあ。

実際のところ、周囲と比べても、立ち上がりで前走者との差が開く感はあるし。

・・・で、ムキになって走っていて、前を走るバイクに追いつき、1コーナーで内側に入って抜いた時に、なんか後ろから「キュキュ!」って音がした。・・・何だ?と思いつつ、アレ?と思い目をやると・・・やはり、抜いたバイクが1コーナーでコースアウトして崖を上っていた。
あちゃー・・・。接触したわけじゃないし、自分としてはそんなに無理したつもりではなかったけど・・・。優しさが無かったのは事実かも知れない。今は本気レースや勝負をしてるワケじゃないんだから、もう少し、ゆとりを持つべきだった。申し訳ないことをしたな・・・。
しかし、やはり1コーナーで結構ペースに差のある前走者のインに入る時に、十分なゆとりが取れないのも、俺の立ち上がりの遅さが原因なんだろうなあ・・・。

そんなこんなで、走行時間が終わってしまった。結局、29.4秒止まり。すっかり29を切るつもりで来ていたから、もはやそんなタイムはいちいち記録していない。くっそー・・・。
しかし、今日も途中、妙なことに気をとられたりしてたが、気を取り直した後半に調子が上がっていたのは確か。これでもう一押し・・・と思い、さんざん迷ったが、続けて午後も走ることにした。

午後は、梨本塾の常連も数名現れた。
これはいい。いいお手本が出来た。午後は彼らの後ろに食いついて勉強させて貰おう・・・と思ったのだが、なかなかタイミングも合わず、また結構な混雑もあって上手くいかない。
ちっきしょ、と思いつつ頑張っていたが・・・・さすがに午前からもう200周は超えている。ヘロヘロしてきた・・・。
ガソリンも無くなって来たし、そういえば昼飯を食ってない。
このままあと2時間をがむしゃらに走っても練習にならないな、と思い、一度街に出てガスと飯を調達した。・・・と言っても、食べたのは菓子パンとジュースだけだが・・・。
しかし、コンビニの駐車場に座り込んでカステラを食っていたら、いつのまにか空が曇っていて、気温が一気に下がり出した。・・・これは、ちょっと気をつけた方がよさそうだ。飯を食っている間にタイヤもすっかり冷え切っているし。

で、残り1時間でコースに戻り、まずはまたタイヤを温めようとゆっくり目からペースを上げつつコースを20周くらい回る。ぬうう、やはり混んでるな・・・まあ仕方ない・・・と思いつつ、ひとまずコースを出る。一息ついたら、またタイヤが冷めてしまう前に本日最後のアタックと行こう。

・・・と、ヘルメットを脱いだ瞬間、コースから変な音がして、みんなぞろぞろとコースから出て来る。なんだ?・・・まあ予想はつくけど・・・様子を見に行くと案の定、最終コーナー入り口で誰かが転倒したようだ。

転倒者は肩を押さえてコース脇に寝そべっている。意識を失ってたりはしないようだからまあ平気そうだな(俺が他人を評して平気というのは、「どうやら他人の死に目には立ち会わないで済んだな」という意味である)と思ったが、どうも様子がおかしい。
やけに痛々しい姿の954RRは、クランクカバーが割れてオイルを大量に噴出したのだった。
こういう状況に不慣れなのか、何もできないでいる転倒者とその仲間に代わり、場慣れした感じの原付NSR乗りや梨本塾のメンツや他にも数名が、バイクとコースの処理に掛かる。
・・・俺はついしばらくぼうっと見ていてしまったが、バイクからオイルが垂れつづけていてコースを横切らせられない様子なので、持っていたガムテープが役に立つかなあ、と現場に行ってみた。役に立たなかったけど。

結局、左コーナーから最終コーナーへの中ほどから最終コーナーのブレーキングポイントにかけてオイルが散乱していて、この日は処理しきれないということで皆、走行を諦めることになってしまった。残念。

まあ、俺もかつてはNチビに勝手に対抗意識を燃やして自爆したし、こういうことは仕方ないのだが。
ただ、よっし最後に気合入れていくぞ!と思ったところで終わってしまったので、この日はなんとも不完全燃焼になってしまった。

後日(さっき)、TAKさんがいつの間にか撮影していてくれたDVムービーを貰って見た。

2分くらいしかない代わりに高画質にしてくれたので、自分のフォームなどがよくわかる・・・。
・・・猫背過ぎだよな、やっぱ。ライテク本でもなんでも、猫背がいいって書いてあるけど、ねえ。普通はそうだろうが、俺は元々が猫背だからな。ライテク以前に、日常からして。それが猫背で乗ると、度が過ぎている。顎を胸から離すと、よく旋回するように感じられた。
あと、他にもいろいろと突っ込みどころはあるが、やはり決定的に立ち上がりが遅いなあ・・・。
今回もそれなりに気をつけていたつもりではあるんだが。

やはり、次回はそこに最大の注意を払って取り組もう。

他に気付いたこととしては、
・コーナー進入:速度が最小になる点は、ぐっと奥にとる。進入前にそこを一度見るといい感じだった。ような。
・コーナー脱出:外側に向けて立ち上がる時は、自分が行くべき外側を見て立ち上がる、と良かったような。
・立ち上がり:遅すぎ。ガバっとでなく、ジワ〜っとで、でもまだまだ開けてよしだ。
・全体に体はもっと大きく動かしていい、けど、ケツだけにならないようにも注意。顎を上げて体は起こして。
そんな感じだろうか。

・・・課題多いな。

ま、精進、精進。

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